こんにちは。
3D歯科 です。
前回はMedit Linkに機能追加する無料アドオン、
Medit Ortho Simulationについて簡単な使用方法を紹介し、
某メーカーのアウトカムシミュレーションに似た患者説明を
作成ができることを紹介しました。
digitaldentistry.hatenablog.com
今回はMedit Appsの中の
スプリントを作成するモジュールである
Medit Splintsを紹介します。
よろしくお願いします。
Medit Splintsとは
この追加アプリは、Medit Linkにインポートかスキャンされたデータについて、
わずかな時間でスプリントのデータを作成し、
口腔内で使用できるスプリントマウスピースを3Dプリントできる
というものです。
海外においては就寝時に使用するスプリントは
かなり高額であることもあるようで、作成するための技工料も
高額になっているようです。
そのためスプリントを作成するためのソフトは数多く存在しており、
近年有名なのは3Shapeの提供しているAIベースのスプリント作成、
Automate Splintでしょう。
このサービスはオープンソフトウェアになっており、STLをアップすると
スプリントデータを数時間後にダウンロードできるというものでした。
3D歯科 も興味があったのですが、
価格が1回で最低10ドルほどかかるので、自前でB4Dでデザインしてしまうか
技工に依頼してしまうかでスプリントを作成していました。
(日本のスプリントの技工料は恐ろしく安いです)
そこで、新しく登場した同様のAIを利用したスプリント作成ソフトが
Splintsということです。
無料ソフトとして恐ろしい完成度
さて、このSplintsですが、特筆すべきは無料で使用できる点です。
他のMedit Apps同様、2022現在、ソフト使用料金は求められません。
その上で3Shape Automate Splintが提供しているような
AIで半自動でのスプリントデータが作成できます。
実のところ、スプリントはクラウン作成と異なり、
CADでの作成操作はシンプルです。
おそらくMedit Splintsの裏で行われていることも、
1、バイトデータをデジタル咬合器でオープンバイトにする
2、模型データを複製・ひとまわり拡大したSTLデータを作る
3、作成するスプリント部分のみ、ブーリアンカットで切り出し
4、咬合器で対合模型とブーリアンカットで咬合を削合
という流れのはずです。
実はMedit Designでもこの操作は可能でした。
ですが、技術としては可能なのですが、やはり煩雑であり
つい自作するよりも、安価な技工料を払って作成してもらうことが多かったです。
ただ、このMedit Splintsは何と言っても(ほぼ)全自動で
スプリント製作を行えます。
試しに作成したものを口腔内に入れてみましたが、
特にデータに手を加えなくても、3Dプリントしたものはフィットしました。
Sprintsがデビューしてすぐは、大臼歯の頬側など
薄くなりがちな部分が欠けてしまうことも多く、
その部位を分厚くする操作を後で行なっていました。
ですがタイムリーにSplintsのアップデートが来て、
その部位も含めて自動作成で分厚くしておくような設定ができるようになりました。
このパラメータ設定がかなり強力です。
また、設定したデータで作成したスプリントを試適して、
きつい、緩い、などがあればAI入力欄に入れていくことで
ユーザー好みのきつさに仕上げていくことができます。
おわりに
とにかく簡単にスプリントを作成できるMedit Splintsですが、
スプリントのマージンラインやアンダーカット設定を個別に作り込むことも可能です。
ここで重要なことは、このアプリの裏で(簡易的なものだとしても)
デジタル咬合器が動いているということです。
これにより、Medit Temporaryで実現している治療前データと
支台歯データの重ね合わせの技術と
デジタル咬合器、さらにAIによるクラウン形態の設計まで可能になると
Medit Crownがリリースできる、という予想ができます。
低価格な補綴や保険治療などは、おそらくAutomateのような
(しかも無料で提供されるAIデザインを使用した)
AIを駆使したクラウンに全て置き換わるでしょうから
歯科技工と、補綴治療に大きな転換点が近づいていることは
間違いなさそうです。
3D歯科 もこの大きな波に乗り遅れないように
みなさんと一緒に勉強していきたいと思っています。
今回の内容は以上になります。
長い文章でしたが最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。