こんにちは。
3D歯科 です。
前回はMedit Linkに機能追加する無料アドオン、
Medit Model Builderについて簡単な使用方法を紹介し、
3Dプリント模型の作成ができることを紹介しました。
digitaldentistry.hatenablog.com
今回はMedit Appsの二つ目の紹介です。
矯正の診断や患者さんへの説明に非常に強力で役立つ、
Ortho Simulationについて紹介します。
よろしくお願いします。
インビザラインとアウトカムシミュレーションについて
まずは矯正、特にアライナー矯正についてです。
アライナー矯正はマウスピースを1、2週間ごとに交換して
患者さんの歯を矯正するシステムですが、
今現在で一番有名なのはインビザラインだと思います。
3D歯科 はiTeroを使用していませんので
マウスピース矯正はクリアコレクト(ストローマン)を使用していますが
インビザラインにしかない(なかった)魅力として、
iTero特有の機能である「アウトカムシミュレーション」が挙げられます。
アウトカムシミュレーションとは、iTeroでスキャンを行うと
その操作フローのまま、不正咬合に対する簡易的な歯の移動を
AIがシミュレーションを自動で作成し、確認することができる機能です。
3D歯科 も矯正を勉強し始める前は、これを見て非常に驚き、
こんなに簡単にAIが診断するのであれば矯正医でなくても
矯正治療が簡単に行えるのでは!と期待しましたが
あくまでもシミュレーション。全くもって現実的ではない動きを作ってきます。
これはMedit Orthoでも同様で、ドクターが真に受けて治療に活用するものではないのですが
ただ、患者さんへのプレゼン力はバッチリですし、
診断を始める起点になるかもしれません。
おそらくはiTero使用者はアウトカムシミュレーションを見せることで
インビザラインの契約を取りやすい、優れたマーケティングツールになっていたのだと思います。
Medit Orthoについて
さて、Medit Ortho Simulationですが、
iTeroを所有していないドクターが、同様のシミュレーションをしたいなと
指を咥えて見ていたところに、Meditの優れたプログラマーが作ってくれたソフトです。
Meditスキャナーでスキャン、あるいは他のスキャナーで取得したSTLデータをインポートし
歯の簡易的なセグメンテーション(データのどの部分が歯牙かどうかを決める)を
半自動で行なった後に、正中線を確認すれば
あとはAIにて自動で歯の配列を行い、矯正のシミュレーションを作成してくれるというものです。
本当にこのソフトもよくできており、
歯のセグメンテーションはCADで自前で行うときはコツも時間も必要になるのですが
スキャンデータさえキレイであれば、数回のクリックで操作が済んでしまいます。
惜しむべくは、矯正シミュレーション後の状態をSTL出力できないことで、
これさえできれば3Dプリントして矯正後の模型を患者さんに見せてプレゼンができたのに、
という点くらいです(STL出力はおそらくアップデートで可能になると思われます)
何よりも特筆すべき点は、自前で1歯ずつの移動が行えることで、
いわゆるアナログでのセットアップ模型を作る膨大な手間が不要で
クリアコレクトなどのマウスピース矯正の治療計画をシミュレーションできる点です。
↑この口腔内が・・・
↓このように自動でシミュレーションを作成されます
正中が合い、下顎前歯の叢生が除去されています。
簡単にビフォーアフターも患者さんに見せられます。
左が治療前、右が治療後です。
ここまで所要時間は5分以下ですので、
矯正相談の方のスキャン後に、十分即日にシミュレーションを見ていただくことが可能です。
まとめ
Meditは使用しやすく、わかりやすく、効果の高い
ソフトをたくさん用意してくれています。
何よりも無料で使用できるアドオンのため、
ぜひ使用して見ましょう。
操作は簡単ですが、noteの方に動画を交えたマニュアルを作成予定です。
↑低価格・強力なCADソフトのB4Dの紹介です。
インストールが手強いので参考にしていただけると幸いです。
今回の内容は以上になります。
長い文章でしたが最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを
少しずつ更新していきます。
↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。
よろしければ見ていただけると嬉しいです。
先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。
今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。