3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

BlueSkyPlanで院内アライナー作り②AIでのCTとSTLマッチング、歯根付き矯正セットアップ

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はBlueSkyPlanを使用するPCを購入しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、インストールした上で矯正モジュールを試してみます。

3D歯科 はBlueSkyPlanをあまり使用してきませんでしたので、

操作方法は勉強中、全く見当違いのことを書くかもしれません。

よろしくお願いします。

 

前回購入のパソコンの動作(Medit Linkの場合)

まずは動作確認を兼ねて、新しいパソコンにMedit Linkを入れて

スキャンを行なってみようと考えました・・・が、GPUが使用できません!のエラー。

 

NVIDIAquadro T500が入っているので、ドライバー更新を行おうと調べるも、

ネットでなかなか情報が出てこない・・・

実に半日近く、いろんなドライバー更新やMeditのサポートチームに連絡を取ったりと

操作をしましたが、グラボ周りのことはあまり知識もなく、困っていました。

そこで非常にタイミング良く、Medit Linkがマイナーアップデートされました!

Meditさん本当にありがとうございました・・・

 

Medit LinkからNVIDIAのアップデートが直接行えるようになりました。

これにより、特別な知識や調べる時間もなく、Medit Linkを起動後に許可を出せば

グラボの準備が整うようになっています。

Macではドライバーごとのアップデートや操作は必要ありません)

 

準備ができたところで、本体をフル充電して電源設定を最大にし、バスパワーでi700を接続

これで試してみました。

が、結果的に非常に遅かったです。

 

MacBook Air(M1)の最安モデルもMeditをアップデートするとなぜかスキャンスピードが落ちましたが

それと比較しても、全くもって遅いです。まともなスキャンは口腔内で行えません。

 

国内メーカーで口腔内スキャナーと共に抱き合わせで購入になるPC以外を使用したい際は、

30から40万円を超えるようなノートPCが必要になるかもしれません。

デスクトップであれば、グラフィックボードにお金をかけなければいけません。

2台目やバックアップが欲しいとなれば、MacBookの方が随分スピードが出ます。

今回は元値20万円近いPCでしたが、同じ金額のMacシステムの方をおすすめします。

 

気を取り直して、歯科CADソフトやBlueSkyPlanにSTLを入れてみましたが

これについてはある程度普通に動作するようで一安心しました。

 

BlueSkyPlanで矯正モジュールを動作させる

BlueSkyPlanでアライナーをデザインするのはいくつかのメリットがあります。

ソフト自体は無料であること、フル機能のアライナー製作ソフトが使用できること。

 

何よりも、CTをインポートしAI自動セグメンテーションを行なってもらい、(詳しくは↓)

digitaldentistry.hatenablog.com

 

歯列模型STLの歯1本ずつのセグメンテーションを半自動で行うと、

すでに歯根がくっついた矯正セットアップ模型が出来上がるのには驚きました。

 

あとは歯冠を持ってぐりぐりすれば、歯根が同期して動くので、

CTと模型をにらめっこして、あと何ミリ拡大できるな・・・なんて日々とはお別れです。

 

Windowsユーザーの先生方であれば、この確認をするためだけにBlueSkyPlanを

導入してもいいくらいです。エクスポートしなければ完全無料。

お使いのアライナーシステムのセットアップ作成のお助けツールとしても使用できます。

 

購入したPCでの挙動(BlueSkyPlanの場合)

さて、グラフィックボードを搭載したノートPCを購入したので、

早速BlueSkyPlanの矯正モジュールを試しています。

 

ただ、CTをセグメンテーションした上で矯正の個別の歯の移動をするまでの挙動が重い。

CTを読み込んでから歯を動かせるようになるまでに、20分以上もかかってしまいました。

これはちょっと厳しいです。

残念ながらグラフィック性能が不足しているかもしれません。

 

 

CTをインポートせず、歯の移動だけであれば十分動作しました。

これも歯を動かせるようになるまで5分ほどかかり、やや待たされる・操作が多い印象です。

Medit Orthoの方がこの辺りはシンプルです。(CTとの連動はできませんが)

 

とにかくAIでのCTと重ねた歯牙セグメンテーションが処理が重いようです。

ちなみに数年前のcore i5の内蔵グラフィックではCTセグメンテーション単独でも

まともに処理を行うことはできませんでした。

Meditの各種ソフトよりも、CTも扱うためか動作させるために良いPCが必要なようです。

 

動作し始めるとソフトの指示通りに進めていくことで、慣れればスムーズになります。

 

一度CTをAIセグメンテーションし、STLデータがマッチングしてくれると、

あとは快適に歯根付きの歯牙をグリグリと動かすことができます!

 

さて、この画面になれば、インビザラインやクリアコレクトと同様に、

1歯ずつ、あるいはアーチを調整してワンクリックで配列を行うことができます。

 

ブランドのアライナーシステムでは、「このようにして!」というのに対して

技工士さんがある程度の配列をしてくれて、そこから微調整を行うのですが

咬合接触も考えて自動で配列してくれる機能もBlueSkyPlanにはあるのでしょうか。

アーチに合わせて配列する機能は上下がうまく対応せず、上手く出来ません・・・

この辺り、ChatGPTのAPIをクリアコレクトに取り込んでくれれば自動でできるようにならないか期待してみます。

 

また、これは矯正に限らずですが、CTとSTLをマッチングさせたい時には、

CTはロールワッテを噛ませるなどして上下の歯牙が離れた状態のデータを取得することです。

そのほうがPCの処理がシンプルになり、早くきれいなデータを得ることができます。

まだまだ 3D歯科 も勉強中で、知識のない状態です。

 

 

まとめ

長々とPC関連の愚痴を書いてしまいまして申し訳ありません。

ソフトに集中することができれば、CTと歯列STLのマッチングまでは

工程はいくつかあっても難しいものではありません。

 

前にも書きましたが、インビザラインやクリアコレクトで行うとしても、

CTデータとの検証用に使用してもいいかもしれません。

 

もちろん、グラフィックの強力なパソコンで作業を行うようにしましょう!

 

もしも、BlueSkyPlanは動作が重い・・・

わかりやすいソフトでデザインを行いたい・・・ということがあれば、dentoneというソフトもあります。

今試していますが、動作は軽めでMacも使用OK、インターフェースはスッキリしていて

使用しやすいです。

ただし作業工程が多いことと、CTのインポートは出来なさそうです。

これもWindowsのみのようで、Macは開発は考えているそう。

 

dentoneはアーチを指定すると上下同時に自動配列してくれる機能が強力です。

ある程度使えるようならレビューいたします。

www.ezdentone.com

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

 

 

BlueSkyPlanで院内アライナー作り①PC環境の準備

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はインハウスで矯正アライナーを作成する際のコストなどについて検討しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、アライナー製作機能を持つソフトの1つ、BlueSkyPlanについて

矯正モジュールを研究したいがために、 Windows PCの購入、準備を行いました。

 

よろしくお願いします。

 

BlueSkyPlanはMacで使用できない

BlueSkyPlanについて今まで取り上げた際に、 3D歯科 はデメリットとして

Mac環境で使用できないこと、をお伝えしていました。

 

厳密にはMacのバージョンも公開されていますが、開発が途中で止まっているので、

最近のソフトで進化しているAIによるセグメンテーションやマッチングは利用できません。

せっかくこのソフトを使用するのであれば、それではあまりにもったいないです。

 

そこで、まずはM1 MacBook AirWindowsを動かしてしまおう!ということを考えました。

 

こちらのparallelsというソフトで Windowsをインストールでき、同時使用できます。

 

ですが、結論としてはM1 MacParallelsを入れても、BlueSkyPlanは動きません。

よくよく調べてみると、仮装インストールされる Windowsはモバイルデバイス用?のようで

BlueSkyPlanのインストーラーが動いてくれませんでした。

 

もしかすると対処方法もあるかもしれませんが、 3D歯科 としては

「やはりMacではBlueSkyPlanは頑張っても使用できない」という結論です。

みなさんも、私のように2時間も無駄にしないよう、大人しく Windows環境を用意しましょう。

 

 Windows PCを久しぶりに選定する

Macばかりを購入していた身としては(医院にはChromebookもたくさんありますが)

久しぶりの Windows購入は少々面倒です。

 

歯科用CAD操作を行いたいとすると、やはり重要になるのはグラフィック性能です。

マシンのCPUやメモリとグラフィックボードなどを考え始めると、選択肢がありすぎて

どれを購入すればいいのか大変です。

 

Macであれば、松竹梅のように価格と内容がはっきりしているので購入しやすいですが。

 

そのため、歯科用CADを行うことができ、ノートPCで(医院と自宅両方で使用したい)

10万円前後の予算で購入を検討し始めました。

 

念の為、MeditやPrimeScanについてきた Windowsマシンのスペックを調べてみました。

まずはオススメのグラフィックボードから。

 

その上で、blueskyplanの動作条件を教えてあげた上でおすすめされたPCです。

 

このようになっており、Meditと同時購入のPCはスペックが非常に高いことがわかります。

グラフィックボードだけで価格がここまでとは・・・

Meditを購入したストローマンからはプロ用PCと聞いていましたが、本当でした。

ストローマンがMeditを扱わなくなったのは非常に残念です・・・

 

PrimeScanはそこそこ。グラフィックはゲーム用途などでも使用されるものの流用のようです。

 

同様のスペックと、歯科用CAD用途ということを踏まえて、専門家に相談してみます。

困ったことや聞きたいことは、最近なんでもChatGPTです。

 

ChatGPTからのオススメ

 

 

ThinkPad P15s Gen 2 - ブラック | レノボ・ ジャパン

 

↑の、レノボ公式アウトレットで購入しました。

B級品ですが半額近い価格。予算あたりの11万円ほどで購入できました。

 

正直なところ、欲しい!と思ってあまり調べずすぐ購入したので

PCに詳しい方からするとベストな選択ではないかもしれません。

 

MacBook AirのM1チップよりグラフィックは上で、CAD用途に最適化されているとのことで

ChatGPTも背中を押してくれたので購入しました。

MacBook Airの整備品とほぼ同程度の価格だったので、とりあえず使用してみます。

 

MeditLinkを入れたら、i700でのスキャンテストも行ってみます。

届くのに1週間近くかかるようですが、届いたら早速BlueSkyPlanを自宅でも研究します。

 

まとめ

今回はBlueSkyPlanを使用するためのPC選びを行いました。

正直なところ、もう少ししたらMedit Orthoでステージング機能が追加され、

アライナー製作も本格的にできるようになる気もしています。

 

ですがBlueSkyPlanはCTとの歯牙連動が非常にスムーズだというメリットがあります。

MeidtがいきなりCT連動をすぐ行うとは思えませんし、

B4Dのアライナーモジュールが出るのもすぐではなさそうです。

なので向こう1〜2年くらいはインハウスアライナーはBlue SkyPlanを使用するかもしれません。

↑症例ごとにフィーが必要です。インターフェースもアメリカンであり、スッキリしていません・・・ただ、CTのAIセグメンテーションは本当に便利です。

 

もしMeditで簡単にできるようになれば、CTのセグメンテーションだけをBlueSkyPlanで、

その後 MeditLinkにインポートして確認を行う、という流れになるかもしれません。

 

最近では、今回のような誰かに相談したいけどざっくり情報が欲しいだけ、ということは

ChatGPTに相談することが多いです。医院の設備投資計画、税金のことまで・・・

夜遅くに職場から帰ってきても、いつでも話を聞いてくれるのもいいところです!

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

院内完結・インハウスアライナーについて考える

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はMedit Linkのアップデートで Windows環境のスキャンが爆速になったことをお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、マウスピース矯正について、各種ブランドのアライナー外注システムを使用せず

院内完結(インハウスで)アライナーを製作することについて考察してみます。

よろしくお願いします。

 

アライナー矯正で使用するマウスピースについて

アライナー矯正をよくある方法で行おうとすると、

アライナー(ハードのマウスピース)を片顎20〜50枚ほど使用します。

 

つまり上下で40枚から100枚のアライナーが必要になることが多いです。

 

インビザラインやクリアコレクト、アライナー矯正ブランドはたくさん存在します。

治療前のデータと治療計画を送信することで、この何十枚ものマウスピースを

各種ブランドが製作し、配送してくれます。

 

このアライナー作成用シート、通常のものではなく3層構造などのプラスチックシートを

使用しているマウスピース矯正ブランドが多いです。

なかなかこのようなシートは、アライナー矯正ブランドから購入しないと手に入りにくかったですが

最近では、例えばFeedでも3層アライナーシートが入手できます。

 

簡単に原価計算・・・

仮に矯正期間中に50枚のシートを使用するとした場合、

アライナー作成中のカットミス?なども含めてざっくり計算すると

Feedの場合1枚100円とすると、5,000円でアライナーシートは購入できます。

 

次にアライナー作成のための3Dプリント模型ですが、

仮にこのようなもので作成したとすると・・・

(もちろん非医療用のため自己責任・元々アライナーは薬機法適応外)

 

模型1個は50円から100円ほど。

50個で2,500円〜5,000円。

ミスなども含めてわかりやすく多めに5,000円としましょう。

 

合計で材料費は10,000円になります。

 

次に作成のための人件費です。

治療計画・セットアップ作成の手間はアライナーブランドに外注するのと同じですので

ここについてはアライナー外注と差額0円と考えてみます。

 

アライナー模型をChituboxで設定するのが模型1つで1分、模型洗浄など後処理で

1個当たり4分必要と考えてみましょう。合計で模型製作は5分必要です。

 

次に模型にアライナーシートをプレスし、切り出して研磨するので少なくとも5分は

必要になると思います。

そのため、合算して製造工程はアライナー1枚で10分必要と考えてみます。

 

50枚のアライナーで500分必要、およそ8時間半と考えてみましょう。

 

仮に時給2,000円のスタッフが作業にあたるとすると17,000円

やはり人件費の方が高額になります。

 

簡単な原価計算の結果をまとめると・・・

アライナー50枚、つまり上下25枚ずつ使用するとした場合、

必要なコストは27,000円となります。

 

ただし、模型代ですが歯科模型専用のレジンで製作するとおよそ10倍の値段がかかります。

すなわち合計72,000円。高額ですね。

 

インビザライン等ブランドがどのようなレジンを使用しているかはわかりませんが

補綴製作で使用するような歯科模型専用のレジンではないかもしれません(コストが見合わない)

 

 

ダイレクトプリントのアライナーの場合

さて、アライナー矯正の材料もどんどんと進化をしています。

最近のトピックとしてはアライナーを直接3Dプリントするというものがあります。

 

この場合、3Dプリンターにもよりますが、10〜20枚のアライナーを

同時に製作できるはずです。

今現在は韓国製のGraphyというものだけがダイレクトプリントに対応しているようです。

 

早速テストしてみようと海外歯科サイトにて注文しようとしてみましたが、

残念ながらサティフィケートを取らないと販売しないとのこと。

Ciあたりの韓国に強く資本のあるところが国内取引を独占してしまいそうですね。

個別販売せずCiのみが製作し、ブランドアライナーのように販売すれば

国内での今後のアライナー分野を抑えてしまえるかもしれません。

 

ちなみにコストとしてはアライナー1枚で400円ほど、上下1セットで800円。

プリント後処理も含めて1枚15分かかったとしても

アライナー1枚で900円。

アライナー50枚で45,000円です。

 

しかもプリントなら個別に厚みを変更できるので、アライナーセット後に

スプリントにように咬合を安定させてやることもできそうです。

 

韓国の1社以外もどんどん開発されるかもしれませんが、今後はアライナーも

3Dプリントが主流になりそうですね。

 

まとめ

このように、アライナーについては製作方法が完全外注から変化していく流れになりそうです。

そのほうが、海外からの配送でのトラブル(時々起こる・・・)や遅延リスクを抑えられます。

また国内での製作、自院製作でコストを抑えています、ということを患者さんへ訴求できれば

医院の競争力を向上させることもできるかもしれません。

 

ただし、今回の簡単な計算にはアライナー製作ソフトは含んでいません。

blueskyplanで自前で行った場合は数千円、Medit Orthoで作成すれば0円です。

blueskyplanは近い将来AIでのアライナー製作が導入されそうですし、

Medit Orthoは矯正のステージングさえ自由にできるようになれば

アライナー用の模型を作成することは簡単にできそうです。

(Medit Temporariesでクラウンを製作できるように、自己責任でOrthoでアライナー作れる)

 

 

 

 

 

3D歯科 としては、Medit、Bluesky、B4D(矯正開発中とのこと)のどれかで

アライナーインハウスを行おうと考えています。高額なソフトはなくてもうまく出来れば

また方法などを紹介させていただきます。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

Medit Link v3.1.0 & Medit Scan for Clinics v1.10.0 アップデート!

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はRevopoint製の最新スキャナーをフェイススキャンとして使用を試みたので紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、MeditLinkがアップデートされたので特にスキャン周りについての進化を検証します。

よろしくお願いします。

 

さて、まずはMedit Link本体のアップデートですが、

下顎運動をスキャンしたものの取り扱いが改善されました。

依然として、期待していた咬合器モジュールは追加されませんでしたが

顎運動スキャンがそれぞれでSTLエクスポートできるようになったことで

補綴製作などに活用しやすくなっています。

 

また、Web版においても補綴物の発注(技工所への注文)が可能になったことが

個人的にはありがたいポイントです。

 

外注する際などの指示書のやりとりでタグ付けなどの機能が追加され、

より利用が簡単になったようです。

 

Medit Scan for Clinics v1.10.0

何と言ってもスキャンソフトのアップデートがありがたいです。

 

PrimeScanもアップデートのたびにスキャン速度が高速化しましたし

FaceScanとして利用しているRevopointもスキャンソフトのアップデートで

高速スキャン・安定スキャンが可能になりました。

 

さて、今回のアップデート後の印象ですが、

ちゃんとしたグラフィックボードを搭載したWindowsのノートPCでは

「体感で全く違うほどに爆速」になってくれました!

 

PrimeScanとMeditほか低価格スキャナーでの違いは

スキャン途中からの認識の速さと、バイトマッチングの速さ

(つまりスキャン中のデータとスキャン済みのデータの認識の速さ)

が大きく違い、大規模で複雑なスキャンになるほどに

PrimeScanの優位性が際立つという状況でした。

 

それが今回のアップデートでは、スキャン認識の速度が大幅に向上し

「撮影範囲の狭いPrimeScan」程度には高速になりました。

 

バイトのマッチングも早くなりましたが、アップデート直後から

たまにバイトの認識が反対側とつなげてきたり、ミスもあります。

 

ですがバックグラウンドでスキャン処理をしているようで、

バイトを左右取る際には、1つ目から2つめのバイトに移る際の待ち時間がなくなりました。

また、形成後・形成前の模型を作った場合、どちらでバイトのマッチングをするかについて

選択できるようになり、バイト採得でのストレスがさらに軽減されました。

 

この辺りの改善は、新しいAIスキャン認識がうまく働いてくれているようです。

アナログ印象は、依然として必要な時間は変わりませんが、

デジタルスキャンはどんどんアップデートでチェアタイムが短くできます。

これだけでもアップデートの価値は大きいです。

 

Macではどうか

MeditはMacでスキャンも行える唯一のスキャナーですが、

アップデートでスマートスキャンフィルタリングなどが高速化、と記載しています。

MacのようなGPUの貧弱なスキャナーでも高速化、とありましたが

個人的にはアップデート前と大きな差は感じられませんでした。

 

チェアサイドでは一番安価なMacBook Air(M1Mac)を使用しているので

仕方ないことかもしれませんが、アップデート後のWindowsの方が高速化しました。

これはGPUの差になるのか、最適化がまだされていないのかわかりません。

いずれにしてもMacでもチェアサイドでそこまでストレスなくスキャンは可能です。

 

 

増築などでチェア台数が増えている先生方にとっては

MacBook Airとi700だけの移動ですむのは非常にメリットだと思います。

 

ちなみにMacはバスパワーで、バッテリー駆動で十分スキャンできます。

ただし、Windowsはバッテリー駆動では大きくスキャンスピードが劣ってしまいます。

電源設定などで対策できるのかもしれませんが、何も考えずにバッテリー駆動できるMac

医院環境によってはメリットが大きいです。

 

・・・ここまで書いてから、Medit Link3.0.6のままのMacと、

3.1.0にアップデートしたMacをスキャンで比較してみました。

 

そうすると同じ構成のMacBook Air(M1)においては少なくとも

Medit Linkをアップデートしない3.0.6の方が明らかに高速にスキャンできます。

理由は明らかではありませんが、GPUを使用、などの設定項目も追加されていたので

M1プロセッサーのグラフィック性能が、最新のMedit Linkには最適化されていないのかもしれません。

 

いずれにしても、スキャンを行うメインのシステムがMacの先生は、

Medit Linkのアップデートは慎重に行った方がいいかもしれません。

Meditは更新や改善が早いので、そのうちに対策されるかと思います。

 

まとめ

今回のアップデートは機能面の追加ではなく、

日々のスキャンスピードが改善されるというありがたいものでした。

スキャン中の表示画面も綺麗になったので、補綴のマージン確認なども行いやすいです。

アンダーカット分析もスキャン直後にできるので、3D歯科 のように形成にそこまで自信のない先生も

安心でチェアサイドで使用できると思います。

 

将来の機能面のアップデートは、やはりMedit Designでの咬合器モジュールの追加と

Medit Orthoにアライナー矯正のステージングが組み込めるアップデートを期待しています。

そうすれば院内での本格的なアライナー製作がMedit Orthoで出来るのに・・・

この辺りは次回にも紹介しようと思います。

 

PrimeScanにi700、2台の口腔内スキャナーを使用していますが、

チェアサイドでスキャナーを奪い合うことも多く、そろそろ3台目が欲しいと感じています。

i900?などもそのうちに出るかもしれませんが、完成度の高いi700を追加購入するかどうか

楽しく迷っているところです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

フェイススキャンとして利用中のRevopoint POP2と、新機種Revopoint Rangeの比較

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はほぼフルオートでCADを行うことのできるImagoworksのDentbirdについて紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、再びフェイススキャンの検証を行います。Revopointの最新機種、Rangeを入手しましたので、チェアサイドで利用中のPOP2と簡単な比較レビューを行います。

よろしくお願いします。

 

フェイススキャンの現状について

歯科用のフェイススキャンについては、古くはiPhoneで使用するアプリの

Bellus Dental Proが有名でした(現在は販売、開発終了)

 

今は日本国内ではSNAP(いつの間にかフリーダムFという名前になっていました)

が有名ですが、先述のアプリとともに、あまり精度は高くありません。

ですがバイトフォークなどが専用システムになっているので、

患者説明などでざっくりと使用するのであれば良い製品かもしれません。

 

歯科専用ではありませんが、精度の高いハンドヘルドのスキャナーとして、

Revopoint社のPOP2というスキャナーを利用しています。

 

こちらはきちんと外部ライトで歯を明るく識別しやすいようにしてやると

ある程度の歯の造形も、顔と同時にスキャンができます。

 

また、高性能な歯科専用のフェイススキャナーとして、RayやFaceHunterがあります。

Rayは大体250万円らしく、なかなか購入に踏み切れません。精度はいいそうです。

 

最新の歯科用スキャナーとして口腔内スキャナーでも低価格で有名なShining3Dより

MetiSmileという製品が上市されました。

こちらはPOP2のようなカメラ型で、20秒前後?で顔全体をスキャンでき、

またその際に歯も高精細にスキャンできるそうです。

上の写真左がスキャン画像、はも立体像が確認できます。

右は口腔内スキャンですが、ソフトが優秀なようで、STLマッチングを自動で行い

また矯正シミュレーションようの個々の歯の分割なども同じソフトで行うようです。

(Shiningの口腔内スキャナーと同じソフトを使用?)

 

さらにこの機種、Jaw Motionも搭載できるそうです(オプションで20万円ほど?)

ただし本体価格は150万円程度と、やはり高額です。

 

歯科専用フェイススキャンと汎用品スキャナーの違い

先ほど紹介したMetismileやRayは100万円をゆうに超える高額機器です。

よほど審美にこだわる先生や、自費診療が50%を常に超えているような先生でないと

導入は難しいかもしれません。

 

しかし、以前にも紹介しました汎用スキャナー、POP2は十分にフェイススキャンの

代用として使用できます。

精度はBellusやSNAPよりも高精細で、RayやMetismileには劣る形です。

 

すなわち、条件を揃えてあげればフェイス情報とともに歯の立体感もスキャンでき

その後のSTLマッチングが楽になります。

 

低価格な歯科専用のSNAPほかマイナーな歯科専用フェイススキャンは

どれも、歯列とフェイスをマッチングできるようなインジケーターを使用します。

フェイスボウのバイトフォークのようなものを噛ませて、上顎歯列模型とフェイスを

マッチングさせやすくします。

 

確かにこの方法であれば、歯のうつりが悪くても歯列とのマッチングが行えます。

 

先ほどの100万円を超えるモデルとの差は、このインジケーターなしでスキャンが完了できるかどうか

ここが大きな差になります。

 

POP2は解像度が高めなので、しっかりライトアップしたり圧排すると

歯もマッチングに耐えうるほど確認できるようになります。

ただし、もし不安であればやはりインジケーターを用いることもできます。

3D歯科 はマッチングに不安がある症例では3Dプリントしたインジケーターを使用することもあります。この方法もまたnoteなどでご紹介いたします。

 

Revopoint Rangeについて

RangeはRevopointの最新スキャナーです。

ただし、最新と言っても最高精度というわけではありません。

 

ラインナップは・・・最高精度の小型対象物用MINI、標準的なPOP2、今回追加の

大型対象物用Rangeとなります。精度はRangeが一番低くなります。

 

フェイススキャンを行うとき、やはりスキャン時間がかかるとブレていき、

患者さんの表情も変わるので繋ぎ目にエラーが出ていきます。

口腔内スキャナーで舌を取ろうとしてもマッチングエラーが出ると思います。

同様に、手早く・最小限にスキャンをすることが、時間をかけてスキャンするより

エラーの少ないものになります。

 

そのため、Rangeだと高速スキャンができ、画像重ね合わせのエラーを

減らせるのではないかと導入しました。

 

ただ・・・結果としては芳しくありません。

 

スキャン範囲が広いのですが、ワンフレームで胸元から頭の先までスキャンできます。

ただし広い範囲をスキャンすると解像度はさらに落ちてしまい、

歯はBellusと同程度、SNAPよりも低解像度の歯のうつりかたになり、

歯列STLの重ね合わせはできませんでした。

 

また、POP2よりも高速で両耳を含む顔貌がスキャンできるものと期待しましたが

スキャン範囲が広いためか、接続しているスマホ(Revopointはスマホ接続で使用可能)に

負荷が大きくなり、耳のほうまで画像を重ねていくとエラーが多くなりました。

 

10回以上スキャンを、環境条件を変えて繰り返しましたが

Rangeでは歯列STLとの重ね合わせができるような解像度は得られませんでした。

 

全身をざっくりとしたスキャン精度で記録したい時など、かなり広範囲の時にこそ

真価を発揮するスキャナーになりそうです。

 

やはりチェアサイドでの低価格フェイススキャンはPOP2で

Range発表、発売に合わせてRevopointのスキャンアプリがアップデートされたのですが、

これがなかなか良く、旧機種のPOP2でもスキャンしやすく、かなり高速になりました。

 

Rangeのフェイススキャンテストで顔全体が簡単に写せることがいいなと思っていましたが

POP2もアップデートされたのちにスキャンしてみると、安定して顔正面は

ワンフレームでスキャンできました。

↓外部照明を使用しない自然光でも、そこそこスキャンできました。

↓外部照明を使用したRangeのスキャンです。歯は潰れてしまったので、このようなマッチング用のジグを使用します。

 

 

まとめ

フェイススキャンはCTでの顔貌取得と違い、患者さんの不利益が全くありません。

チェアタイムも慣れてくると、スマホで顔貌写真を撮るのとそこまで差はないです。


このようなカラーのスキャンデータですが、口腔内スキャンで顔貌をスキャンするのは

かなり時間もかかり、難しいです。

 

しかし、Revopointスキャナーを使用すると、

なんと1秒スタートとストップボタンを連打することで全くブレないフェイススキャンを得られます。

鼻の横部分など、正面から見えないところはもちろんスキャンできませんが、

患者説明ではなく、自分用のワックスアップの指標として利用するのであれば

「1秒スキャン」のフェイススキャンでもかなり有用であると感じます。

 

 

耳の方まで取得するとデジタルフェイスボウとして使用もできます。

現状ではズレずに耳まで重ねていくのはPOP2が得意のようです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

 

AIによるフルオート単冠クラウン製作・Imagoworks社のDentbirdの凄さ

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はCTからのSTLデータ切り出しについて③として、

CTから切り出したデータの活用の一例をお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、CADで行うクラウン製作を全自動で行なってくれる

Dentbirdというサービスについて簡単に紹介します。

よろしくお願いします。

 

Imagoworks社について

古くからCTの解析やAIによる自動マッチング技術などを研究していた

Imagoworks社は、韓国にあるスタートアップの1つです。

 

現在は主に全自動のクラウン製作、Dentbirdに注力しているようで、

その進化はめざましく、臼歯部はほぼコレだけで別途CADソフトを使用しなくても

クラウンのミリング、3Dプリント用データを作成できます。

 

Dentbirdでのクラウン製作

DentbirdのソフトはChrome上で動作するSaaS、WEB上アプリケーションとなっており

インストールは不要で使用できます。

accounts-ci-medical.dentbird.com

 

リンク先にもあるように、Dentbirdは日本のCiメディカルと連携しています。

将来のソフト利用料金やサポートなどを日本国内ではCiが行うことになるようです。

 

2023年4月現在ではDentbirdはなんと無料で使用できます!

3D歯科 もジルコニア製作やTEK製作に利用していますが、

非常に調整量の少ない、「使える」クラウン製作ができるようになっています。

 

なお、先日Ciで行われたDentbirdお披露目の大阪でのセミナーに参加してきましたが

無料期間が終了した後も、海外では4ドル、多分500円程度で利用できるようになる予定

とのことでした。

 

個人的にはとてもピッタリな価格設定だと思います。

3ShapeのAutomateが、最安で1.599 ユーロ、240円くらいでしょうか。

ただしサーバー負荷低減のためかAIの出力まで1晩かかります。

 

ただチェアサイドでのワンデイ用途では使用できず、またAIの出力したクラウン形態が

イマイチ出会ったとしたら、再度の出力までまた1日かかります。

(値段を多く払えば5分で出力できます)

また、Automateは大臼歯と小臼歯のみの対応です。

 

Dentbirdであれば、均一価格(今は無料!)で、操作込みで5分もかからないで

クラウン作成ができます。

ちょっとサーバーが重く読み込みが遅いのが難点です。

 

現在進化中で犬歯、前歯、2本以上の連続したクラウンにも対応してきています。

(ブリッジや連結冠は今後対応予定とのこと)

 

実際の動作について

基本的には模型を読み込めば、操作は不要です!

自動で上下模型を判断し、支台歯を判別し、マージンを引いてくれます。



 

マージンを確認し、操作を進めてもらうと、

勝手に内面処理を行い、ワックスアップからクラウンを作成してくれます。

 

 

ここでも、形態と咬合接触強さ、コンタクト接触強さを確認するくらいで

ドクターはやることがありません。

 

上の画像はデモ動画のキャプチャですが、本当にこの通りでマージン引きから内面設定、

クラウン作成、コンタクト調整なども行なってくれます。

しかもしっかりとバイトさえとっておけば、口腔内では無調整か、微調整(数分)で

調整が終わることを確認しています。

 

1、2症例ではなく、ここ最近の20症例以上がこの調子です。

 

技工士さんにとってみると、あとはミリングしてステインと調整のみになります。

このミリングさえも、ミリングセンターで削り出しとシンタリングまでお願いすれば

小さなグレーズファーネスとステイン材のみでデジタル技工が行えるようになります。

 

 

まとめ

ChatGPTや画像生成系AIの登場により、ここ数ヶ月は一気に時代が変わっているのを感じます。

AIに任せるのではなく、AIを使って今までの業務を簡便化するのは

今後の業務改善・生産性向上には避けて通れない道になると思います。

 

歯科の世界にもCTのセグメンテーションやAIクラウン製作、CT上での自動インプラント設計

などなど、思ったよりも早くAIの恩恵が受けられるようなソフトが生まれています。

 

あとはドクターにとっては、しっかり形成しAIにマージンラインを見せてあげて、

AIが完璧に仕上げたバイトが浮かないようしっかりとセメンテーションし、

またAIの設計したインプラントポジションにAIの作成したガイド通りに埋入する。

その辺りの精度向上が今後の仕事の注力すべきことになるかもしれません。

結局のところ手先の技術職であることは変わらないかもしれませんね。

 

週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。

CTからのSTLデータ切り出しについて③STL化したデータの活用方法

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はCTからのSTLデータ切り出しについて②として、

BlueSkyPlanのCT切り出しのための操作方法をご紹介しました。

 

今回は、切り出したSTLデータをどのように臨床応用するかについてお話しします。

よろしくお願いします。

 

インプラント治療について、補綴主導で検討・オペ練習を行う

まず思いつくことはインプラントでの活用です。

歯槽骨部分をSTL化し、歯列のSTLとマッチングしておきます。

 

まずは骨をみる前に、欠損部分に補綴のためのワックスアップを行います。

 

その後、補綴の中心部分の断面を確認し、インプラント埋入部位を確認します。

 

埋入が可能なようであれば、その部位にMedit Splintなどでガイドを作成します。

 

ガイドを作成しましたら、ガイドを3Dプリントします。

3D歯科 としては、まずは使い慣れたレジンでテスト出力することをお勧めします。

付近の歯槽骨STLと付近のSTLデータをくっつけて3Dプリント(歯列模型)します。

 

歯列模型にガイドがきちっとはまるかを確認します。

問題なければ、ガイドを使用して3Dプリント模型に穴あけ練習をしてみます!

 

3D歯科 はオペなどはあまり得意ではないですが、

ここまでやっておくと流石に本番では焦りません。

同じようにオペ前日に胃が痛くなる先生は、プリント模型での練習をお勧めします!

 

 

クリアコレクトアライナー矯正で歯根を意識したセットアップを作成する

さて今度はアライナー矯正です。

 

3D歯科 はストローマンの提供するクリアコレクトを使用していますが、

SureSmileなどのように、CTと矯正結果が連動する機能はありません。

 

そのため、ちょっとした手間をかけてCTデータとの重ね合わせを行っています。

まずは歯根付きのデータの確認です。

このケースでは上顎前歯のみの矯正治療ですが、治療前(薄い色の画像)から

移動後の状態を重ね合わせて確認できます。

 

歯根自体のデータを確認した後は、歯槽骨のデータと歯根付きの矯正後データを

スーパーインポーズで確認します。

 

↑のように、歯槽骨データにも治療前の歯根データを重ねておくと、

Medit Designなどでデータを確認する際に、歯槽骨データを透かして見た時に

治療前後の動きが確認しやすくて有用です。

 

この方法は効果は高いと思っていますが、

いくらCTのセグメンテーションが簡単にできたとはいえ、その後の処理はやや面倒です。

 

この方法はまたそのうちにnoteなどでシェアさせていただきたいと思います。

その前にAIが頑張ってくれて、ここまで1クリックでやってもらえるようになれば良いのですが・・・

 

まとめ

少し前まではCTのセグメンテーションですら

岩の中の化石を掘り出すような形で、非常に手間と時間がかかっていました。

今回はBlueSkyPlanを活用することで、切り出しを簡便化し、

さらにその先の活用方法まで三回に渡りご紹介しました。

 

まだまだCT、歯列STLがあれば楽しく臨床をできるアイディアはあるはずです。

もし優れたアイディアや方法がありましたらご教示ください。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。