3D歯科 のデジタル歯医者入門

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Medit ClinicCAD v0.9.4 Betaアップデートを試す②咬合調整時の裂溝形態を維持する &Medit i900登場!!

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、インレーの自動マージン機能を試しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、ClinicCADのアップデートで細かいところの使い勝手が良くなったので

レビューします。

よろしくお願いします。

 

ClinicCADv0.9.4

前回に紹介しましたが、インレー製作において自動でマージンを弾いてくれる機能も

追加されました。どのソフトにおいてもインレーの自動マージンは難しいようで

手元の環境ではやはり手作業でのマージン引きが必要でした。

 

今回は咬合調整を自動で行うような「適合」機能にオプションがついたので試してみます。

 

ここのPreserve Shapeをオンにすることで咬合調整の際に裂溝が潰れずに済みます。

 

例えばこのような極端な強い咬合接触状態でクラウン製作を進めると・・・

 

このようなひどい状態になります。

もしかするとCAD技工初めての方の仕事なのか、CAD技工黎明期なのか

モノリシックジルコニアでこのような大臼歯形態で苦しんでいる患者さんは時々いらっしゃいます。

 

チタンクラウンの保険開始時にもCADでワックスを製作したのちに調整できなかったか、

平坦で食い込んだ凹形態の咬合面ができたことがあります。

咬合性外傷などにより非常に残念ながらすぐにやりかえ治療になってしまいました。

 

とにかく、このような強い接触点を対合に適合させる場合には

裂溝形態を維持したいものです。

いわゆる一時期言われていたような「CAD臭い」咬合面形態を避けられるようにしてみましょう。

 

再度、この状態から適合を行なってみます。

 

↓こちらは以前のバージョンで「適合」させ、咬合調整を行なった状態です。

 

↓これが今回のアップデート後の、Preserve Shapeをオンにした状態です。

 

わざとめり込ませた咬合面でしたが、細かな溝を維持してそのまま咬合が低くなったように

調整されたことがわかります。

ただしこのような大幅な調整が必要な場合には、一部データの裏返りが見えることもありました。

 

そのため、この機能だけに頼るのではなく最後の調整の補助として用いるのがいいのかと思います。

 

ただCADで作業をする際のストレスが一つ減らせたため、

ライブラリーに適合しにくい対合関係の場合など、役立つことも多そうな

目立つ機能でなくても実直なアップデートに感じました。

 

Medit i900

さて、ClinicCADのアップデートのニュースからすぐに、Meditからニュースが飛び込んできました。

今月末にMeditの最新フラグシップモデル、i900の情報が解禁(発売?)されるそうです!

 

スキャナーチップの先端が平坦になったほか、

物理ボタンがなくなってタッチパッドが搭載されるなど

なんだかiPhoneiPadの進化を見るような改善がなされているようです。

 

スキャン本体のスペックも向上しているようで、メタルスキャンなども改善したそう。

これはすぐにでも試してみたいところです!

ボタンの排除はチェアサイドでの直感的な操作に影響しないのか、

チップが幅が広がっても最遠心に届くのかなど実践しないとわからないこともあります。

 

なかなか日本では薬事の関係ですぐには入ってこないのでしょうが、

海外で発売後すぐに情報が出てくると思うのでレビューを待ちたいところです。

 

まとめ

3D歯科 としてはClinicCADもそうですが、i900が気になるところです。

ここ2〜3年でスキャンスピードは各社とも十分実用に耐えうる進化を遂げて

あとはインターフェースやスキャン領域の広さ、ソフトウェアとの連携が

スキャナーを選択する際のポイントになりそうです。

 

iTeroの新しいモデルも、Trios5についても、

「スピードだけではない」独自性を持って進化し始めているようです。

 

 

Meditの進化がどのような方向へ進んでいくのか、

自社アプリが非常に強力であることもあり期待大です。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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