3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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Medit ClinicCAD 0.9.2 Betaアップデート!

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はMeditのフリーソフト、Medit Designを使用してインプラント用のガイドを製作する方法を紹介しました。

 

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は今日リリースされたMedit ClinicCADのアップデートについてお話しします。

Medit ClinicCADは現在無料で使用できるクラウン、インレー、ブリッジなどの

補綴製作用CADソフトです。

 

よろしくお願いします。

 

Medit Clinic CAD

このソフトについては何度かお話しさせていただきましたが、

こんなに簡単に補綴が作成できるのか!

パラメーターも設定でき、無料で使用できて良いのか!

○○のソフトを購入しなくてもこれで十分だった!

・・・という声が聞こえてきそうな強力で、なおかつシンプルに使えるソフトです。

 

クラウンだけではなく、インレーやブリッジ、ベニアなど

歯冠補綴について考えられる限りのCADデザインを行うことができます。

 

まだBeta版となっていますが、大きなエラーもなく、

他のソフトにありがちな煩雑な工程やメッシュデータのエラーによって進めない・・・

などのストレスはほぼ感じませんでした。

 

ただし連結冠やブリッジも作成できて嬉しいのですが、

連結部分が形がうまくいかなかったり、裂溝が咬合調整後にメリハリがなくなったりと

問題に感じるところもありました。

 

Medit Clinic CAD 0.9.2アップデート

さて、まだベータ版ではありますが、アップデートされたバージョンを試してみます。

無料でダウンロードでき、Macでも問題なく動きます。

Macbook Air M1でストレスなく使用できます)

 

実は先日のMedit innovation Dayで今回のアップデートについてちらっと聞いていましたが、

早速試したかったのがコンタクト部分のCAD操作感の改善です。

 

今までのClinicCADではブリッジがこのような形になっていました。

前歯部ですが、コンタクトがはっきりせず、歯1本ずつの分離感がありません。

お団子TEKを頑張って作って(ディスクを使わなければ)こんなものかな、という出来です。

 

それが今回、コンタクト部分を自由に設定できるように改善されました。

 

このようにコンタクト部分をおおよそ設定して・・・緑の点を動かして詳細を変更します。

 

前面は連結部分を強調せず、分離感を持たせます(技工士さんが見ると恥ずかしいレベルですがデモ用途ですのでご容赦ください)

 

結果的に、先ほどの状態と比べると随分パリッとしました!

これなら患者さんの口腔内に、前歯にプリントでセットしても

患者さんの反応が改善されそうです。

 

また、Sculptingツールが強化されました。

裂溝を強調したい場合などに、今まではRemoveツールのみで行なっていましたが、

あまりはっきりしない、触れば触るほど不恰好になってしまう状況でした。

 

ですが今回のGrooveツールで作業を行うと、

溝をコントロールしやすくなりました。

(これは言葉で伝わりにくいです。ぜひ試してみてください!)

 

実際の製作物の差について

まずはアップデート前のコンタクト状態。

右半分はアズプリント状態。左半分はグレーズ済みです。

 

こちらがアップデート後のコンタクトを強調した状態。

全体をグレーズするとこんな感じです。

B1シェードのテック用レジンなので白すぎますが、

光沢を出すとセラミックのように見えます。

 

模型にセットするとこのようになります。

下部鼓形空隙の部分はもっと突き詰めるべきですが、フィットは良好です。

何よりもこの結果が無料ソフトで、簡単にできます!

3Dプリンターとの連携強化へ

また、予想していなかった部分としては、ClinicCADから3Dプリンター各種についての

おすすめのクラウン内面、外面の設定が表示されるようになったことです。

 

さすがにプリンター自体のスライスセッティングが出てくるわけではないですが、

プリンターとレジンの組み合わせを考えた上で、CADでクラウンを作成する

内面、外面設定がClinic CADのソフト内に登録されており選択できるようになっています。

 

Meditではないですが、他のクラウン製作ソフトもミリングマシンとの連携強化が

今後のアップデートで来る!ということも聞きました(CAMソフト不要になるかも!)

 

CAMへの操作がワンストップでできるのがチェアサイドで補綴を製作するとしたら理想です。

それをいうとやはりセレックシステムは優れているのだと思いますが・・・

コスト的にも3Dプリントは非常にありがたいので、更なる発展に期待です。

 

まとめ

ワールドデンタルショーも終わり、今後のデジタルデンティストリーの進化や

ソフトの発展する方向性が見えてきたかな、というところで

ClinicCADのアップデート、CADソフトのCAMへの一体化が示されたことは

今後の診療の進化が期待できて非常に嬉しいところです。

 

 

ところで最近 3D歯科 は再度デジタルデンチャーの研究に注力しています。

毎日テストレジンで効率的な義歯製作を試していますが、

主にMedit Designのみでフルデンチャーを短時間で製作できるようになってきました。

 

また製作の流れなどが定まってきたらシェアさせていただきます

 

クラウンについては今回のClinicCADやDentbirdなどのチェアサイドの活用方法などを

noteにまとめています。もしよろしければチェックしてください。

note.com

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。