3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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<保存版>3Dプリンターで歯科模型を作ってみましょう④(模型製作まとめ編)12/30更新済 1/8更新済

こんにちは、 3D歯科 です。

 

今回は3Dプリンターで歯科模型を作ってみましょうシリーズのまとめです。

前回までの分を順番にお試しいただいていれば模型製作ができているかと思いますが

1記事ずつ読む時間もない!読みながら作業したい!という方のために

全行程をまとめたいと思います。

 

 

ここで改めてお伝えしたい、大切なことがあります。

みなさん歯科医師にとって、1番高価なものは時間だいうことです。

たとえば、チェアタイムを考えてください。

 

先生が30分、一時間、ソフトの使用方法を調べる余裕があるなら

患者さんのアポを入れれば、医院にとっても、患者さんにとっても

プラスになることは明らかだと思います。

 

もし先生方がデジタル機器やソフトの扱いに精通しておられないようでしたら、

ソフトの操作方法を動画にしたものをリンク先にも用意してあります。

MeshmixerやChiuTuBoxをしばらく触っている方であれば

この後のまとめを読んだだけでも十分に操作を習得できると思いますが、

先述したとおり、時間を少しでも節約したい先生方は

よろしければご利用いただければと思います。

 

もし口腔内スキャナーをお持ちでない先生で3Dプリントを試したい方は

リンク先にデモSTLデータをダウンロードできるようにしております。

 

リンクはこちら!

note.com

Meshmixerの詳細な編集も、デモSTLのダウンロードもあります。

ページはMeshmixer Chitubox 3Dプリントの実際 の3つです。

 

2022年1月3日までは限定で無料公開です!

 

ChiTuBoxの解説ムービー付き記事も、2022年1月15日まで無料公開中です!

 

その後は2022年3月末までページごとに500円

2022年4月からはページごとに1000円とさせていただきます。

note.com

 

 

 

さて、早速ですが、全行程のまとめです。

用意すべきものも各工程で記載しておりますので

この記事を確認しながらぜひ3Dプリント模型作りをやってみましょう。

 

1、口腔内スキャン(準備;口腔内スキャナー)

手元の口腔内スキャナーで患者さんの口腔内をスキャンしましょう。

スキャン時には、とにかくエアー乾燥ゆっくりスキャン!です。

その後にデータをSTL形式でエクスポートしましょう。

エクスポート前に不要データをスキャンソフト上でトリムしておくと

後々の操作が楽になります。ぜひやっておきましょう。

 

2、Meshmixer(準備;Meshmixerソフト、エクスポートしたSTLデータ)

この工程では出力する模型の台付けをします。

また、レジンを節約するための模型裏面の中抜き工程も行います。

よほど精度を求める時以外は 3D歯科 では全てレジン節約できる

中空模型を作成しています。今回もその内容を記載します。

 

・台付け

手順1、「インポート」で先ほどのSTLデータを選択します。

上、下を分けてデータの準備をします。今回は上顎を選択しましょう。

 

手順2、「選択」を押す。

 

手順3、歯列データの中央あたりをダブルクリック

 

手順4、「編集」のなかの「押し出し」を押す。

 

手順5、上のつまみを、1番左までグイッと動かす

 

手順6、「決定

 

 

・模型中抜き

手順①、上記の手順1から6を行います。(押し出しまで)

 

手順②、「編集(選択の編集ではありません)」、「中空」を選ぶ

 

手順③、何もパラメーターを変えずに「適用

 

手順④、「編集」、「面でカット

 

・エクスポート

STLデータを、上顎、下顎それぞれ出力します。

もしものためにもMeshmixerプロジェクトを保存します。

 

 

3、ChiTuBox(準備;ChiTuBoxソフト、先ほど加工したSTLデータ)

この工程ではSTLデータを実際に3Dプリントできる形式に変換します。

詳細なパラメーターが必要な場合は リンク の方でも

ダウンロードできるようにしておきましたので活用ください。

ただし、3Dプリント用レジンは気温など環境により条件が変わります。

気温が低いならサポートの密度を上げる、場合により照射時間を長くする

といったことを試してみて下さい。

 

手順1ChiTuBoxソフトの立ち上げ、「設定」から使用する3Dプリンターを選択

   使用レジンにより照射時間などを設定、基本はメーカー指定のままでOK

   参考リンク(elegoo社レジン設定一覧

https://www.elegoo.com/blogs/3d-printer-user-guide/elegoo-printers-resin-setting-sheet

 

 

手順2「ファイルを開く」から、製作したSTLデータを選択

手順3、模型をプラットフォームに収まるようZ軸を回転

手順4、模型のベースをプラットフォーム側に向くようにY軸を回転

手順5、データが歯列模型の上顎の場合

  前歯の歯軸傾斜プラットフォームに直角に近づけるようX軸を回転

手順6、右のタブからサポートを選択、下から3段目右の「自動サポート」「+全て」

手順7、右のタブを元の画面に戻し、「スライス」

手順8、出力された.ctbファイルをUSBメモリに移す→3Dプリンターへ!

    念のためにChiTuBoxプロジェクトファイルも保存しておきましょう。

 

4、3Dプリンター(準備;3Dプリンター、USB、レジン液)

この工程でいよいよ3Dプリントモデルが完成します。

 

下準備として、レジン液のはいったボトルを使用前にしっかり振っておきましょう。

この工程はクリアカラーのレジン以外において、顔料が沈澱しないようにするためです。

もしレジンバットに入っているままのレジンを再利用するのであれば

バット底のフィルムを痛めないように柔らかいシリコンのスパチュラ

レジン液をよく攪拌してください。

 

また、室温が20度以下になっているようでしたら適宜エアコンなどで調整してください。

この記事を書いている12月末であれば、室温が下がると簡単に出力失敗しますので

注意するようにしてください。

 

手順1、レジンバットに半分量くらいのレジンを入れます。

手順2、プラットフォームやバットがしっかり固定されているか確認します

手順3、3Dプリンターの電源を入れ、データの入ったUSBを差し込みます

手順4、出力するファイルを選び、スタートします(あとは待つだけ!)

 

この時、1時間ほどは放置することが多いので、出力終了する時間で

自動で3Dプリンターの電源が切れるよう工夫しておくと便利です。

 

 

5、出力後の後処理

Dプリンターの出力が終了すると、モデルがプラットフォームに

ぶら下がった形になります。これを外して、レジンごとに水かアルコールで洗浄します。

 

手順1、(サポート設定がうまくいっていれば)手で模型を剥がすようにすると外れる

手順2、ティッシュキムワイプで付着している余剰レジンを優しく拭く

手順3、水洗い(アルコール洗い)する

    ポイント!アルコール洗いの場合、アルコールがすぐ汚れるため、

    容器二つに、雑洗い用と仕上げ洗い用のアルコールを準備しておく。

    雑洗いは容器に入れてシャカシャカ振るだけでOK

    仕上げ洗いはアルコール容器ごと超音波洗浄機にかけるか

    専用の洗浄機にて5分から10分くらい洗浄すると綺麗になります。

 

手順4、エアーで乾燥させ、最終重合させる

    ポイント!可能ならターンテーブルのついた光重合器に入れて10分以上硬化

    もっとこだわるなら、CRと同様で酸素に触れたところは未重合層ができるので

    透明容器に水を入れてその中で重合させるか、グリセリンジェルなどを塗って

    光照射器を当てると表面が硬くツルツルになります。

手順5、サポートを剥がした跡がある場合は即充レジンと同様に研磨する

 

お疲れ様でした!

慣れない間は、石膏の方が早く手軽に感じられるかもしれません。

ですが D歯科 のように開業医であれば、診療時間でなく

帰宅後にゆっくりパソコンで作業もできるので、診療後にクリニックに居残って

技工操作をするという辛い時間がなくなりますし、何より診療時間は治療に専念できます。

 

さて、次回は3Dプリント作業を行う上での、オススメの小物を紹介するほか

noteにて動画や画像をまとめて公開する予定です。(公開しました!)

 

その後は、1月は3Dプリントを用いて行うダイレクトボンディングを深掘り、

2月は3Dプリントコピーデンチャーを用いての精密義歯印象を深掘りしたいと

(今のところ)予定しています。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。