3D歯科 のデジタル歯医者入門

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Medit Temporaries 1.1 アップデート レビュー④TEKのみならずジルコニアを出力して口腔内へ試適

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はついにアップデートされたMedit AppsのTemporaries1.1.1において、

内面や外面の調整についてお話ししました。

 

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、TEKだけでなく、ディスクからミリングされたジルコニアで検証してみます。

よろしくお願いいたします。

 

ミリングで使用するデータを準備する

さて、前回までの3Dプリントでの検証から、

Medit Libraryを使用して、全くパラメーターを操作せずソフトに任せて作成すると

咬合が高くなってしまったことがわかっています。

 

そのため、今回の試作では元のTEKデータをスキャンし、

その形態と同一でジルコニアを作成することを目標としました。

下が元のTEKのスキャンデータを模型にしたもの。

咬合面形態の細かい形態は失われています。

 

このデータを作成するモードは

「pre-ope + prepared data」

です。

 

治療前データと、形成した支台歯データの両方をインポートするやり方です。

このモードにおいて、後のクラウン製作の内容は全て初期パラメーターのまま、

唯一、マージンの厚みは0.2mmに変更しました。

 

作成前のテックと完成したジルコニアの写真

大変申し訳ありませんが、この後の内容は患者さんの口腔内の写真を含むため、

歯科医師のみの閲覧とさせてください。

写真の2次利用などはやめてください。

 

 

 

 

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ご協力ありがとうございます。

 

こちらがテックを入れた写真です。

左下456の連結冠です。

咬合接触も適切になるまで調整ができています。

 

このテックを口腔内でスキャンして、prepared dataとして利用します。

 

作成したジルコニアがこちらです。

ジルコニアは咬合の確認がしやすいように、ステインなしで研磨のみとしました。

前回までに確認していた3Dプリントの試作クラウンと同形態です。

咬合接触や内面の適合も同じです(材質が違うのでミリングの方がややきついフィットでした)

 

簡易咬合器模型に入れたものがこちらです。

マージンも含め、形成ラインにピッタリしています(舌側は一部縁上)。

咬合もテックと同形態であり、そのテックは咬合がピッタリなので

浮き上がることもなく、適正です。

 

いよいよ口腔内に試適してみます。

研磨仕上げである上、シェードはディスク選択が適切でないようですが、

テックと同一形態であることがわかります。

 

何よりもありがたいのが、咬合接触はテック通りで無調整です。

咬合紙も引き抜き試験で他と問題なく咬合接触しています。

 

今回はテストではありましたが、

歯科医師の判断と責任のもと、実践でも使用できる可能性が示されました。

 

まとめ

今回のテストはMedit Temporariesの可能性を探ってみました。

治療前データの形態が適切であったり、テックが完璧に調整できる先生にとっては

非常に強力なソフトとなりそうです。

 

さて、治療前のデータがないときはどうすれば良いでしょうか。

Meshmixerなどのソフトにてワックスアップしたデータをマッチングさせ、

治療前データとして使用することも可能です。

 

ですがTEKをプリントできる環境があるのであれば、

Medit Temporaries 1.1のMedit Libraryを使用し、Meditに歯冠形態を作ってもらい、

咬合接触が緊密に得られるように調整し、プリント。

その3Dプリントテックを口腔内に試適して口腔内の情報に合わせて調整することで

その形態をもとにしてジルコニアなどを作成すれば無調整のクラウンが出来上がります。

 

チェアサイドでの技巧作業が非常に簡易化された状態でのCADの進化は

今後の診療が大きく変化していくであろうことを予感させてくれます。

プリントもミリングも、さらに高速化してくれれば当日にテックを入れて調整をすることも

十分可能になりそうです。

 

次回の更新では、今日突然アップデートされたMedit Design 2.1 について

非常に強力で簡単な機能が追加されたので紹介を予定しています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。