3D歯科 のデジタル歯医者入門

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IOS注目の新商品登場! ②SHINING3D Elite フォトグラメトリAll on Xスキャンボディ付きIOS!?

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はIOS注目の新製品の1つ、Primescan 2を紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

 

今回は、SHINING3Dが情報をリリースしたIOSの最新機種、Eliteの紹介をします。

よろしくお願いします。

 

IOSの進化の速さ

口腔内スキャナーはPrimescan 1の発売以降、急速に「速度」「精度」「低価格」へと

進んでいると感じています。

 

正直なところPrimescan 1やSHINING3D Aoralscan3で速度的には気になることはありません。

Primescan3はチップが大きいですが、Meditも含めて安価モデルはチップも小さく、

通常診療の口腔内のスキャニングは問題ないと感じています。

 

そうすると、次に出てくるIOSはどのようなものだろうかと楽しみにしていたのですが、

従来モデルをワイヤレスにしたもののほか、しばらくは目ぼしいものがなかったように思います。

 

そこでTrios5やMedit i900のようなモデルが

さらなる高速化・軽量化・小型化を目指して発表されました。

 

機能的には従来型モデルの正統進化版という形でしたが、

それぞれやや高価格化してしまったところもあります。

 

 

その中で、前回紹介したPrimescan 2は従来のIOSと異なり

クラウドソフトと紐ついて動作するため、良くも悪くもPCスペックに依存せず、おそらくは

ハードディスク・SSD容量に寄らない動作をするというのが面白いと思います。

 

今回はその上で、IOSに付加価値をつけたモデルであるEliteについて紹介します。

 

SHINING3D Elite

SHINING3Dが先日発表した最新のIOS、Elite(エリート)は、

簡単にいうと通常のIOSに加えてフォトグラメトリのインプラントスキャニング機能が

統合された、1台2役のモデルです。

 

 

https://www.shining3ddental.com/solution/aoralscan-elite/

現在のところ日本語サイトでは発表されていません。

(日本国内ではようやくAoralscan3 ワイヤレスが発売された直後です)

 

実のところ、今年8月に中国の杭州にあるSHINING3D本社にお邪魔させていただきまして

その時に発表前のEliteを模型上ではありますがテストさせていただきました。

 

印象としては、とにかく軽い!小さい!という感じです。

普通に電化製品のような感じで、ワイヤードの電動歯ブラシのような感じでした。

 

 

Eliteスキャナーは有線接続(ワイヤード)ですが、

その分本体は小型軽量で持ちやすく、今までのIOSが巨大に感じるほど手に馴染みます。

 

それなのにスキャンが高速なのはFOVの大きさにもよるのではないかと思うのですが、

後述するフォトグラメトリーの機能を除いても、とても魅力のあるIOSと思います。

 

PCとの連携はUSB-C1本で電源供給まで全てを賄えます。

 

シンプルな見た目で口腔内カメラくらいの重量感です。

裏面はチップの大きさいっぱいにカメラ開口部があり、

一度の撮影範囲が広い=高速スキャン、PC処理の負担軽減 がはかられます。

 

Eliteスキャナーの特徴

ここまでを見ると、軽量・小型・高速という、新型IOSにありがちな機能を備えていることがわかります。

 

ですがEliteはそれだけではありません。

オールオンXを行う先生にはとてもありがたいフォトグラメトリの技術を生かした

独自のスキャンボディを同梱しており、機能的にもスキャナーソフトに統合されています。

 

 

この写真のようなスキャンボディキットが、Elite本体を買うと付いてきます

インプラントシステムごとにスクリューなど適合するものを選択できる仕組みのようです。

 

フォトグラメトリーを活かしたスキャニングのシステムは既に各社から発売されています。

ですが、それ単体で数十万円はくだらないような高額な機器ばかりと聞いています。

 

オールオンXを多数行うような先生方であればスキャン速度も精度も向上するので

導入されている方もいると思われますが、 個人的にはインプラント症例が多くないので

そんなものもあるのだなぁ位に思っていました。

↑こうした特徴的な形態でインプラントスキャンボディ同士の距離を近くし

スキャニングの歪みを減少させると言う取り組みもあります。

↑ これは他社のフォトグラメトリー技術を用いたインプラントスキャンボディです。

 

ですが、実際に模型上で試した限りでは 本数の多いインプラントスキャニングが

本当に簡単に高速にでき、 スキャンボディさえちゃんと配列できれば

症例数の多くない先生にとっても扱いやすそうだと思いました。

 

ポイントとしては、そのような新しいタイプのスキャニングシステムを

最新のIOSを導入したときに同梱されていると言うことです。

 

そのためIOSが欲しいというだけでEliteを導入し、購入した場合にこのスキャンボディを

あまり使用しなくてもインプラント用の機器を一緒に揃えられると言うことになるので

コスト的に追加の負担なく、より快適なインプラントスキャンを経験できるようになります。

 

簡単なワークフローとしては、まず粘膜部分を通法通り、スキャニングを行い

その後に付属のスキャンボディを装着した状態で、スキャンボディ同士の位置関係を記録。

最後に、粘膜部分からスキャンボディー自体をマッチングさせる記録を行う。

と言う流れでした。

 

ちなみに、現在のところでは、大規模なオールオンX 症例に限って開発をしているようですが

開発担当の方からお話を聞くと、数本のブリッジ症例や単冠インプラントにも

同じスキャンボディーが使用できるように開発中とのことです。

 

まとめ

このように、通常使用のIOS としても高い完成度を誇るEliteですが、

触ったときには、まだソフトウェア自体に改善が必要に見えました。(開発中だったので)

ですがハードウェアとしては、口腔内スキャナーは完成形に到達してきたように思います。

 

Eliteは フォトグラメトリー技術を生かしたスキャンボディーが同梱されますが

価格的にはAoralscan 3シリーズよりも高価格帯になります。

予定されている価格は20,000ドルほど。

日本には300万円は超える程度でしょうか? 個人的には通常価格が320万円で

セール時などに300万円を切るかどうかと言う価格帯になると思います。

 

Aoralscan3やMedit i600を考慮すると、(これらも十分に日常臨床で使えます)

やはり高額な部類に入るかと思いますが、Medit i900やTrios5と比較すれば

インプラント、スキャンボディに価値を少しでも感じるかによって

はじめての口腔内スキャナーにも、 2台目以降にも選択肢になるかと思います。

(今のところ本体のみの販売は考えていないということでした)

 

前回と今回で紹介したようにIOSの進化は 高速化小型化にとどまらず

独自の機能や進化を遂げているものもあります。

 

IOS 本体のスキャニングについてはほぼ完成されてきていると思いますので

同じような進化が、 次は3Dプリンターについても行われるのではないでしょうか?

簡単にプリントでき、高速で、また後処理まで統合されて簡単になると言うのが

3デニールプリンターにとっては、次のステップになるかもしれません。

またMIDASのような 即日、治療専用のような3Dプリンターが主流になるでしょうか。

 

デジタルデンティストリーは、新しい機種やソフトウェアアップデートで

大きくワークフローが更新される可能性を持っています。

特に、3Dプリンターについては、材料のレジンの進化によって

補綴治療や矯正治療の主役になるのではないかと期待しております。

 

日本でもついに広がってきているIOS3Dプリンター

これからもどんどん新製品やアップデートが登場し楽しませてくれることを期待しています。

 

 

先日は広島でのCiデンタルショーでセミナーをさせていただく機会をいただきました。

ご参加いただきました先生方、このブログを見ていると言っていただきました先生方、

本当にありがとうございました!いつもPCと仕事をしているので、実際に先生方とお会いできてとても嬉しいです。

 

さて、今月末の9/29の日曜日にCiメディカル主催にて

クラフトデンタルさんと協力して新大阪でセミナーを行います。

 

IOSやMetiSmileのようなフェイススキャン、CT、プリンターについて

1日楽しくデジタル機器を触ったり活用方法を紹介したりするイベントを行います。

 

当日にスキャンのコツや3Dプリント模型の作成・Dentbird等によるTEKデータの作成

TEKのプリントなどの実習を行う予定です。

 

製品の紹介ももちろんですが 3D歯科 のいつも行うちょっとしたコツのようなことや

マニアなことも色々とお話ししたいと思っていますので、

お時間ある方はぜひご参加いただけますと嬉しいです!

 

当初は数名程度の会場で行う予定でしたが、ありがたいことに参加可能枠を増やしまして

会場を大阪Ciショールームの一角から同じ建物の会議室に移動して行うことになり

まだ参加お申し込みを受け付けられるようになりました。

直前の日にちまで参加募集しているとのことでしたので、ぜひよろしくお願いいたします!

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。