3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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歯科医師の仕事が、AIとロボティクスで変貌するまでに考えておくこと

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は3D Slicerの操作方法を文章で解説しました。無料で使用できるCTセグメンテーションツールです。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、AIの進歩が目覚ましい昨今ですが、ついに歯科治療自体を変貌させそうな予感がする

ニュースを目にするようになってきたのでそれに向けて色々と考えてみます。

 

よろしくお願いします。

 

sakana.aiのAIサイエンティストの衝撃

お盆休みの途中、3D歯科 個人としてはかなり大きなニュースが飛び込んできました。

AIが画像を描ける・・・パワポを作る・・・という内容はもう当たり前になりましたが

「AIが学術研究の全行程を行う」というなかなかにショッキングな内容です。

 

日本の(珍しく日本なのでちょっと嬉しい)AIスタートアップ、

sakana.aiが発表したAIサイエンティストというものです。

 

 

sakana.aiは小規模言語モデルなどの研究をしていると時々ニュースが出ており

浮世絵?か何かに特化したAIを開発した等を聞いていたので、

いかにも日本的な平和な会社なのかな・・・と思っていたのですが、

AIサイエンティストは大学での研究や論文発表などのあり方が変わってしまいそうなサービスです。

 

3D歯科 もAIの開発などは全く素人なので詳しくないのですが、簡単に言うと

AIと研究テーマを相談し、実験を繰り返し、論文を書き上げ、さらにその査読も行う。

 

という論文執筆や研究発表のほぼ全ての行程をAIがやってのけてしまうと言うものです。

 

もちろんAIなので人間が疲れながら論文を書くのとは、全く比較にならないスピードで

完成原稿を作成できるでしょうし、引用なども勝手に引っ張ってきてくれるようです。

 

これ、AIが自律的に研究を行う形になってしまうと

恐ろしいスピードで新しい技術や手法が開発されるようになりませんか?

 

大学院などで研究をされている方は、今後AIを活用しなければ絶対に論文製作で

ライバルに勝つことはできなくなってしまいそうでもあります。

 

精神と時の部屋

今度はロボティクスですが、子供の科学などの本にもインタビューが載っていて

面白いなと思っていたロボット開発・研究の古田貴之さん。

 

YouTubeなどで最近の開発を紹介していましたが、

youtu.be

何やらロボットのソフトウェア部分を、パソコン上の仮想空間上で長時間鍛え上げてから

ロボットにインストールして、超強化されたAIソフトウェアを積んだロボットを作る、

と言うものです。↑見た方も多いかもしれませんが、面白い動画でした!

 

ハードウェア部分が同じものを使っても、仮想空間上で鍛え抜かれたAIを搭載すれば

簡単にはプログラムできなかった、再現の難しかった技術などを習得させることができるそう。

 

その仮想空間を「精神と時の部屋」と呼んでいてとても分かりやすかったのですが、

無制限の場所・時間を使ってシミュレーション上で(現実世界では短時間で)

AIを鍛え上げることができるそうです。

なんだか「地球・シミュレーション仮説」などが現実に感じるようで薄ら寒くなります。

 

今の所ではロボ犬が生きた動物のように動き回っているだけですが、

いわゆる匠の技というような技術も、おそらくは習得させられるのではないでしょうか。

 

アレ?タービン持って削るロボやインプラントを埋入するロボに、

このような技術で匠の技をインストールしたら歯科医師の技術は機械で再現できるのでは?

 

AIとロボティクスの融合が実現した後で

ここ最近のAIとロボの加速度的な進化を見ていると、

自分が死ぬまでにこうなるといいな・・・など悠長なことは言っていられず

自分の仕事それ自体を考え直さないとAIとロボに取って代わられることになりそうです。

 

削ったり詰めたりの技術はもちろん大事ですが

機械がIOSデータを元に治療ガイドのようなもので固定されてロボが削って詰める。

しかも歯科医師が行う10分の1以下の時間で10倍の精度で。と言うのも十分にあり得ます。

 

咬合採得や義歯の印象採得なども匠の技のようですが、

もしかするとCTや顎運動データ、IOSデータをAIがマッチングして顎関節形態から

自動で正しい咬合を決定してくれるようになるかもしれません。

義歯の粘膜印象も、X線か超音波スキャンかわかりませんが、センサーの精度が上がり

処理するAIの精度が向上すれば、研修医であっても完璧に行えるようになるかもしれません。

 

こうなると歯科医師の仕事は、患者さん個人個人の治療計画!と言いたくもなりますが

治療計画はX線やその他データからAIが一瞬で割り出すと思います。

 

こうした将来は思ったよりも早くきそうに思いますので、

現在のところ「じゃあ人間は何をすればいいか」はわかりませんが、

それに備えて考えを巡らせておくことは大事なのではないかと思っています。

 

幸い(?)にも、医療の世界では、特に日本では

薬事や保険のルールにより、世間と10年、20年ズレているような遅さですので

他業種よりもこうした分野が介入してくるのは後になるのかもしれません。

(歯科でAI!と謳っていてもP検査を音声認識しているくらいだったりしますしね。)

 

しかし、他業種で起こった変化は遅かれ早かれ確実に歯科の世界にも波及するはずですので

楽しみにしつつ、この大きな変化を見守りたいと思っています。

 

まとめ

ChatGPT楽しいな・・・と思っていた時からまだ2年も経っていないことを思うと

本当にここ最近の変化は恐ろしくもありますが、

GPTのおかげで海外の論文やデジタル界隈の研究を日本語で読むことができますし、

簡単な疑問や何かアイディアをまとめたりするときにはすでになくてはならない物になってきています。

 

IOS周りの進化も早いですが、3Dプリンターや歯科サブスク系サービスなど

どんどん新しいものが出てきて毎日が楽しく過ごせますね。

歯科の未来がAIとデジタルで簡単に・低コストに・時短になって

今よりもさらに自分の好きな治療や研究に時間が使えるようになると嬉しいなと思っています。

 

sakana.aiもロボの進化も凄すぎて、取り留めのない文章になってしまいました。

次回はElegooの新しいプリンターのレビューを書いてみようと思っています。

 

 

 

IOSはますます他の機器やソフトとの連携で活用できるようになってきました。

実際に口腔内スキャナーと患者さんを前にしないと伝わりにくいことも多いので、

9月中にCi主催で広島と大阪でのIOS使いこなしセミナーをさせていただく予定がありますが

その際にこのバイトスキャンも実例を見ながらポイントをお話しできればと思っています。

seminar.ci-medical.com

 

seminar.ci-medical.com

もしお時間がありましたらぜひよろしくお願いします。

 

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。