3D歯科 のデジタル歯医者入門

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デジタルデンティストリーに取り組もう!Blender for Dentalアドオンの紹介④MeditLinkとの比較

こんにちは。

3D歯科 です。

 

 

前回はデジタルデンティストリーに取り組むために、

本格的なソフトながら低価格なBlender for Dental(B4D)について、

導入するメリットとデメリットについてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、有料アドオンであるB4Dと、

無料ソフトのMeditLinkについて比較を行い、

現状でのB 4Dの優位性についてお話しします。

よろしくお願いします。

 

無料ソフト最強へ向け進化中のMedit Linkについて

まず、B4Dについての紹介のはずですが、

おそろしい勢いでアップデートされ、

B4DやMeshmixerを多用する 3D歯科 も、

無視できなくなってきたのがMeditLinkです。

 

スキャンデータから模型作りを行うのは、手軽なMeshmixer

ダイ模型作りや、ワックスアップなどを行うのは、自由度の高いB4D。

 

それらが普段からの使用方法でした。

ですが、Medit Linkにデザイン機能が入ってからは、

全顎模型作りや簡易アーティキュレーターを設計するのは

作業スピードの速いMedit Linkを使用するようになってきました。

 

 

今までB4DのModel Designerを使用していた

3Dプリントの患者情報・文字入れや、

ダイ模型(支台歯を外せる模型)はMedit Link。

ワックスアップや咬合器の使用はB4Dとの使い分けになっています。

 

B4DとMedit Linkの比較

それぞれにメリット・デメリットがありますが、

B4Dのメリットやデメリットは前回にもお話しした通りです。

今回はそれぞれのポイントで比較してみようと思います。

 

・口腔内スキャンとの連動

これはMedit Linkに利点があります。

口腔内スキャナーi700 i600 i500と連動して使用することで、

スキャンを行なってすぐデータがソフト上でカラーで使用できます。

模型作りやその他の操作もカラーで行えてやりやすいです。

 

・スキャンしたデータから模型作り

これはどちらのソフトも可能です。

Medit Linkはソフトに従い一連の流れでアーティキュレーターや

文字入れまで簡単に行えます。

B4Dも同じように模型作りを行えます。

 

どちらかというと辺縁の余剰部分のカットはMeditLinkの方が

直感的で簡単にように思いますが、ソフトに従って作業を行うため

バイトに不良があったり、オープンバイトの状態では

MeditLinkではエラーが出てしまうことも多いです。

B4Dはソフトに規制されず自由度が高いため、

エラーが出ずに模型を作れるほか、模型のベース部分の自由度も高いです。

 

ただし、正直なところスタディモデル作り用途であれば

作業が直感的でわかりやすいMedit Linkの方が早いかもしれません。

 

・咬合器の使用

これはB4Dしかできません。

歯科専用ソフトであるExocadやInlabなどで行うのと同じように

ワックスアップや補綴製作に活用することができます。

 

先生方が技工を外注される際に、

補綴製作でしっかりした咬合器を使用して欲しいというのは

ほぼ全ての先生共通の希望だと思います。

残念ながら保険技工については、咬合関係を記録しただけの

簡素な咬合器(?)で制作されていることも多いですが、

自費補綴や全顎的治療は半調節性咬合器などを活用して製作することが多いはずです。

 

これと同じように、B4Dは上顎スキャンをマウントする位置を決めてやれば

自動で平均値咬合器にマウントされて顎運動を再現でき、

顎運動に従いワックスアップや補綴を削合することができます。

もちろんフェイスボウから本格的に咬合器を調整して用いることもできます。

 

今現在のB4Dのメリットの一つです。

 

・テックの作成

これは驚きなことに、Medit Linkでも十分に実用可能なテックを作成可能です。

 

B4Dであれば、マージンラインを自分で引いてワックスアップデータと重ねると

自動でテックのクラウン形態を出力してくれます。

B4Dのメリットはさらにそのワックスアップにデジタル咬合器を使用できることです。

 

Medit Linkでは、治療前のデータを保管しておけば、

そのデータと支台歯形成データを重ねることで、

自動でマージンが検出され(もちろん微調整は必要)

テックが制作されます。

治療前のデータが無い!という先生は、ひと手間かけて

Meshmixerなどで支台歯データにワックスアップを行い、

それを使用することでテックが作成できます。

 

また、どちらのソフトでもシェルテックをワンボタンで製作可能です。

支台歯データのない、治療スタート前、予約前に

治療前データかワックスアップデータがあると

それを薄いシェル状にテックを作ってくれます。

 

それらは口腔内使用できるテック用レジンを用いて3Dプリントすることで

チュエタイムの短縮を行うことができます。

 

 

今後のソフトの進化について

B4Dはオーストラリア?製ソフトだけあって、開発の方向性は

インプラントガイドやインプラント技工に注力しているようです。

3D歯科 は基本的には最終補綴を技工士さんに製作していただいているので

インプラントのモジュールを使用する予定はありません。

オールオン4などを行う先生は、ガイド、バーモジュールなどは

患者さんへ提供する際のコストを抑えられるので医院の競争力を上げられるかもしれません。

 

Meditについては、マニアックな内容ではなく、どんな先生もありがたいような

ベーシックなモジュールを次々に追加しています。

また開発のリソースが多いようで、ソフトのアップデートの頻度が非常に多いです。

おそらくですが、1年以内くらいにクラウンモジュールが出るのでは無いかと予想しています。

その際にもエクスポートが無料ならいいのですが・・・

また、咬合器も平均値咬合器であればすぐに実装される予感があります。

 

まずはいわゆるワックスアップのモジュール、ついでクラウン、

その後にアライナー矯正の診断・STLエクスポートができるモジュールなどが

実装されるのでは無いでしょうか。

 

将来性についてはMedit Linkがその進化に期待してしまいますが、

現在、月に1ドルという以上に安いサブスクで運用できていますが、

手放せないソフトになってユーザーを抱え込んだ後に、

この辺りの課金が増えるような気もしているのと、

韓国製ソフトですが提供が急に停止される可能性もあるかもしれません。

WEBベースのため、メーカーが供給停止すると使用できなくなります。

 

B4Dは買い切りでオフラインでも使用できるので、

メーカーがなくなったとしても使用し続けることが可能です。

 

まとめ

今回は安価で、非常に強力なソフトの比較を行いました。

現状すぐにしっかり使い込むにはB4Dにメリットがあり、

もしゆっくりと2−3年かけて研究するなら、B4Dを購入しなくても

無料ソフトで十分仕様に耐えうるソフトが出てくるのではないか、

と 3D歯科 は考えています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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STLはブログで配布できませんが、noteであればダウンロードできます。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。