3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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3Dプリンターにとっての冬が来ました

こんにちは。

3D歯科 です。

 

だんだんと寒くなってきましたね。

毎日のように3Dプリンターを動かしていますが、

ここ最近は3Dプリンター脇に置いた温度計とにらめっこをする日々です。

 

それもそのはず、

3Dプリンターは寒さに弱いのです!

正確には、3Dプリンター用のレジンが低温だと固まらないのです。

 

多くのレジンは室温が20度を切ってしまうと

反応が著しく悪くなり、重合不良によるエラーが出てきます。

 

CRを冷やして操作時間を延長する先生も見たことがありますが

冷えるとレジン液の粘稠性が増えて、重合時間を増やしたり

3Dプリンタの動作時間をゆっくりにしないと

プラットフォームから脱落して上手くいかなくなります。

 

対策としては、

何よりも3Dプリンターの置き場所を再検討することです。

暖房がしっかり当たる室内に置くこと、

朝一の暖房の効きが悪い時はプリントをしないこと、

プリンター本体を布で包んで保温する、

なども有効になります。

 

3D歯科 は、はじめこのことが全くわからず

冬になるたびにプリントエラーを多発し、

テックやコピーデンチャーのセット日を多めに中日を取ったり

夜な夜なプリントが上手くいっているか見にいったりしていました。

 

最近では

プリンター本体に工夫をしたり

前述したように置き場所を考えることで

プリントのエラーをほとんどなくすことができるようになりました。

 

 

具体的には、

レジンを入れるバットにヒーターを仕込んでいます。

ホビーなどを作る方がネットで公開していた作り方を参考に、

アルミ製のバットに熱伝導テープでパネルヒーターを貼りつけて

重合開始前から十分に温められるようにしています。

 

特にテック用レジンなどは粘稠性が高く、

サラサラのモデル用レジンや汎用レジンと比較して

プリントする難易度も高めです。ですが、先に加温しておくことで

粘稠性が下がり、プリント時間を短縮してもミスが減ってくれます。

 

 

また、置き場所ですが、

医院敷地内を温度計を持ってウロウロし

通年で温度変化が少なく、かつ25度を超えるような暖かい場所を

探して回った結果・・・

コンプレッサーの設置場所の上、という結論に至りました!

 

機械室やコンプレッサー、サーバーを置いている部屋は

どの医院にもあるかと思いますが、この手の機器は

診療時間中ずっと、熱を持っています。

暖房機器を3Dプリンターのために準備するのはコスパが悪いので

もともと熱を持っている場所を利用しない手はありません。

ただし突発的に3Dプリンターのレジンが溢れることもありますので

自己責任で参考にしていただければと思います。

 

ちなみに、

100万円近いような高額な3Dプリンターになると

レジンバットにヒーターが組み込まれていたり、

レジン攪拌機が付いて粘稠性を下げる仕組みがあります。

ですが手元にあるのは3万円の3Dプリンターですので

色々と工夫を凝らして問題を解決していっています。

 

それでも冬が近づいて寒くなってくると、

そろそろ1層の照射時間を長く設定し直すか・・・

ということを考えてしまう今日この頃です。