3D歯科 のデジタル歯医者入門

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ダイレクトボンディングを深掘り④(無料ソフトMeshmixerで行うワックスアップ 作業編)2022年2月23日更新、note解説動画も更新

みなさんこんにちは。

3D歯科 です。

 

前回では使用ソフトMeshmixerの準備と、

必要な口腔内スキャンデータを取得するところまで進めました。

 

今回は実際のワックスアップを解説します。

よろしくお願いします。

 

ワックスアップデータの整理

まずはMeshmixerを立ち上げ、必要なファイルをインポートします。

 

インポートするのは上下のSTLデータ、

また、左右のチェックバイトのデータです。

 

ファイルを開く際に、同時に全てのデータを選択してインポートするか

インポート→追加(アペンド)なら、データがきちんと重ね合わせされた状態で

作業を進めることができます。

 

手順(CAD作業から3Dプリントまで)

今回は左上犬歯の八重歯に対し、

(ちょっと無理矢理に)アンテリアガイダンスを設計します。

 

前回にお話しした方法でMeshmixerで歯のテンプレート(ワックスアップデータ)が

開けるようになっています。

 

方法ですが、

1、左のタブの上から2つ目、「Meshmix」→「プリミティブ」→

「Christian...ToothLibrary」から目的の歯をドラッグアンドドロップします。

 

2、歯を選択し、「トランスポート」でXYZ軸で移動させて歯列のSTLデータに重ねます。

 

3、必要に応じて拡大縮小し、左上犬歯の舌側面にワックスアップデータが来るようにします。

 

4、「スカルプト」の「膨張、フラット化、安定スムージング」などで加工します。

 

5、オブジェクトブラウザでshiftで元の歯列とともに複数選択し、「結合」でつないでおくと扱いやすいです。

 

6、これを参考に、元の歯列だけを選択して「編集」「押し出し」

いつも通り模型製作の準備をします。

<保存版>3Dプリンターで歯科模型を作ってみましょう①(Meshmixer編) - 3D歯科 のデジタル歯医者入門

こちらを参考にしてください!

 

7、そのままエクスポートし、ChiTuBoxでの編集に移り、模型をプリント準備します。

<保存版>3Dプリンターで歯科模型を作ってみましょう②(ChiTuBox編) - 3D歯科 のデジタル歯医者入門

 

8、作成した.ctbデータをUSBに入れて、3Dプリントします。

<保存版>3Dプリンターで歯科模型を作ってみましょう③(3Dプリンターでの出力編) - 3D歯科 のデジタル歯医者入門

 

9、3Dプリント模型が出来上がりました!(上がワックスアップ済み、下が元データ)

変化したのは犬歯のみです。ワックスアップで側方ガイドさせる部分の膨らみをつけています。

f:id:digitaldentistry:20220127191019p:plain

 

手順(透明シリコンインデックスを作成し、CRに活用するまで)

さて、今度はこの模型を利用してCRを効率よく行うためのシリコン型を作ります。

 

準備するのは、シリコンバイト材のクリアタイプ、フローCRとそのチップです。

 

まずはシリコンバイト材ですが、GCのエグザクリアがこの用途では最高です。

コストを抑えるためには、Ciメディカルのデリバイト ノンフレーバー レギュラークリアタイプ、でも(透明度は大きく劣りますが)代用できます。

 

やり方としては、クリアシリコンのチップを模型表面に付け、

気泡が入らないようにぶ厚めに盛り上げます。

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ここにC Rのチップで穴を開け、あとはチェアサイドでその穴からフローCRを流し込むだけです。

 

なお、クリアシリコンはもっと綺麗に、効率良い作成方法があります。

また将来に紹介させていただく予定です。

 

まとめ

お疲れ様でした。

ワックスアップも、3Dプリントも初めは大変で時間もかかりますが、

慣れるとアナログのマウントやワックスアップには戻れません。

 

今回のワックスアップは無料のMeshmixerだけ使用して行いましたが、

やはり実戦で精度を求めると専用ソフトの方が好ましいです。

これはBlenderのアドオンがおすすめですので、将来に紹介させてください。

 

また、クリアシリコンの作成方法も色々とテクニックがあります。

まずは今回紹介した方法が一番シンプルで、

ガイドを付与するためのCRを圧倒的に効率よく行うことができます。

 

以上、今回までデジタルを利用したCR,ダイレクトボンディングを

簡単に紹介しました。

 

今回は文章のみでは分かりにくいと思いますので、

こちらのnoteにて今回の作業の動画を紹介しています。

note.com

より精度の高いクリアシリコンを作成する方法も、

こちらに紹介させていただきました。

note.com

どちらも、2022年3月末まで無料公開します。

ぜひご覧ください。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。