3D歯科 のデジタル歯医者入門

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デジタルを活用した全顎補綴⑤(Medit Linkで作る最終補綴前のプロビジョナルデータ)

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回までに、デジタルで行うワックスアップから、テックを作る方法、バイトアップやモックアップを行うについてお伝えしました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、今までに使用した内容と、他のソフトを用いて

最終補綴と同様にCADで製作するプロビジョナルの作成方法を

簡単に紹介します。

よろしくお願いいたします。

 

準備するもの

今回は、最終補綴同様に形成後のスキャンからプロビジョナルを作成します。

前回までは形成当日にいれるTEKを想定していたため

マージン設定などは不要でしたが

最終補綴を作成するときにはもちろん

マージンやコンタクトまで全て設定する必要があります。

 

準備するものはこちらです。

 

  • 最終形成のスキャン
  • 対合スキャン
  • 治療後を想定したワックスアップデータ
  • 場合によりTEKを入れた状態のスキャンデータ
  • CADを簡易的に行うソフト

以上です。

 

最後のソフトについては、 3D歯科 はいつもBlenderを使用していますが

こちらは有料のアドオン(そこまで高価ではないです)が必要ですので、

あくまでも無料で行う場合は、 MEDIT LINK を使用します。

残念ながらこちらはMacでは使用できません。

 

今回は簡易的にMEDIT LINKのTEMPORARYモジュールを使用する想定で進めます。

 

MEDIT LINK

Medit Linkは本来、i700などの口腔内スキャナーを使用しているユーザーを

想定して利用できるソフトとなっています。

ですが登録のみ行えば、1GBまでのデータのクラウドに限り

無料で全ての機能を利用できます。

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3Dプリントの模型作り(Meshmixerの方が早いですが)や簡易版DSDのように

テック作成用の機能があり、特にこだわらなければなかなか優秀に使えます。

何よりも無料です。

 

詳しくはマニュアルと、こちらを参照して実際に触るのをお勧めしますが、

https://support.medit.com/hc/ja/articles/4410881639821-Temporary-デザインモードでのクラウンのデザイン

本当に簡単でとっつきやすくできています。

 

今回はシンプルに説明、押さえたいポイントを紹介します。

 

Medit Temporaries

まずはMedit Linkに先ほど準備したデータを全てインポートします。

その後、インストールしたMedit Temporariesを起動します。

 

2つのモジュールを選択できますが、Temporary Moduleを選びます。

こちらでは、治療前のデータがあればその形態に基づいてプロビジョナルを作成できますが

今回はワックスアップデータに基づいて、先生方の思い描く理想的な形態に作成したいと思います。

 

そのため、次のようにファイルをインポートします。

https://support.medit.com/hc/ja/articles/4410823741069-2つのモジュール

2.「Temporary」モジュールの場合、データを割り当てて、術前の歯、準備された歯、および拮抗歯に分類します。

のところの操作について、

Pre-Operation にワックスアップしたデータ

Prepared に形成したデータ

Antagonist に対合データ

をそれぞれインポートすることで、

AIによりマージンラインを決定され、ガイドラインに沿って進めれば

ポン、とプロビジョナルのデータが出来上がります。

 

あとはこれを、TEK用レジンを用いて3Dプリントすると、

何本でもプロビジョナルクラウンを準備してからチェアサイドに向かう事ができます。

 

 

ポイント

このMedit Temporaryは非常によくできていますが、

やはりエラーが出ることも多いです。

コンタクトが完全に空いたり、そもそもエラーで進めなかったり。

 

その場合、多くはワックスアップデータがうまくいってない場合が多いです。

 

押さえておきたいポイントは以下のような点です。

 

1、Meshmixerでワックスアップした場合、歯牙データと模型を結合しておく

これには、歯牙データと、模型をShiftを押して複数選択し、「結合」を行って

それからSTLデータをエクスポートします。

 

2、ワックスアップデータは気持ち大きめに設計しておく

これが問題でエラーになる事が多いです。

形成したマージンラインはAIをベースに自分でもエディットできますが

形成したマージンより、一部でも、ワックスアップデータが内側になると(小さいと)

エラーでうまくいきません。

 

エラーが起きたらMeshmixerに戻り、形成したデータとワックスアップデータを重ね、

形成ラインよりも歯牙ワックスアップデータが大きくなるように

「スカルプト」の「膨張」などで編集しておきます。

 

まとめ

このようにCAD操作も、AIなどを活用して簡単に取り組む事ができます。

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今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

STLはブログで配布できませんが、noteであればダウンロードできます。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。