3D歯科 のデジタル歯医者入門

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口腔内スキャナーでバイトがズレる時のTIPS②CRバイト、咬合再構成のバイトについて(3月17日更新)

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は口腔内スキャナーでバイトがズレる時のTIPSとして、

COバイトを取る際のポイントなどをお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、CRバイトや義歯、全顎治療時のCRバイト採得を取る際のポイントなどを

お話しします。

よろしくお願いします。

 

CRバイトを取るときとは

治療を行う際に、咬合が安定しており顎関節に問題がなく

治療前の生理的な状態を再現する際にはCOバイトを採得します。

 

逆に、治療前の状態を再現するだけではダメな症例、

バイトが安定して1ヶ所に収束しない場合や、顎関節やガイド状態に問題があり

欠損が大きかったり咬合挙上を行うために、トラブルを起こしている顎位を

生理的な顎位に変更する時にはCRバイトを採得します。

 

総義歯など、元の顎位が補綴物に頼っている場合も、

旧義歯と状態を変更するためにはCRバイト採得することとなります。

 

問題はこのバイトの取り方です。

単純にズレないよう噛ませるCOバイトと違い、

さまざまな方法を用いてCRバイトポジションに顎位を誘導?固定?した上で

バイト採得を行う必要があります。

 

3D歯科 個人としてはCRバイト採得の際には、リーフゲージを使用します。

アンテリアジグを使用したり、ワックス2枚重ねをジグとして使用することもできます。

 

スキャンでのCRバイト採得

さて、CRバイトポジションに患者さんを誘導できれば、

アナログなら、動かないよう患者さんに指示した上で横からシリコンバイトを流すことが多いです。

 

ただし、シリコンを流したのちも硬化まで待つ必要があり、

その上、患者さんが顎位をずらしてしまっても気付きにくいです。

 

口腔内スキャナー導入前はクリアシリコンバイトなどを試していましたが、

スキャンでのバイトであれば10秒かからず終了します。

 

CRバイト=オープンバイトレコードであれば、口腔内スキャンに大きなメリットがあります。

 

ただし、CRバイトでも上下顎の一部分でマッチングしているので

上下共に咬合床だと、マッチングポイントを作ってあげる必要が出てきます。

咬合床の頬側犬歯付近に凹みをつけてCRフローでマークをつけるか、

犬歯配列の参考ついでに、中切歯と犬歯を人工歯配列してスキャンすることもあります。

 

TIPSとしては、リーフゲージやアンテリアジグを使用する際に

開口量が大きいと上下顎が離れているのをマッチングさせるので、ズレやすくなります。

特にアングル2級などオーバージェットが大きいケースでは、そのままスキャンすると

ズレる可能性が高いと考えておきましょう。

 

対策は、上下間の空間が少なくなる最後方で上下顎が常にスキャンチップで両方写っている状態で採得するか、

上下顎の間に丸めたワックスやCR、ロールワッテを埋めて固定し、それごとスキャンすることです。

 

上下が大きく離れた、あるいは欠損歯であるバイトスキャンの時には有用で、

海外の動画を見ると、無歯顎のケースにロールワッテを縦に噛ませて

それごとスキャンし、咬合床なしでおおよそのバイト採得をしている先生もいました。

 

一番のズレない対策、としてはCOバイト、CRバイトでも

複数バイトをとっておくことが間違い無いです。

特にCRバイトはアナログでも5つ取って3つ以上一致していればそちらを使う、という

方法があるくらいですから、治療後の確認用にはデータが多いに越したことはありません。

 

Meditなどでは複数バイトを簡単に取れますが、Prime Scanであれば

上顎コピー、下顎コピーなどにバイトスキャンを広めにとって、

後でバイトスキャンと差し替えながら確認が必要です。

 

Medit Occlusion Analyzerの活用

さて、前回も紹介しました、Meditの新アプリですが

バイトで迷いが生じているときや、咬合採得のずれを疑ったときなどには

非常に便利なソフトとなっています。

 

中止としては、Meditでスキャンしたバイトしか対応できないこと。

他のスキャナーでスキャンしたSTLをMedit Linkに入れておいて

医院を離れて治療計画を立てる際など、咬合のヒートマップを見たいのですが

残念ながらこれには対応していませんでした。

 

できることとしては、Occlusion Analyzerを立ち上げると

咬合分析が自動で行われるほか、クロスセクションでSTLデータの断面を確認できます。

上:咬合分析 スキャン時でなくてもすぐ見れて便利です

下:クロスセクション CADで補綴製作などをされている先生では見慣れた画像です 

 

これにより補綴スペースの確認や、補綴物の厚みの確認、

CADデータのエラーチェックなど

(MeditやAIを使用すると感じませんが、データが裏返ったりめり込んだりするエラー)

非常にわかりやすいですが有用なソフトとなっています。

 

さらに、Meditは下顎運動を記録・再生できますが

その運動をも咬合のヒートマップで確認できます。

 

また、咬合が減り込み過ぎている場合、また噛み合わせが弱くスキャンされた場合は

STLデータ同士のバイト関係をわずかにずらし、バイト修正をすることも可能になっています。

上の「補正」で、あともう少し噛ませる・バイトをもう少し緩める

などの補正ができます。

それにより補綴物の精度がどうなるかはまだ未検証ですが、もし動作が平均値咬合器のように

閉口運動を再現しているのであれば、役に立ってくれるのではないでしょうか。

動揺歯で噛み過ぎたときなどに使用できるかもしれません。

 

まとめ

今回は前回に続き、バイトについてお話ししました。

ただ口腔内スキャンで簡便化されても、

歯科の中ではやはり咬合採得が奥が深く、難しいです。

 

前回言い忘れましたが、もう一つTIPSとして、

過蓋咬合や2級の患者さんでバイトが確認しづらい場合、

ワックスか咬合紙を左右臼歯で噛ませて、「噛んだ」感覚を患者さんが感じられるようにして

バイトスキャンをするとズレにくいです。

 

シリコンバイトよりもワックスの方がいいです。

咬合紙の場合、左右7番に噛ませて引き抜き試験を行い、

咬合紙を挟んだままスキャンしますと、(咬合紙分わずかにずれたことになりますが)

ほぼほぼ正確なバイトを高確率で得ることができます。

 

 

デジタルやAIの発展により、バイトのずれを気付けて補正してくれれば

歯科はもっと短時間のチェアタイムで、患者利益のある治療ができそうです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。