3D歯科 のデジタル歯医者入門

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Medit Link v3.1.0 & Medit Scan for Clinics v1.10.0 アップデート!

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はRevopoint製の最新スキャナーをフェイススキャンとして使用を試みたので紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、MeditLinkがアップデートされたので特にスキャン周りについての進化を検証します。

よろしくお願いします。

 

さて、まずはMedit Link本体のアップデートですが、

下顎運動をスキャンしたものの取り扱いが改善されました。

依然として、期待していた咬合器モジュールは追加されませんでしたが

顎運動スキャンがそれぞれでSTLエクスポートできるようになったことで

補綴製作などに活用しやすくなっています。

 

また、Web版においても補綴物の発注(技工所への注文)が可能になったことが

個人的にはありがたいポイントです。

 

外注する際などの指示書のやりとりでタグ付けなどの機能が追加され、

より利用が簡単になったようです。

 

Medit Scan for Clinics v1.10.0

何と言ってもスキャンソフトのアップデートがありがたいです。

 

PrimeScanもアップデートのたびにスキャン速度が高速化しましたし

FaceScanとして利用しているRevopointもスキャンソフトのアップデートで

高速スキャン・安定スキャンが可能になりました。

 

さて、今回のアップデート後の印象ですが、

ちゃんとしたグラフィックボードを搭載したWindowsのノートPCでは

「体感で全く違うほどに爆速」になってくれました!

 

PrimeScanとMeditほか低価格スキャナーでの違いは

スキャン途中からの認識の速さと、バイトマッチングの速さ

(つまりスキャン中のデータとスキャン済みのデータの認識の速さ)

が大きく違い、大規模で複雑なスキャンになるほどに

PrimeScanの優位性が際立つという状況でした。

 

それが今回のアップデートでは、スキャン認識の速度が大幅に向上し

「撮影範囲の狭いPrimeScan」程度には高速になりました。

 

バイトのマッチングも早くなりましたが、アップデート直後から

たまにバイトの認識が反対側とつなげてきたり、ミスもあります。

 

ですがバックグラウンドでスキャン処理をしているようで、

バイトを左右取る際には、1つ目から2つめのバイトに移る際の待ち時間がなくなりました。

また、形成後・形成前の模型を作った場合、どちらでバイトのマッチングをするかについて

選択できるようになり、バイト採得でのストレスがさらに軽減されました。

 

この辺りの改善は、新しいAIスキャン認識がうまく働いてくれているようです。

アナログ印象は、依然として必要な時間は変わりませんが、

デジタルスキャンはどんどんアップデートでチェアタイムが短くできます。

これだけでもアップデートの価値は大きいです。

 

Macではどうか

MeditはMacでスキャンも行える唯一のスキャナーですが、

アップデートでスマートスキャンフィルタリングなどが高速化、と記載しています。

MacのようなGPUの貧弱なスキャナーでも高速化、とありましたが

個人的にはアップデート前と大きな差は感じられませんでした。

 

チェアサイドでは一番安価なMacBook Air(M1Mac)を使用しているので

仕方ないことかもしれませんが、アップデート後のWindowsの方が高速化しました。

これはGPUの差になるのか、最適化がまだされていないのかわかりません。

いずれにしてもMacでもチェアサイドでそこまでストレスなくスキャンは可能です。

 

 

増築などでチェア台数が増えている先生方にとっては

MacBook Airとi700だけの移動ですむのは非常にメリットだと思います。

 

ちなみにMacはバスパワーで、バッテリー駆動で十分スキャンできます。

ただし、Windowsはバッテリー駆動では大きくスキャンスピードが劣ってしまいます。

電源設定などで対策できるのかもしれませんが、何も考えずにバッテリー駆動できるMac

医院環境によってはメリットが大きいです。

 

・・・ここまで書いてから、Medit Link3.0.6のままのMacと、

3.1.0にアップデートしたMacをスキャンで比較してみました。

 

そうすると同じ構成のMacBook Air(M1)においては少なくとも

Medit Linkをアップデートしない3.0.6の方が明らかに高速にスキャンできます。

理由は明らかではありませんが、GPUを使用、などの設定項目も追加されていたので

M1プロセッサーのグラフィック性能が、最新のMedit Linkには最適化されていないのかもしれません。

 

いずれにしても、スキャンを行うメインのシステムがMacの先生は、

Medit Linkのアップデートは慎重に行った方がいいかもしれません。

Meditは更新や改善が早いので、そのうちに対策されるかと思います。

 

まとめ

今回のアップデートは機能面の追加ではなく、

日々のスキャンスピードが改善されるというありがたいものでした。

スキャン中の表示画面も綺麗になったので、補綴のマージン確認なども行いやすいです。

アンダーカット分析もスキャン直後にできるので、3D歯科 のように形成にそこまで自信のない先生も

安心でチェアサイドで使用できると思います。

 

将来の機能面のアップデートは、やはりMedit Designでの咬合器モジュールの追加と

Medit Orthoにアライナー矯正のステージングが組み込めるアップデートを期待しています。

そうすれば院内での本格的なアライナー製作がMedit Orthoで出来るのに・・・

この辺りは次回にも紹介しようと思います。

 

PrimeScanにi700、2台の口腔内スキャナーを使用していますが、

チェアサイドでスキャナーを奪い合うことも多く、そろそろ3台目が欲しいと感じています。

i900?などもそのうちに出るかもしれませんが、完成度の高いi700を追加購入するかどうか

楽しく迷っているところです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。