3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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Meditで作るダイレクトアライナー・ダイレクトブラケットの研究

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はフェイススキャンの内容についてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

noteの方にも詳細な方法を紹介しています。

現在無料で公開していますのでよろしければご覧ください。

(写真は恥ずかしいので共有しないでください!)

note.com

 

今回はこれからの進化が期待されるダイレクトアライナー

(3Dプリントで直接作成するアライナー)と、

3D歯科 が個人的に研究中のダイレクトブラケットのアイディアを共有します。

 

今回の内容は、先月8月ごろのうちにMeditに知見をシェアしておりまして

Medit Timesに取り上げられる予定もあるので、

将来にはそちらでもぜひご覧ください。今回はそのさわりの内容です。

 

よろしくお願いします。

 

ダイレクトアライナー

ダイレクトアライナーについては、韓国のGraphy社が

Tera Harz TC-85が有名な素材です。

 

形状記憶機能を有しており、お湯に浸けて柔らかくして着用、体温で適切な矯正力を得られ

矯正における不快な痛みなども軽減されます。

 

ただ、国内では某社が独占販売したそうで、非常に大きな投資をしないと扱えないようになってしまっています。

 

そこで 3D歯科 ではSenertekのClear-Aを使用してダイレクトアライナーを製作しています。

 

 

3D歯科 も自分を実験台にして前歯の矯正を行いましたが

クリアコレクトほか通法のアライナーと比較して、

初日はかなり押される感じがあったが(お湯に浸けて着用したらOK)

歯が動かされる感じがほとんどなく、快適にアライナーを使用できました。

 

3ヶ月ほど20時間程度の使用でしたが、捻転が改善され、

極端な矯正移動を組み込んでみたところ(スペースがないのに動かす)

歯の移動が停止し、アライナー交換で痛みが生じる=予定通りに歯が動いているはず?

という検証を行うことができました。

 

ダイレクトアライナーのデータを作成する

このダイレクトアライナーですが、完全に院内で製作するインハウスアライナーとなります。

矯正のセットアップを作成し、データを出力、ダイレクトアライナー用レジンでプリントし

後処理をして完成。

 

ただしここで問題になるのはダイレクトプリントできるデータ作成の方法です。

通常、インハウスでアライナーを作成するには模型データをプリントし

それにアライナーのシートを熱成形して作成するため、

いわゆる普通の模型をModel Builderで出力したら作成できます。

 

ですがダイレクトアライナーを製作するためには

↓のように歯を取り囲む薄いシート上のデータが必要です。

 

これにはMedit Designで行うと複数のブーリアン処理を行う必要があり、

1枚ずつ作成するのは流石に煩雑すぎます。

 

BlueSkyPlanやDentOneというソフトで、低価格でデータを作成もできますが

今回はMedit Splintsの新機能を用いて行います。

 

Medit Splintsでダイレクトアライナー

これについては最近Medit Academyでも公開されましたが、

Medit Splintsの新機能、インナーサーフェスを用いて行います。

 

フラットプレーンなどのアライナーを作成し、インナーサーフェスの作成を行います。

↑Medit Academy(YouTube)のスクリーンショットです。

 

下の段の右端のボタンをONにするとインナーサーフェスが作成されます。

 

この動画の通り、インナーサーフェスを作成してアライナーとした場合、

大きな問題に直面するはずです。

デフォルトではインナーサーフェス厚みは1mmになっているはずで、

Medit Splintsの現在バージョンではこれを変更できません。

 

ダイレクトアライナーにとっては1mmは分厚すぎ、違和感や痛みにつながります。

 

3D歯科 は試行錯誤の上で解決方法を見つけています。

インナーサーフェスをON、舌と頬の厚みを1.00mmに設定

→頬舌厚みが2mm以下の場合、アウターサーフェスとインナーサーフェス

厚みは按分され、頬舌厚みの半分がインナーサーフェスの厚みとなります。

 

ぜひお試しください。

これにより、頬舌厚みの半分がダイレクトアライナーの厚みとして設定できます

 

ダイレクトアライナーの製作は1枚ずつとなりますが、

個別に名前やアライナーナンバーを刻み込んでプリントすることも可能です。

 

 

ダイレクトブラケット

矯正にMeditを使用するアイディアはまだまだあります。

アライナーもいいですが、ワイヤーの方が早いことも多いでしょう。

 

まだまだ試作ですが、このようなことも可能です。

Meditをよく触っている先生であれば、どういった方法でジグを作成したかも

ピンと来るはずです。↓

 

また、いわゆるブラケットの形にする必要はなく、

某国内メーカーのニッケルチタン用の特徴的なブラケットの形態にしたほうが

プリントも、強度も、使用感もよさそうでした。

(お世話になっている教授の先生にご迷惑になりそうなのでデータは共有できません;)

 

まとめ

今回の内容はMedit本国より依頼いただいてまとめた内容の一部です。

そのうちにMedit Timesでシェアされるそうですので、その時にはぜひチェックいただけると嬉しいです。

 

今後ともMedit Linkのソフトのアップデートのたびに、色々な治療方法が可能になると思います。

研究・テストして、臨床に即活かせそうなことがありましたらシェアさせていただきます

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。