3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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DSD Appが無料に!簡単(?)にスマイルデザインをiPadで

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はよりスピーディーにプリントを行うレジンである

ファストライジングレジンで土台付きの歯列モデルが12分以下でプリント

できるようになったことについてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回はDSD AppというiPadなどで使用できるアプリが無料化されたので紹介します。

よろしくお願いします。

 

DSD App

DSD Appはクリスチャンコーチマン先生らが、審美診断のために開発したアプリで

主に2Dの写真にテンプレートの2D歯冠ライブラリを重ね合わせて

デジタルスマイルデザインを行うことができるというものです。

 

個人的にはこのアプリ、非常に思い入れがあります。

 

ちょうど3年前ほど、日本時間深夜からスタートでDSDのオンラインハンズオンが始まりました。

DSDのアプリの使用方法と、活用して顔貌写真からベニア、デンチャーについて

審美的に診断とカウンセリングを行うための内容です。

 

このDSD Appのサブスク1年分とオンラインのハンズオンで900ドルくらい、

きっと役立てるからと医院のお金を投入して受講しました。

 

正直なところアプリは(日本的な感覚からいくと)荒削りで操作しにくく

毎日使うには厳しいところもあったのですが、

その後にSmilefyと名を変え、3Dスマイルデザインも可能になりました。

 

iPad本体だけでSTLデータをインポートしてそこにベニアのデザインを行い

ベニア部分を切り出してエクスポートできる・・・

という内容でアプリ自体を売り出していましたが、Smilefyになってからは

コーチマン先生自身は開発に関与していないようで次第に話題に上らなくなりました。

 

その後にMeditの無料で強力なソフトが登場してきたためベニアやクラウン、

スマイルデザインもMedit Appsで行うことが多くなりましたが、

この独特のインターフェースを久しぶりに見ると嬉しくなりました。

 

簡単な使い方

このアプリはMacbook(M1以降)とiPad専用です。

 

インターフェースとしてはiPad用に作られているので、

iPadで患者さんの写真を撮り、その場でコンサルテーションをしつつ前歯の位置や形態を

患者さんと一緒に考えていくのが使用方法になります。

 

DSD Appの2Dスマイルデザインは、まずは顔貌写真をインポートするところから始まります。

そこから顔貌分析と、中切歯の副径を入力します。

 

その後に切端ラインや、歯肉ラインの治療後の目標を入力します。

そこから歯冠サイズや歯冠のライブラリーを選択します。

ここでは有名なJan Hajtoライブラリーを使用しています。

CADソフトでも定番であるそうです。

 

また、Smile Donatorのリストの中にはコーチマン先生自身の歯列もあります。

有料版の頃は有名な女優さんなどの歯列もありましたが省略されています。

 

最終的にBefore&Afterをスライダーで変化させながら患者さんへ情報提供できます。

ただしAIの描いたこの男性は元々輝くような歯のため、治療後(右)の方が

白い歯ではなくなっていますが・・・

 

2024年でのDSD Appの用途

もし先生方の医院でベニアやダイレクトボンディング、審美補綴が多いなら

早速患者さんとのコミュニケーションで使用できると思います。

 

ですが今回、アプリ自体が無料になったことのメリットは、やりとりする技工所さんと

共通のソフトで会話ができるようになる点です。

 

実際 3D歯科 が3年前に導入した際には、自分が頑張って審美診断をアプリで行っても

その情報はコンサルティングくらいにしか使えず、結局は技工士さんに審美をお任せして

プロビで現場で形態を修正することが多く、メリットが少なかったです。

 

今回は無料で使用できるので、対応いただける技工所さんがあれば

アプリをお互いインストールして同じ画面や症例を共有しながら審美の相談を煮詰められます。

 

またコーチマン先生は元々が技工士さんですのでクリニック・ラボコミュニケーションで

必要なポイントをアプリにも盛り込んでいます。

具体的には有名なライブラリを元にした前歯の診断がアプリ内で行えること、

前歯の副径をノギスで測ってそれを元に2Dデザインを行なった後の歯冠副径を

自動で計算して、そこにメモを加えて共有する機能などです。

 

Meditなどのソフトもスマイルデザインアプリはあり、主に患者さんへのコミュニケーションは

これらIOSと連携したソフトの方がやりやすいと思いますが、

単純にホワイトニング後のカウンセリングや補綴の形態をより煮詰める場合は

このDSD Appが2024年の今でも活躍する場があると思います。

 

まとめ

今回は懐かしいアプリが無料化し、取り入れやすくなったことを紹介しました。

しかし時代はどんどん進んでいます。

Meditの新スキャナー、i900もどんどん写真や情報が出てきていますし

 

デジタルデンティストリーの台風の目、SprintRay社からは

MiDASという恐ろしいスピードのチェアサイドプリンターが発表されました。

深夜のスニーク動画を見ていましたが、小さなカートリッジ?3つを搭載して

それぞれで単冠補綴程度の小さなプリントを10分以下で行えるという

ワンデイに特化したようなモデルです。

 

口腔内スキャナーは当たり前、いかに小型で早くなるか、スキャンしやすいか

スキャン後にいかに早くプリンタやミリングなどのCAMに繋げるか

この辺りがここ1年くらいの進歩になりそうです。

 

ワンデイでの2カラーデンチャーのプリンターはまだもう少し先でしょうか。

とにかく「こういったものがあればいいな」と思ったものがすぐ後に発表されるという

恐るべきスピードでデジタルデンティストリーは進んでいます。

 

新しい情報や面白い製品などはまた取り上げていきますので

デジタルの進化に乗り遅れないように一緒に頑張りましょう!

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。