3D歯科 のデジタル歯医者入門

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MeditスキャナーとMeditLinkソフトウェアの紹介⑧Medit Temporariesで3Dプリントテック作り

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はMedit Linkに機能追加する無料アドオン、

Medit Splintsについて紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

この機能の裏ではデジタル咬合器が動いており、

将来のMeditの野心が見え隠れしています。

 

さて、今回はMedit Temporariesの紹介です。

よろしくお願いします。

 

Medit Temporariesとは

Medit Temporariesは、Medit Linkにアップロードした

治療前の歯冠データを利用して、

シェルテックやプロビテックのデータを出力できるというものです。

 

Medit Linkで昔から使用できたAppなので、

今となっては機能的には他のAppに見劣りすることもありますが、

用途によっては非常に強力です。

 

活用できるシーン

技工所にテックを外注するのはどんな時でしょうか。

いわゆる、お団子テックを現場で作成するチェアタイムが取れない場合、

崩壊した形態や咬合をキッチリと作成して欲しい場合、

治療前の咬合接触点を完全に再現歯対場合、などでしょうか。

 

このうち、Medit Temporariesが想定しているのは

治療前の状態の再現をしたテックを作成する用途です。

 

治療前のデータと形成した支台歯データを投入すると

ほぼ何も考えずに、治療前状態のテックデータが出来上がります。

あとはプリントすればテックが使用可能になります。

 

それなら、治療前の状態をスキャンして模型を作っておき

シリコンパテでコアを作成し、

コア内にレジンを入れて支台歯に圧接する方が

支台歯形成当日にすぐテックを入れられて便利です。

 

ただし、テックが破損したり紛失した場合、

またチェアタイムを取る必要が出てきます。

 

Medit Temporariesでテックのクラウンデータを出力しておけば

3Dプリンターでたくさん予備を用意しておくことも可能です。

 

3D歯科 も、長期間の利用になるテックの場合は

3Dプリンターで2、3個余分にテックを準備しておき

急患でテックの破損がきた場合も、チェアタイムをほぼ使わずに

新品を入れて患者さんを帰すことができています。

 

ワックスアップデータとの活用方法

ここからは工夫になりますが、

MeshmixerやB4Dで作成したワックスアップデータを

テック作りに活用することも可能です。

 

詳しくは↓

digitaldentistry.hatenablog.com

こちらを参照してください。

いまだに単冠テッククラウンを作る場合は、

有用な方法になります。

 

Medit Temporariesの問題点

冒頭でも記載した通り、他のAppが非常に完成度が高いのに比べ

やはり物足りない部分も多くあります。

 

特に、単冠しか使用できないことは大きな制約です。

これはドクターの技術のなさかもしれませんが、

ブリッジや大きな連結補綴になればなるほど、

テックが壊れてくることも多く、本来3Dプリントのメリットを得やすいはずです。

 

ただ、このAppは仕様上、単冠しかダメなようで、

どうしてもブリッジを試したい時には

単冠2本と、ポンティックデータを力技でMeshmixerで結合して利用しました。

が、あまり現実的ではありません。

 

また、咬合器が使用できず、あくまでもスキャンバイトにのっとった

対合データとバイト情報をやり取りするだけであり、

顎運動は全く再現できません。

 

そうするとチェアサイドでの調整量が多くなってしまいがちで、

それなら他の方法を使用する、というのが

3D歯科 の今現在の印象となっています。

 

多少時間がかかってもB4Dでクラウンを作成し

そのテストとしてテックを出力した方が

後々でデータを調整、活用しやすく便利です。

 

まとめ

そうはいっても、特別に操作もなく、クラウンデータ(テック用)が

無料でいくらでも出力できるのは

やはり大きな強みです。

 

特に支台歯とのフィットは、プリセットのままで十分であり、

B4Dのクラウンモジュールを使用し始めた時の

細かなパラメータ設定を考えると、非常に手軽です。

 

現在ではBlueskyなどの無料簡易CADソフトなども有名になってきていますが

さらに手軽で、インターフェースも洗練されているので、

カジュアルに使用するには十分であると思います。

 

願わくばSplintsで用いられている

デジタル咬合器の技術がアップデートで適応され、

Medit Crownとして進化することを期待しています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。