3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

このブログで紹介されるリンクの一部はアフィリエイト広告を含みます。 リンク先での購入者に方には影響はありませんが、ブログ運営者に広告収益が入ります。

Medit ClinicCAD v0.9.4 Betaアップデートを試す②咬合調整時の裂溝形態を維持する &Medit i900登場!!

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、インレーの自動マージン機能を試しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、ClinicCADのアップデートで細かいところの使い勝手が良くなったので

レビューします。

よろしくお願いします。

 

ClinicCADv0.9.4

前回に紹介しましたが、インレー製作において自動でマージンを弾いてくれる機能も

追加されました。どのソフトにおいてもインレーの自動マージンは難しいようで

手元の環境ではやはり手作業でのマージン引きが必要でした。

 

今回は咬合調整を自動で行うような「適合」機能にオプションがついたので試してみます。

 

ここのPreserve Shapeをオンにすることで咬合調整の際に裂溝が潰れずに済みます。

 

例えばこのような極端な強い咬合接触状態でクラウン製作を進めると・・・

 

このようなひどい状態になります。

もしかするとCAD技工初めての方の仕事なのか、CAD技工黎明期なのか

モノリシックジルコニアでこのような大臼歯形態で苦しんでいる患者さんは時々いらっしゃいます。

 

チタンクラウンの保険開始時にもCADでワックスを製作したのちに調整できなかったか、

平坦で食い込んだ凹形態の咬合面ができたことがあります。

咬合性外傷などにより非常に残念ながらすぐにやりかえ治療になってしまいました。

 

とにかく、このような強い接触点を対合に適合させる場合には

裂溝形態を維持したいものです。

いわゆる一時期言われていたような「CAD臭い」咬合面形態を避けられるようにしてみましょう。

 

再度、この状態から適合を行なってみます。

 

↓こちらは以前のバージョンで「適合」させ、咬合調整を行なった状態です。

 

↓これが今回のアップデート後の、Preserve Shapeをオンにした状態です。

 

わざとめり込ませた咬合面でしたが、細かな溝を維持してそのまま咬合が低くなったように

調整されたことがわかります。

ただしこのような大幅な調整が必要な場合には、一部データの裏返りが見えることもありました。

 

そのため、この機能だけに頼るのではなく最後の調整の補助として用いるのがいいのかと思います。

 

ただCADで作業をする際のストレスが一つ減らせたため、

ライブラリーに適合しにくい対合関係の場合など、役立つことも多そうな

目立つ機能でなくても実直なアップデートに感じました。

 

Medit i900

さて、ClinicCADのアップデートのニュースからすぐに、Meditからニュースが飛び込んできました。

今月末にMeditの最新フラグシップモデル、i900の情報が解禁(発売?)されるそうです!

 

スキャナーチップの先端が平坦になったほか、

物理ボタンがなくなってタッチパッドが搭載されるなど

なんだかiPhoneiPadの進化を見るような改善がなされているようです。

 

スキャン本体のスペックも向上しているようで、メタルスキャンなども改善したそう。

これはすぐにでも試してみたいところです!

ボタンの排除はチェアサイドでの直感的な操作に影響しないのか、

チップが幅が広がっても最遠心に届くのかなど実践しないとわからないこともあります。

 

なかなか日本では薬事の関係ですぐには入ってこないのでしょうが、

海外で発売後すぐに情報が出てくると思うのでレビューを待ちたいところです。

 

まとめ

3D歯科 としてはClinicCADもそうですが、i900が気になるところです。

ここ2〜3年でスキャンスピードは各社とも十分実用に耐えうる進化を遂げて

あとはインターフェースやスキャン領域の広さ、ソフトウェアとの連携が

スキャナーを選択する際のポイントになりそうです。

 

iTeroの新しいモデルも、Trios5についても、

「スピードだけではない」独自性を持って進化し始めているようです。

 

 

Meditの進化がどのような方向へ進んでいくのか、

自社アプリが非常に強力であることもあり期待大です。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

 

Medit ClinicCAD v0.9.4 Betaアップデートを試す①インレー自動マージンを試す

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、簡易DSDとして活用できるリップスキャンと、その方法についてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、Medit ClinicCADソフトウェアがアップデートしたので試してみます。

よろしくお願いします。

 

Medit ClinicCADとは

Medit ClinicCADは、Meditが現在無料で公開している補綴製作用CADソフトです。

今の所まだベータ扱いではあるのですが、非常に強力な機能が利用でき

さらに利用やエクスポート含めて(現在)完全無料で利用できるのでぜひ試したいソフトです。

 

有名な歯科用CADソフトと同様にクラウン、インレー、ブリッジなどを製作でき、

咬合器こそ利用できないもののセメントスペースやマージンからの立ち上がりの設定など

かなり自由に調整することもできます。

 

その上データは全てクラウドにバックアップされるのでどこでも作業が可能で

ライブラリデータも手元のライブラリーなどをインポートして使用することができます。

 

0.9.4アップデート内容

さて、アップデートされたClinicCADの新機能を見てみましょう。

現在のところMedit Linkを立ち上げた時に出るお知らせ&更新でのみ

日本語の情報が入手できます。

 

YouTubeの目次?とともにアップデートの内容を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

このような内容となっています。

 

目立つアップデート内容としては、

インレーの自動マージン設定

・対合歯への適合(咬合調整)で歯の形状を維持

・スカルプティングツールのバグ修正

この辺りだと思います。

 

マージンラインが不揃いな場合(形勢の問題)や、インレー・アンレーの場合

マージン付近にてスカルプティングツールを利用すると

データがひっくり返ったりして上手に補綴を作成できないこともありました。

 

こうしたバグを真面目に除去してくれるのはユーザーとして非常にありがたく、

本気でMeditがClinicCADをエグゾキャドなどに肩を並べる業界標準にしようと

奮闘しているように思えます。

 

3D歯科 の個人的な予想としては、バージョン1.0リリースまでは無料で使用できて

正式バージョンリリース後には、スキャンソフトと同様に、Meditスキャナがドングルか

ライセンス登録になり、スキャナーを持っているユーザーだけが無料で利用できるように

なるのではないかと思っています。

(今現在のところ。Meditスキャナーを持っていないユーザーも無料で利用できてしまいます。Meditのクラウドといい、かなりの太っ腹です)

 

インレーの自動マージンを試す・・・が

さて、アップデート内容を試してみます。

 

インレーの自動マージンです。

今回のバージョンから、ClinicCAD起動後にも補綴フォーム登録を変更できるようになりました。

 

今まではインレーモードで調子が悪い場合、一旦ClinicCADを閉じてクラウンモードに変更し

それから再度編集する、というような手間がかかることもあったので、

これによりワークフローが簡略化します。

 

また、インレーはクラウンと比較してマージン引きが面倒です。

スキルのある技工士さんでは問題にならないのでしょうが、片手間で行うドクターにとって

マージンが自動でそれなりに引いてくれればそれに越したことはありません。

(自分で形成しているのにも関わらず、マージンがわからないのです・・・)

 

 

 

結論から行くと、インレー自動マージンは 3D歯科 の環境ではうまく動作しませんでした。

これも形成がはっきりせず、スキャンがうまく取れていない、などの問題かもしれませんが

クラウンの自動認識と違いそれらしいマージンも引いてくれませんでした。

 

ただしClinicCADはすでにマージンの開始点をワンクリックすることで

おおよそのマージンを引いてくれる機能が前のバージョンからありました。

これによって引いてくれたマージンを少し修正するだけで

実用に耐えうるマージンライン引きが終了します。

 

インレーではマージンを引くところだけでちょっとした手間ではありますが、

現在のところ手間をかけてでも人の手で行ったほうがいいのかもしれません。

 

まとめ

今回はすでに高い完成度を誇るCADソフト(しかも無料)であるClinicCADの

最新のベータアップデートを試しました。

 

インレーの自動マージンはうまく動作してくれませんでしたが、

歯冠ライブラリーの適応などは、今までよりも楽に・精度が高いものになっています。

 

次回は咬合の高さを調整するときの挙動が楽になったので、それについて使用レビューをしてみます。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

また、ひとつ告知をさせていただきます。

4月6日に大阪で口腔内スキャナーとdentbirdについてのセミナーを行います。

18:00~19:30で、おそらくお話しするのは18~19時くらいと思います。

セミナー内容は主にSHINING3DのAoralscan3とdentbird(AIクラウンCADソフト)です。

これからIOS導入をお考えの方と、購入したけれどあまり発展できていない方向きになります。

 

ただ前後の時間は1時間ずつくらいブースにいる予定ですので、MeditのことやB4Dのことなど

マニアなお話をしていただける方、もしスキャンなどでお悩みの方がいらっしゃれば

話しかけていただければ嬉しいです。

 

↑有名な先生方の中で恐縮ですが、お時間ある方、お近くの方はよろしくお願いします。

 

今回は以上になります。

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

口腔内スキャナーで簡単に行うリップスキャン(口唇位置のスキャン)

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、3Dプリンターのシステムを導入することについてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、口腔内スキャナーで行う簡易的なDSD(デジタルスマイルデザイン)の導入、

リップスキャンの方法を紹介します。

よろしくお願いします。

 

DSDについて

DSDとはデジタルスマイルデザインのことで、元はクリスチャンコーチマン先生が

患者顔貌写真と歯の写真、治療後のシミュレーションをKeynoteで重ね合わせたことから、

現在ではCAD上で顔貌スキャンと歯列スキャン、ワックスアップデータを重ねて

患者さんの審美状態の診断を行うことを言います。

 

臨床に取り入れようとすると、必要なものがいくつかあります。

規格化した写真を用いて、顔貌写真を透かしながら前歯部のワックスアップを行うか、

フェイススキャンデータを前歯のマッチングができる状態で取得する必要があります。

 

写真は医院のスタッフに行ってもらうことができますが、

フェイススキャンは機器の導入も必要でハードルが高いと思われる先生も多いかもしれません。

ただ写真だけで行うと(当たり前ですが)口元の立体感などは診査できません。

 

そのため今回は、口唇付近のみを口腔内スキャナーでスキャンして簡易的にDSDを行う

手助けをするようにします。

 

リップスキャンに必要なもの

リップスキャンは口腔内スキャナーさえあれば可能です。

アングルワイダーすら必要ありません。

うまくスマイルできない患者さんには、大きく歯を見せて笑う練習を事前に行う必要があります。

 

麻酔を行う治療を行う場合は、麻酔の前にスマイルのスキャンを行うことが必要になります。

上顎前歯が生活歯で支台歯の場合は、マッチングポイントをしっかりと考えておく必要があります。

これについては後述します。

 

リップスキャンのスキャンすべき場所

患者さんの口唇をスキャンしますが、必要な部位は口唇全体とドライウェットライン、

歯に触れる内側の口唇部分ぎりぎりまでです。

 

いわゆるフェイススキャナーを用いた顔貌スキャンは、顔貌に調和したCADを行うために非常に有用ですが、

問題としては口唇の内側部分や口唇の細かい形態、0.1ミリ単位でどこまで歯を覆うかなど

ざっくりとしたスキャン結果となりますので細かい診断がしにくくなります。

 

これは高価なフェイススキャンであっても、画像は綺麗でも口唇の動きなどもあり

口唇周りについてはおおよその判断しかできません。

 

そのため、歯をスキャンする高精度の口腔内スキャナーを用いて

口唇内側までスキャンしておくことで、フェイススキャンを用いる場合でも

さらに高精度の顔貌・口唇・歯列の調和した診断を行うことが可能になります。

 

リップスキャンの具体的な方法

患者さんの上下、バイトのスキャンを通常どおり口腔内スキャンします。

 

その後に、口腔内スキャナーごとにやり方はいろいろですが、

「Pre Ope機能」「治療前データ」「上顎コピー」などの、

治療前後を重ね合わせするための機能を利用します。

 

やり方は簡単です。

  1. スマイル時に上下口唇のどちらがより動くかを確認します。
  2. より動く方の口唇のコピーデータ(PreOpeデータ)を準備します。
  3. コピーデータに口唇を重ねて追加スキャンします。

その際のポイントは以下のとおりです。

 

  1. 患者さんには目を閉じてもらう
  2. スキャン中に口唇は動かさず、スキャナーが口唇に触れないようにする
  3. 最大限にスマイル→自然なスマイルの順に行う
  4. 可能なら複数の口唇の形をスキャンする

フェイススキャンもそうですが、患者さんの前で動くスキャナーを操作すると

どうしても目で追ってしまい患者さんの体動は避けられなくなります。

基本的には目を閉じたままスキャンします。

 

スキャン中は手早く行いますが、どうしても口唇を同じ姿勢のまま静止させるのは難しいです。

そのため自然なスマイルを記録したい場合でも、最大限のスマイルを練習してから

よりリラックスした状態の自然なスマイルを記録することをお勧めします。

 

また、スキャン途中で口唇にスキャナーが触れてしまうと

絶対に口唇は動いてしまうのでスキャン結果が歪んでしまいます。

左手を添えるなどして、患者さん顔貌にはレストを置かずに

数秒のうちにスキャンを終えるように心がけましょう。

 

まとめ

今回はDSD(デジタルスマイルデザイン)のうちの初歩的な方法、

リップスキャンの方法についてお話ししました。

 

↑簡単にこのような口唇内面やドライウェットラインを考えた審美診断が可能になります。

また、今回紹介したPreOpeスキャンに歯列以外のものを重ねていく手法は、

アイディア次第で様々な用途が考えられます。

3D歯科 でも審美や補綴スキャンを行う際にはマッチングデータを重ねていくことがほとんどです。

理解のある技工士さんや、自分でワックスアップを行うのであれば、

情報は(しっかりマッチングされているのであれば)多いに越したことはありません。

 

さらに活用を広げるのであれば、フェイススキャンと組み合わせることで

歯列と口唇を高精度に、フェイスデータを広範囲に取得したデジタルペイシェントを

作成してCADや審美の診断を行うことが可能になります。

 

note.com

↑フェイススキャンを簡単に行う方法をnoteでも記載しています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

また、ひとつ告知をさせていただきます。

4月6日に大阪で口腔内スキャナーとdentbirdについてのセミナーを行います。

18:00~19:30で、おそらくお話しするのは18~19時くらいと思います。

セミナー内容は主にSHINING3DのAoralscan3とdentbird(AIクラウンCADソフト)です。

これからIOS導入をお考えの方と、購入したけれどあまり発展できていない方向きになります。

 

ただ前後の時間は1時間ずつくらいブースにいる予定ですので、MeditのことやB4Dのことなど

マニアなお話をしていただける方、もしスキャンなどでお悩みの方がいらっしゃれば

話しかけていただければ嬉しいです。

 

↑有名な先生方の中で恐縮ですが、お時間ある方、お近くの方はよろしくお願いします。

 

今回は以上になります。

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

歯科用プリンターのシステム化・自動化について③歯科用プリンターのシステム導入

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、3Dプリントを自動化することについてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、実際にどのようなシステムを導入することができるかを検討します。

よろしくお願いします。

 

 

3Dプリントのシステム化

国内外には様々な3Dプリンターシステムが存在します。

3D歯科 の知りうる数機種を紹介します。

 

 

Prime Print

もっとも日本国内で有名なのは、SironaのPrime Printかもしれません。

 

Prime ScanでスキャンしたデータをinLabソフトでクラウンをデザインし

Prime Millでミリング・・・する代わりのCAM機として登場したPrime Print。

 

半自動化が行われており、インクのカートリッジを挿入すると自動でレジン補充が行われ

データを入れてプリント後、プラットフォームを洗浄機に移動させれば

2槽のアルコールで洗浄、その後乾燥して2次重合してくれるというものです。

 

さすがはCerecシステムを作成しているメーカーだけあって、

1社完結のシステムはハイクオリティにまとまっています。

見た目もかっこいいですし、プリント後にプラットフォームを移動させることを除いて

ほぼ全自動になっています。

 

ただし・・・冷蔵庫のような機器がプリンターと後処理器の2台必要になり、

また、価格もCerecに相応しい高額なものになっています。

技工士さん界隈から、この機器の価格の7割は見た目!という冗談も聞かれたのですが;

Prime Millなどを導入しペイできる先生であれば、医院の統一感や患者さんへの訴求力として

 

また、Sironaのとても優れたLucitoneという義歯プリント素材を使用できるのも

この機種のメリットかもしれません。

 

Formlabシステム

さて、Prime Printほど高価格帯ではなく、歯科技工所でも馴染みの深いプリンターシステムとしてFormlabsのシステムが挙げられます。

元々、歯科用で導入されるときにはセットで購入されることの多い

重合器と洗浄機を昔からラインナップしていたメーカーになります。

 

ホビー用のWASH&Cureシリーズと比較すると高価ですが、

プリンター本体と合わせて100万円以下になる投資で、

いわゆる歯科レジンを安全性の高いメーカー指定の設定のもと後処理できるのは

最終補綴としてプリンターを使用したい場合にも有効と思います。

 

Keyprintなど一部メーカーはPhrozen、Elegoo含め多くの機種の洗浄・重合器に

認定済みの後処理方法(パラメーターや照射時間など)を公開していますが

多くのレジンでは指定機種での洗浄、重合時間しか後悔していないものが多いです。

また重合はパラメーターを公開していても、洗浄方法はアルコールとブラシで優しく洗って、

くらいにしか記載がないレジンも多く、正直なところ本当にこれで正しいか心配になることもありました。

 

そのため最終補綴で使用するなどの用途で、Formlabsのレジンを使用するのであれば

この2機種とプリンターを揃えるのもいい方法と思います。(ただしランニングコスト高め)

 

また、最近知りましたがForm Autoという楽しそうな機器も販売されています。

プラットフォームからの取り外し、次のプリントの自動化という

人の手を借りず量産する仕組みが取り入れられているので、

夜中ずっとプリンターを動かすのもアライナー矯正や技工所の使用など

数を出力する必要性があればいい選択肢かもしれません。

 

Ackurettaのシステム

以前にもこの会社は紹介したことがあったと思いますが、

高速プリント・オープンマテリアル・高価格帯ではない、という魅力的なラインナップを持つ

アキュレッタのSOLプリンターと洗浄機、重合器のシステムです。

 

何よりもオープンマテリアルで、かなり豊富なレジンに対応、その後の処理も

レジンメーカーからの認証済みの後処理方法がシェアされており

様々な補綴や装置を安心して提供できます。

 

またSOLは歯科プリンターの中でも高速なモデルであり、

ミニプレートを使用するとワンデイトリートメントにも対応できます。

 

ただし国内での流通経路は少なく、一部の矯正界隈で名前を聞く程度で

もっと大手販売店が扱えばいいのに、と思わせられるシステムです。

 

システム化されていますが、プリント後のプラットフォームからの切り離し、

洗浄槽への移動や重合器への移動などは人の手で行う必要があり、

Prime Printや先のForm Autoほど楽はできません。

ホビー用途のシステムを歯科用に高品位にした、というイメージです。

 

SHINING3D AccuFabシステム

最後に紹介するのは、実は縁あって 3D歯科 が導入したシステムになります。

 

IOSのAoralscan3でも有名なSHINING3Dのプリントシステムであり、

プリンターのAccuFab L4D、重合器のFabCure2、洗浄機FabWashからなります。

 

面白いポイントはFabWash、このサイズ感ですがプラットフォームからの自動切り離し、

洗浄が一体になっています。

↑のようなカッターが出てプラットフォームから模型を切り離してくれる。

(今の所10回ほどプリントして10回ともうまく切り離してくれています。)

 

初めはオマケ機能のように感じていましたが、なかなか便利で

プリント完了後すぐにプラットフォームをFabWashに移動させれば

あとは洗浄終了後にFab Cure2に移動させるだけと、人の手を最小限にしてくれます。

 

PrimePrintだとプリント後に移動させる手間さえやれば、洗浄・乾燥・重合が自動化。

その後はプラットフォームから人の手で切り離し(と説明を受けました、合っているかな)

 

AccuFabではプリント後に移動させれば、切り離し・洗浄が自動化。

その後に重合器へ移動させれば完了と、そこまで2つのシステムに手間の差はないように感じます。

 

それならと、価格とスペース、プラットフォームからの切り離しでのミスがないという点から

3D歯科 のところではSHINING3DのAccuFabが頑張ってくれることになりました。

 

まとめ

いくつかのプリント操作自動化のシステムを紹介しましたが、

本来、プリント後にはまだ「サポート切り離し」「研磨」「表面コーティング」と

行うことが残っています。

 

ミリングでの製作のことを思うとこのくらいは仕方ないのかもしれませんが、

システム化された商品が増えて、可能なら1台の箱の中で

プリント、切り離し、洗浄、乾燥、重合、切り離し、研磨という一連の流れを

勝手に機械がやってくれる未来を夢見たいと思います。

 

口腔内での永久補綴用途で今回導入しましたが、

確認用模型など、多数のElegooを同時運用できるメリットは大きく、

日夜複数台のプリンターが院内のいろいろな場所で動いています。

 

楽しいプリント仕事が、できるだけ拘束時間や危険性を抑えて

どの医院でも導入のハードルが下がればいいと期待しています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

また、ひとつ告知をさせていただきます。

4月6日に大阪で口腔内スキャナーとdentbirdについてのセミナーを行います。

18:00~19:30で、おそらくお話しするのは18~19時くらいと思います。

セミナー内容は主にSHINING3DのAoralscan3とdentbird(AIクラウンCADソフト)です。

これからIOS導入をお考えの方と、購入したけれどあまり発展できていない方向きになります。

ただ前後の時間は1時間ずつくらいブースにいる予定ですので、MeditのことやB4Dのことなど

マニアなお話をしていただける方、もしスキャンなどでお悩みの方がいらっしゃれば

話しかけていただければ嬉しいです。

↑有名な先生方の中で恐縮ですが、お時間ある方、お近くの方はよろしくお願いします。

 

今回は以上になります。

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯科用プリンターのシステム化・自動化について②プリント自動化システムを検討する

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、3Dプリンターを院内で導入した時の各種工程を

誰が行うかという問題についてお話ししました。

全て先生だけで行うと大変で、前回は院内のスタッフや技工士さんに

一部工程をお願いした方が良さそうということをお伝えしました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、そうはいっても人手が足りていない、技工士さんは募集してもきてくれない、

その場合に、(半)自動化の3Dプリントシステムを導入することを考えてみます。

よろしくお願いします。

 

院内製作を自動化したい

院内では様々な技工物を製作すると思います。

マウスピースやTEK、咬合床など。

 

リングマシンをお持ちの方はジルコニアやセレックなどの最終補綴クラウン。

3Dプリンターを使用すればサージカルガイドやコピーデンチャー、

レジンによってはハイブリッドセラミックのベニアやクラウンなど。

 

これら全てを自動化できれば夢のようですが、現実にはなかなかそうはいきません。

 

3D歯科 はミリングマシンは所有していませんが)ミリングの場合は

補綴形態を考えつつネスティングを行い、ミリングしたブロックやディスクから切り離し

研磨しシンタリング・グレージングなど。

 

プリントでは前回にお話しした、スライス設定やサポート付け、プリント後には

サポート切り離し、アルコール洗浄、研磨、最終重合・・・

たくさんの工程が必要になります。

 

そのため、ただ機器を購入するだけではなく、それを誰が使うか、いつ作業するか

これをきちんと考慮の上で(先生が操作するなら先生の時給も考慮の上で)

設備導入がコストとメリットに見合うのか考えなければいけません。

 

具体的にいくと、自動化システムを導入して時短できるのはこの辺りです。

・スライスソフトの設定、出力物の配置

・3Dプリント後の出力物の切り離し

・出力物のアルコール洗浄

・出力物の二次重合

それぞれ見てみましょう。

 

スライスソフトの設定、出力物の配置

3Dプリンターごと、プリント用レジンの種類ごとに、

プリントするための最適なパラメーターが存在します。

 

3DプリントができるようにするためSTLデータを編集するのをスライスと言います。

このスライスを行う専用ソフト(Chituboxなど)をスライスソフトと言いますが

ソフトにより、自動サポート機能や自動配置(どのように出力物を並べるか)

複数のレジンのパラメーターが登録されているものもあります。

 

ですが歯科専用プリンターを購入しなければ、PhrozenやElegooプリンターには

基本的に歯科用レジンの設定は登録されていません。

 

海外で根強い人気を誇るPhrozen製のプリンターなどでは

マニアな先生がミニプレート(プラットフォームを小型化したもの、高速出力可能)や

バットウォーマーを販売しており、かなりの種類の歯科用レジンについて

Chituboxのパラメーターを探して公開してくれています。

monocure3d.com.au

3D歯科 も個人的にElegoo Mars3シリーズで国内で義歯を作る定番レジンの

DHプリントについてのパラメーターの参考値を公開しています。

note.com

 

まとめると、高額なプリンターでなくてもここは(半)自動化が行われます。

もちろん歯科用プリンターを導入したら専用スライスソフトで自動でできることも多いです。

 

3Dプリント後の出力物の切り離し

さてプリントできればプラットフォームから出力物を取り除きます。

これは金属スパチュラのようなものを滑り込ませて慎重に剥がします。

 

意外と面倒で出力物を壊してしまうリスクもあるこの作業ですが

石膏でいうトレーからアルジネートを剥がすようなものです。

 

できれば自動化したい作業ですが、このような機器は多くありません。

次回の更新の際に、国内で購入できる実際の機器を探してみます。

 

出力物のアルコール洗浄

プラットフォームから剥がしたら、次はアルコール洗浄です。

これはホビー用の3Dプリンターシステムでも専用の洗浄機が多く存在します。

 

こういったものでも洗浄はできますが、意外と歯ブラシとアルコール、超音波洗浄機のほうが綺麗に洗えたりします。

 

また、アルコールも使用のたび劣化していくので、ホビー用の洗浄力で行う場合は頻繁にアルコールを変えるなど工夫が必要です。

 

f:id:digitaldentistry:20240314172943j:image

こういったシステムでも基本はアルコールやIPAを洗濯機のように回転させて出力物を洗い流すと言うものです。

 

手作業と歯ブラシ、超音波洗浄機でも綺麗になると書きましたが、

やはりここは手間がかかるのと、毒性のあるレジン液とアルコールに曝露されることを思うと

専用機械があると便利です。

 

出力物の二次重合

洗浄が終われば、次は最終重合を行い、口腔内でも使用できるようにします。

未重合層があれば口腔内に入れた場合に毒性が残ります。

 

そのためレジンごとに最適な長時間の光照射で重合を行い、

またグリセリンに浸漬して酸素を遮断して最終重合を行うことが大切です。

 

先程のMERCURYのように洗浄機と最終重合の機器が一体になったものもあります。

 

昔ながらのレジン前装冠を作るための照射機も使用できますが

ハロゲンなどでは波長が合わなかったり

かなり長時間の露光が必要な場合もあります。

 

ただし最近の機器であれば重合器はターンテーブルが内蔵されており

基本的には機械任せで最終重合が行えます。

グリセリンにつける場合は筆などで細かい内面にグリセリンを塗ってから

ガラス容器などのグリセリンに浸漬して重合します。

 

重合終了後に取り出して、ようやく完了です。

 

まとめ

このような 3Dプリントの一連の流れですが、

ひとつひとつは簡単な作業でも、忙しい院内ですべて先生が行うのは

なかなか時間が厳しいかもしれません。

 

診療後の時間に重合失敗をしたプラットフォームを眺めたり、

サポートの切り離しで割れてしまったラミネートベニアを処理するのは

なかなか心に来ます。

 

そのため、スタッフや技工士さんの手を借りるか、

機械化できるところはシステム化して機器導入で対応を考えてもいいと思います。

 

次回は実際に 3D歯科 が縁あって導入した機器や、

それによりどの程度、楽ができるようになったか、

他の自動化できるシステムはどのようなものがあるか、ということをお話しします。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

歯科用プリンターのシステム化・自動化について①院内で3Dプリンターに取り組もう

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、保険導入を見据えた口腔内スキャナーのスキャン方法や機種選択についてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、毎日行う3Dプリントについて、

なるべく人の手を借りずにシステム化することでドクターの負荷を減らす方法を考えます。

よろしくお願いします。

 

歯科の3Dプリントについて

歯科でアナログ印象がデジタル光学印象・口腔内スキャナーに置き換わってきています。

その際に問題となるのが、石膏模型がなく画面上でしかデータを見られない点です。

 

そのため、診断や作業用模型として、スキャンしたデータを3Dプリントできるように編集し

3Dプリンターでプリントすることで歯科模型を作成することができます。

 

また、模型だけではなく口腔内に装着するスプリントや総義歯、最終補綴クラウンまで

3Dプリントで作成が可能になっており、ミリングマシンと比較して初期投資を抑えて

院内技工製作にも役立てることができます。

 

このときに問題になるのは、3Dプリンターの操作がやや複雑である点と、

後処理と呼ばれる、プリント後のアルコール洗浄や最終重合(ジルコニアでいうシンタリングのようなプロセス)が必要であるという点です。

 

「誰がデータ編集を行うか」「誰が3Dプリンターを操作するか」「誰が後処理を行うか」

これが歯科で3Dプリントを行う上での考えておくポイントとなります。

 

「誰が」:全て先生だった場合

これはデジタルマニアな先生方のクリニックで多いかと思うのですが、

先生だけが知識があり、他に任せられないケースです。

 

「誰がデータ編集を行うか」:

模型データであれば5分ほど、クラウンなら10分ほど、義歯なら30分ほどかかります。

ソフトにより異なりますが、いわゆるCAD作業と言われる操作が必要になることもあり

技工士さんがクラウン製作する作業と同様です。院内でクラウン製作する際に

場合によっては院内技工士さんがいればお任せした方が効率は上がると思います。

 

「誰が3Dプリンターを操作するか」:

3Dプリントは、電源を入れてレジンを入れてスタートボタンを押せば綺麗に出来上がる。

・・・というものではありません。

(将来の発展でおそらくそのようになると思います)

 

レジンを加温して粘稠度を下げて(CRを加温してセメント用途に使用するのと同様)

プリンター本体を温めておき出力中の温度変化がなるべくないようにし

3Dプリントのセッティング、つまり光照射時間や機械を動かすスピードを設定し

出力された例えばクラウンを見て精度を高めるためにセッティングを微調整する。

・・・このような操作がどうしても必要になります。

 

ここのレジン設定やサポート付けをいきなりスタッフに完全にお任せするのは困難です。

3Dプリンターに慣れた技工士さんやミリングマシンのネスティングで

パラメーター調整に慣れたスタッフであればポイントを理解してくれると思います。

 

歯科用プリンターによれば純正レジンについてはセッティングが登録されていたり

レジンバットや本体を温める機構がついているものも機種によりあります。

ただそれでも気温やデータの形状により設定の微調整は必要になります。

温度センサーと連携してAIがパラメーターを調整してくれれば・・・とよく思っています。

 

「誰が後処理を行うか」:

ようやく出力された、と安心はしていられません。

出力後、時間が経過する前に次は後処理を行います。

後処理とは、ベタベタにレジン液のついた出力物をアルコールで洗い、

余剰アルコールを完全に除去してから光重合器で最終重合を行います。

 

この時の余剰アルコールはアレルギーの可能性がありニトリルグローブなどで防護します。

作業中のアルコールの曝露を抑えるためゴーグルやマスクを着用します。

 

レジンによりますが数分以内に洗浄工程を確実に終え、そこから長時間の最終重合となります。

 

正直なところ、この工程は大切ではありますが面倒な作業になってしまいます。

スタッフに工程を教えてやってもらう、機器により自動工程のあるものを導入するなど

時短に努めたい工程になります。

 

全て先生だった場合

これら全てを 3D歯科 の医院では全てドクター自分自身のみで行なっていました。

 

クラウンやスプリントのデザインは、院内に技工士さんのいないクリニックで内製化すると

ドクターの仕事になりますが、確認用歯列模型などであればモデルビルダーの操作は

スタッフに完全にお任せしてもいいかもしれません。

 

データができたらスライスソフト(Chituboxやプリンター純正の、プリント可能にするソフト)に入れて、歯列模型なら自動サポート機能でワンクリックで対応できます。

 

プリント完了後の後処理もドクターが全て行うとすると、歯列模型だけでも

1時間を超える時間、ドクターがつきっきりで対応するのは20分ほど必要になるでしょうか。

そうすると石膏模型と比較して(石膏模型を全てスタッフに任せているとすると)

高コストになってしまい、3Dプリンターの敷居が上がってしまいます。

 

また、セッティングをレジンごとに最適パラメーターを探すのも

ドクター1人だけの力だけでは対応しにくくなってきます。

 

そのため、これから3Dプリンターを院内に導入しようとする先生は、

ぜひ1人だけで全てをカバーしようとせず、スタッフを巻き込んで

医院として取り組むようにしてみましょう。

 

後処理を任せられるだけでも楽になりますし、石膏と同様にモデルビルダーから

歯列模型のプリントまで全行程を任せられると、日常診療に取り入れやすくなります。

 

まとめ

3Dプリンターは歯科医院に導入されることで、低コストながら非常に高精度な

院内技工に取り組むことができます。

 

ただし、従来法よりは快適ではあるのですが、やはり時間コストが多大にかかってしまいます。

診療の合間にCADをして、診療後にプリントや後処理をする・・・

現状ではマニアな先生の趣味(もちろん 3D歯科 も含みます)としてしか

院内導入では日本国内では活用されていないかもしれません。

 

ですが技工ラボでは様々な時短に活用されていますし、

院内技工士さんがいればかなり多彩な技工物を院内製作できるようになります。

 

 

次回は、歯科用3Dプリンターの(半)自動化が進んできていることに着目します。

ポンとスイッチを押せば、完成品がポンと出てくる・・・のが理想ですが

現状ではそこまでは進んでいません。

 

ですが後処理含めて一部のワークフローが省略できれば、先生方のクリニックでも

導入が現実的になるのではないでしょうか。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

 

 

CADインレーのスキャンを考える、保険導入を考えた口腔内スキャナーのモデルを考える

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、口腔内スキャナーでのデータ保存・活用についてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、保険導入されるCADインレーのスキャンについてお話しします。

よろしくお願いします。

 

前置きとして

3D歯科 はデジタルについてのお話をさせていただいていますが、

アナログの治療内容や形成方法については残念ながら自信がありません。

特に形成については成書やその他情報を確認していただくのをお勧めします。

例えばですが、ヤマキンの特設サイトではCADクラウンやインレーの形成について

詳しく解説してくれています。

 

 

ヤマキンは保険導入されたさまざまなブロックや技術について

すぐに特集を組んで解説してくれてありがたいです。

ヌールコートも素晴らしいです。四国にあるとのことで、将来遊びに行ってみたいです。

 

CADインレーのスキャン

さて、保険導入されるCADインレーですが、アナログ印象と同様に

綺麗にコンタクト部分が印象できないと、フィットせずチェアタイムで苦労します。

 

そのため、スキャンの光が届くような形成をして、工夫してスキャンが必要です。

 

まずはコンタクトの形成ですが、アナログと同様に

コンタクト接触部分が切り離されていないとマージンラインは視認できません。

そのため基本的にはコンタクトを形成して隣接歯と離れるようにしますが

この際にメタルインレーのような薄いスライスカットではトラブルが出てしまいます。

 

まずは出来上がったCADインレーのコンタクト部分が急角度に広がることになり、

調整や試適中にも割れてしまうような脆い構造になります。

 

適切に形成が済めば、今度はスキャンです。

 

咬合面のスキャンはほぼ全ての症例で問題なく行えます。

もし形成がMIを考慮しすぎて頬舌幅が狭すぎる場合、咬合面観でも

スキャンチップを頬舌に振りながらスキャンすることが必要です。

 

さて問題はコンタクトです。

インレーは特にこのコンタクトのスキャンが難しくなることが多いです。

 

コンタクトで注意することは2点。マージンラインが近遠心部分で途切れないこと。

臨在歯のコンタクト接触面を確実に取ること。当たり前ですがここに注意です。

 

ポイントとしては、「大事だけれどスキャンが難しいところ」を先にスキャンすることです。

歯列弓に(可能なら)スキャンチップを直角に当て、スキャンチップを近遠心に振りながら

コンタクトをスキャンできるようにします。

 

通常はスキャンは歯列弓に沿ってチップを当てていきますが

これだと近遠心コンタクトはスキャナーを上下に振ることになり

まず遠心コンタクトはスキャンができません。

 

コンタクトがスキャンできてからゆっくり臨在歯のスキャンを通常通りにつなげていくことで

問題なくスキャンが可能になります。

 

そのため、口唇が圧排しにくい方や、スキャンチップが入りにくい開口量の少ない方は

アナログ印象材と比較して難しいです。特に下顎6の遠心面や

(保健適用にはなりませんが)下顎7の近心面はかなり難しくなります。

 

 

どのスキャナーが保険治療にお勧めか

さて口腔内スキャナーが保健適用になり、ついに口腔内スキャナーの導入を考えている先生も多いかと思います。

 

その際に迷うのは、どの機種を購入するかです。

 

結論としては、最新型のスキャナーであればどれでも十分な精度でスキャン可能です。

 

あえて保険治療を見据えて選択するとすれば、被写界深度とチップの小ささはポイントになります。

被写界深度とは、どこまで遠くまでスキャンができるかを示したものです。

 

例えば深い形成をしたインレー、コアなど・・・

コンタクト部分などもスキャンチップを近づけるとスキャンできるはずですが、

残念ながらお口はそこまで開かず、臨在歯があるとチップはそれまで近づけません。

 

ちょうどインプラントオペのコントラがお口に入るかどうか、というのと同じです。

 

 

さて実際のモデルとしては(保険で価格を考えると)数機種に絞られます。

 

ブランドとしては、Medit、Shining3D、新興メーカーのあたりが

新規導入する口腔内スキャナーの選択肢になると思います。

 

アイテロは?PrimeScanは?という声が聞こえてきそうですが、

コスパとチップの小ささを考えると 3D歯科 個人としては、

スキャナー単体として考えると現状ではあまりベストチョイスではないかと思っています。

それぞれインビザライン、CERECシステムに組み込まれた機種ですので

インビザラインをやる先生、ワンデイをミリングでやりたい先生は

これらの機種になると思います。

 

Medit

3D歯科 も大好きなメーカーですが、

保険導入に合わせてヨシダからは魅力的な提案があります!

正直なところ、めちゃくちゃお買い得かと思います。

ただし保守料は別途であることは注意です。

 

某C社ではセール時に保守料も含んでこれに近い価格でi700が出ていることがあるので

そこを狙ってもいいかもしれません。

 

被写界深度は23mmです。

SHINING3D

さて、他の本命の選択肢はSHINING3DのAoralscan3です。

これも比較的低価格(i600とi700の間くらいの価格?)であり、

また高速スキャンでチップも小さく(小型チップが同梱されています!)

使いやすいモデルです。

 

3D歯科 は購入してからまだ日は浅いのですが

通常のスキャンする、という内容だけであれば必要十分であり、スキャン対象によっては

PrimeScanやi700よりもスキャンしやすく高速な場合もあります。

 

被写界深度は21mm。

 

メリットは低価格でスキャン自体はソフトがわかりやすいこと。

デメリットはソフトが意図しない操作をしたときにエラーが出たり、トリオス同様にスキャン自体の時間がかかるとスキャンが停止たり著しくスキャンが遅くなったりすることです。

 

マニアな操作をすると現在エラーがありますが、問題はほぼ全てソフト面のみで

将来のアップデートで十分に改善されるのではないかと思います。

 

 

新興メーカー

新興ブランドとしては、海外ではアジア勢(中国と韓国)から多数のスキャナーが登場しています。

すでに価格崩壊か?というほどに低価格なモデルも多いですが、

日本国内では神楽というスキャナーが低価格モデルでは有名でしょうか。

 

スキャンスピードは問題なく、クラウドストレージと、必要なところは抑えていますが

その低価格さには驚きます。

・・・ですが、パソコンと保守は別なので実際にはi600やAoralscan3と

同程度の価格になるのではないでしょうか。

 

サブスクでの導入や、初期費用を抑えられるという点ではメリットも大きいです。

 

まとめ

いよいよ保険導入、いよいよ低価格化が進む口腔内スキャナー。

インレーのスキャンはクラウンと比較してなかなか難しいです。

インレーにすると決めたら、マージンがしっかり取れるような形成をするのが

前提になるかもしれません。

あとはバイトさえしっかり取れればアナログよりも適合、精度が良いものができると思っています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。