3D歯科 のデジタル歯医者入門

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歯科用3Dプリンター値崩れの始まり・・・?レジンも続々登場

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はコピーデンチャー、3Dプリントデンチャー製作用の「義歯スキャン」について

口腔内スキャンで最終印象を取ることについてお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、次々に登場する歯科用3Dプリンターと、

入手しやすいレジンなどについてお話しします。

よろしくお願いします。

 

歯科用プリンターの代表格

日本国内で医療薬事を通している3Dプリンターはまだまだ少ないです。

 

歯科用に開発、調整されたモデルもありますし、民生品を医療薬事取得しただけのものも多く存在しています。

ホビー用でも歯科用に開発されたものも、LCD方式であればほとんど内容は変わりません。

SLA方式、DLP方式であれば価格差・性能差で違いがあるかもしれませんが、

歯科用のものも、ホビー用でも、最新のものは十分な精度を持っているように思います。

 

SLA(進化版のLFS)方式

この方式で歯科用で有名なのは、FormlabsForm3bというモデルです。

 

このモデルは昔から歯科技工所にあるイメージで、

ガイドやインプラント用の模型を作成することなどに使用されてきました。

 

最近、驚きのニュースがありまして、

ベーシックパッケージが90万円以上だったものが

今年9月から331,000円に変更されたよう。

 

これ、本当に大丈夫なのかと心配になる値下げですね。

既存ユーザーは大丈夫なのでしょうか・・・

 

DLP方式

このタイプで有名なのはカーラプリントシリーズと思います。

国内認可を受けた3Dプリンターの先駆けの一つです。

 

昔から3Dプリントに取り組んでいる国内の先生は

多くはこのプリンターを使用しているようです。

 

最新はカーラプリント4プロと思いますが、

いいところはレジンごとにプリセットが決まっているそうで出力に迷わないところです。

ですがユーザーの方から聞くところでは、温度変化などでパラメーターを触りたくても

基本的にはプリセットのまま変更できないそうです。

冬場はプリンター環境自体を暖めるほかないかもしれません。

 

LCD方式

これはどんどん新しいプリンターが登場しています。

 

Ciの扱い始めたOnDemand3D 4Kプリンターや

Feedで販売しているAccufab-4LDなども医療薬事の通ったLCDプリンターです。

 

基本的にはフローズンやElegooのLCDプリンターと同様ではありますが、

モデルにより高速出力が可能であったり、

温度管理機能が内蔵されたり、ソフトとの連携が可能であったりと

さまざまな工夫を凝らしたものが上市され始めています。

 

LCDプリンターは元々安価であるのですが、医療薬事取得品は

どうしても高額になるのが通常のようでした。

 

ですがデンケンハイデンタルのように既存ユーザーに15万円で医療機器としてのプリンターを販売したり、

民生品を医療薬事を通して30万円以下の値付けのプリンターも増えてきました。

 

そこでFormlabsの値下げもあり、さらなる低価格化が進むかもしれません。

機器としては安価で製造できるものですので、日本国内のニーズが高まれば

半額・3分の1の価格になることもそう遠くないと思います。

 

昔のCR重合器が高額であったものが、1万円前後で十分な性能になってきているように

一部の限られた用途以外では3Dプリンターはいよいよ普及モデルが増えてきそうです。

 

 

 

3Dプリンター用レジン

あとは本体が普及すれば使用するレジンです。

 

本体が低価格化になっても、使用できるレジンが国内で限られると活躍できる場面も減ってしまいます。

 

特に物性に劣るもの、出力が困難なものは普及しづらいでしょう。

普及していくレジンとしては、TEKやスプリント用で簡単に出力できるもの、

国内認可の取れたパーマネントレジン(海外で最近たくさん出ている、EMAX並みの強度のレジン)

が登場すれば、補綴のマテリアル選択が大きく変化しそうです。

 

パーマネント形レジンは国内ではまだまだのようですが、

スプリントやガイド用のレジンは面白いものが国内認可が取れて発売されるようになりました。

 

例えばCiの扱いはじめたODSのレジンです。

 

医療薬事の取れたレジンとしては安価に感じますが、250gなので別段割安ではありません。

ですが海外デンタルショーなどで話題になっていたのが、目立って粘稠度が低いことです。

 

3Dプリントをすでに行なっている先生はお分かりのことですが、

レジン液は寒さによりドロドロになり、出力が難しくなります。

 

また、出力後の後処理をしようとしてもベタベタ・ドロドロだと

クラウンやスプリントの内面に余剰のレジンが多く残り、

除去するのに大きな手間が必要になります。

除去が不足で未重合レジンが残ってしまうとアレルゲンにもなり、非常に問題です。

 

そこでこのレジンは粘稠度が非常に低くサラサラで、

ホビー用の水洗いレジンと同等の粘稠度のようです。

 

そうすれば出力も容易で、後処理も楽になり、無駄になるレジンも減っていいことづくしです。

3D歯科 も早速注文して年末年始に研究しようと思っていますが、今のところまだ届いておりません。

到着しましたらスプリントなどを作成してみて実際に自分で試してみようと思っています。

 

まとめ

3Dプリント界隈は日進月歩で進化を続けており、

海外では非常に強度の高い義歯用、パーマネントクラウン用レジンが数多く登場しています。

 

もちろん患者さんの口腔内に入れますので安全性をしっかりと考えることは重要です。

そこさえクリアーできれば、ジルコニアディスクのミリングに次ぐ

国内での補綴製作の大きなターニングポイントになるものと信じています。

 

今日は当院も仕事納めでした。

義歯の破損した方、クラウンやTEKが破損・脱離した方もちらほら急患で来院されました。

 

来年こそは、急なトラブルに即日に対応できるような義歯・クラウンの

3Dプリント補綴を確立できればと思っています。

(現在では最短でも義歯・クラウンは翌日セットです)

 

今年も一年、 3D歯科 の記事を読んでいただき、また反響もいただきまして心より感謝いたします。

また来年も、よりマニアな研究やテクニック、情報を共有できるように精進してまいります。

 

良いお年をお迎えください。今年も一年ありがとうございました。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

また、年末年始にデジタルデンチャーの内容について更新しています。

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先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。