3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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Meditでのインプラント治療サージカルガイド製作

こんにちは。

3D歯科 です。

 

ワールドデンタルショー、参加された皆さんお疲れ様でした!

たくさんの方にお会いできて、このブログを見ていただいているという方にもお声掛けいただきとてもありがたい3日間でした!

たくさんの講習会からインプットを得ましたので、またデジタルの研究に活用したいと思います。

 

前回はMeditを矯正に活用するアイディアとして、

ダイレクトアライナー、ダイレクトブラケットへの活用方法を紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

 

 

 

今回は、サージカルガイドの製作についてお話しします。

よろしくお願いします。

 

サージカルガイドについて

先生方はインプラント製作でサージカルガイドを使用していますでしょうか。

3D歯科 は恥ずかしながら半年前までは使用経験が全くありませんでした。

 

Meditなどのソフトでも作成ができることは知っていましたが

勤務医時代に全くガイドを使わない文化であったためフリーハンドのみで治療を行なっていました。

 

ですがCTとSTLを重ねて診断はしておりましたので、

あとはデータを整えて3DプリントすればOKという状況でした。

MeditもYouTubeで作成方法を公開していましたので↓

 

スリーブレスタイプのサージカルガイドを作成してみたところ、非常に有用なものと分かりました。

 

特に抜歯即時やGBR併用で「ここしかない」という埋入部位がある場合に、

開業医で1人でオペをすると方向や位置の確認だけで時間と集中力が消費されてしまいます。

 

ガイドを併用すれば(自分で製作したものなので100%信頼せず参考程度でも)

方向や位置の不安感が減少されてオペがやりやすくなりました。

 

3D歯科 はそこまでインプラントに自信がないので非常に難しいケースは

紹介させて頂くこともありますが、複雑なインプラントオペが得意な先生でしたら

さらにガイドの有効性が高くなるのだと思います。

 

数症例自分でガイドを製作したあと、Meditではなく専用のガイド作成ソフトである

BlueSkyPlanを用いた作成方法を学ぶためにセミナーにも参加しました。

1からWindowsでガイドを作成するのであれば、CTデータの兼ね合いで

こちらのセミナーの内容に沿うのが一番簡単です、時々開催されているようですので

ぜひ興味のある先生はご参加いただくと勉強になると思います。おすすめです!

 

難羽康博先生(アスパイア)、佐々木千晴先生(ちはる歯科)

みんな気になる!★ BlueSkyPlan ★ - BlueSkyPlanでサージカルガイド・デザイン&3Dプリント - ハンズオンセミナー #7

https://bsp7.peatix.com/view

 

 

ガイドの製作方法

BlueSkyPlanでの製作方法はセミナーで学びましたが、

今回はそこで学んだ方法ではなく、Meditでシェアされていた簡易的な方法での製作方法解説を行います。

3D歯科 はインプラントはあまり症例数は多くなく、得意分野ではありません。

そのため参考程度の知識として留めてください。

 

大まかにガイド作成の流れはこちらです。

①CTデータとSTLデータを重ね合わせ、データ統合し保存

②Medit Splintsでベースとなるスプリントデータを作成

STLデータ上でクラウンの設計

④クラウン部分にドリルホールを設計

⑤窓開け用の立方体データを配置

⑥スプリントから、ドリルホールと立方体データをブーリアンカットで切り抜く

以上です。

 

 

まずは①ですがCTデータのセグメンテーションを行う方法と、

インプラント診断ソフトなどでCTデータにSTLを移動させ重ね合わせて

CT位置を確認しつつガイドを作成する方法があります。

 

もし可能であれば、今後の活用が増えそうなCTデータのSTL化を試してみましょう。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

非常に綺麗にSTL化してくれるので、歯列STLと簡単にマッチングさせることができます。

 

②Medit Splintsでガイドで覆いたいところだけをマージン引きをし、スプリントを製作

 

③歯冠補綴を想定してクラウンのワックスアップを行います。

インプラントを行うということは欠損があるはずですが、歯肉部分にマージンを引くと

Medit Clinic CADでクラウンを簡単に製作できます。

もちろん既存の歯のテンプレートを任意のところに並べるだけでも可能です。

 

④⑤⑥

ここがガイド製作の肝となる部分です。

データの配列やブーリアンカットと、やや複雑になるので分かりにくいかもしれません。

 

そのため、Medit Designでガイド作成のためのSTLデータセットを作成してみました。

 

手持ちのストローマンのガイドキットを使用します。

メタルチューブは使用せず、5mmのガイドキーを使用する場合のデータとしました。

 

ここではSTLがシェアできませんので、noteの方で無料ダウンロードできるように

公開してあります。

 

↓2023年10月に公開しました。

データはこちらからZIPでダウンロード可能です。

 

note.com

 

 

もちろん自分で1から作成できるのですが、もしブーリアンカットやデータの配置に

自信がない先生は、以下の流れに従っていただければガイドが作成できます。

 

ガイド簡単セットの使い方

まずはスキャンデータでフラットテーブルのスプリントを作成しましょう。

自動作成でもOKですし、2〜2.5mmの厚みで自分でマージンラインを引いてもOKです。

 

次は模型データとスプリントデータとガイド簡単セットをCADソフトにインポートしましょう。

ここではMedit Designで説明します。

 

 

スキャンデータ(歯列データ)をteethデータに合わせます。

plateは咬合平面を合わせるために使用してください。

どのデータも拡大縮小はせずに、おおよその位置を合わせてください!

 

データを揃えたら、Left Guide Hole(右側ならRight Guide Hole)データを

インプラント埋入部分に合わせます。

 

ここまでできたら、Plateとteethデータを除く、全てのデータで

スプリントのデータをブーリアンカットすれば完成です!

 

完成ガイドの工夫

これで完成されたガイドに、外部注水の穴を開けたり

 

開口量が少ない症例でガイドホールにスリットを入れて

横からガイド用のバーを入れるようにして対応することも簡単です。

 

 

今回の内容ではCTを見ておりませんが、

もちろんインプラントの診断にはCTが必須です。

 

 

3D歯科 はガイドの適合確認も含め、インプラントを考える部位に

先にガイドを作成してからガッタパーチャなどの造影剤を入れてCT撮影をしています。

 

完全に歯冠形態優先でインプラントのCTでの確認をして、

ガイドの位置がOKであればそのままOPEを行えますし、

あと何ミリインプラント位置を変更したい・・・となれば

データを画面上で何ミリ移動と確認しながらCAD編集して

ガイドを再作成しています(3Dプリントでガイド製作するのは非常に簡単です)

 

まとめ

BlueSkyPlanやガイド専用ソフトをお持ちの先生にとっては

専用ソフトの方がCTも統合されますし、ワークフローも簡便化されると思います。

 

ですが、もっと手軽にガイドを使用してみたい、試してみたいという場合に

データ作成や編集は無料で使用できるMedit Designで作成する方法をシェアさせていただきました。

 

CTデータのセグメンテーションもAIを利用してさまざまなソフトが活用できるようになっています。

ガイドについてももうすぐワンクリックで簡単にできるようになりそうです。

 

AIがどんどんCAD操作を簡便にしてくれていますが、

AIに完全に任せると現状ではエラーがあっても気づけませんし修正できません。

やはり一度は自分でCADで色々な装置を作成しておくと、

AIを活用できた後も用途に合わせて適切に修正や編集をできるのではないでしょうか。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。