3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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AIによるフルオート単冠クラウン製作・Imagoworks社のDentbirdの凄さ

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はCTからのSTLデータ切り出しについて③として、

CTから切り出したデータの活用の一例をお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、CADで行うクラウン製作を全自動で行なってくれる

Dentbirdというサービスについて簡単に紹介します。

よろしくお願いします。

 

Imagoworks社について

古くからCTの解析やAIによる自動マッチング技術などを研究していた

Imagoworks社は、韓国にあるスタートアップの1つです。

 

現在は主に全自動のクラウン製作、Dentbirdに注力しているようで、

その進化はめざましく、臼歯部はほぼコレだけで別途CADソフトを使用しなくても

クラウンのミリング、3Dプリント用データを作成できます。

 

Dentbirdでのクラウン製作

DentbirdのソフトはChrome上で動作するSaaS、WEB上アプリケーションとなっており

インストールは不要で使用できます。

accounts-ci-medical.dentbird.com

 

リンク先にもあるように、Dentbirdは日本のCiメディカルと連携しています。

将来のソフト利用料金やサポートなどを日本国内ではCiが行うことになるようです。

 

2023年4月現在ではDentbirdはなんと無料で使用できます!

3D歯科 もジルコニア製作やTEK製作に利用していますが、

非常に調整量の少ない、「使える」クラウン製作ができるようになっています。

 

なお、先日Ciで行われたDentbirdお披露目の大阪でのセミナーに参加してきましたが

無料期間が終了した後も、海外では4ドル、多分500円程度で利用できるようになる予定

とのことでした。

 

個人的にはとてもピッタリな価格設定だと思います。

3ShapeのAutomateが、最安で1.599 ユーロ、240円くらいでしょうか。

ただしサーバー負荷低減のためかAIの出力まで1晩かかります。

 

ただチェアサイドでのワンデイ用途では使用できず、またAIの出力したクラウン形態が

イマイチ出会ったとしたら、再度の出力までまた1日かかります。

(値段を多く払えば5分で出力できます)

また、Automateは大臼歯と小臼歯のみの対応です。

 

Dentbirdであれば、均一価格(今は無料!)で、操作込みで5分もかからないで

クラウン作成ができます。

ちょっとサーバーが重く読み込みが遅いのが難点です。

 

現在進化中で犬歯、前歯、2本以上の連続したクラウンにも対応してきています。

(ブリッジや連結冠は今後対応予定とのこと)

 

実際の動作について

基本的には模型を読み込めば、操作は不要です!

自動で上下模型を判断し、支台歯を判別し、マージンを引いてくれます。



 

マージンを確認し、操作を進めてもらうと、

勝手に内面処理を行い、ワックスアップからクラウンを作成してくれます。

 

 

ここでも、形態と咬合接触強さ、コンタクト接触強さを確認するくらいで

ドクターはやることがありません。

 

上の画像はデモ動画のキャプチャですが、本当にこの通りでマージン引きから内面設定、

クラウン作成、コンタクト調整なども行なってくれます。

しかもしっかりとバイトさえとっておけば、口腔内では無調整か、微調整(数分)で

調整が終わることを確認しています。

 

1、2症例ではなく、ここ最近の20症例以上がこの調子です。

 

技工士さんにとってみると、あとはミリングしてステインと調整のみになります。

このミリングさえも、ミリングセンターで削り出しとシンタリングまでお願いすれば

小さなグレーズファーネスとステイン材のみでデジタル技工が行えるようになります。

 

 

まとめ

ChatGPTや画像生成系AIの登場により、ここ数ヶ月は一気に時代が変わっているのを感じます。

AIに任せるのではなく、AIを使って今までの業務を簡便化するのは

今後の業務改善・生産性向上には避けて通れない道になると思います。

 

歯科の世界にもCTのセグメンテーションやAIクラウン製作、CT上での自動インプラント設計

などなど、思ったよりも早くAIの恩恵が受けられるようなソフトが生まれています。

 

あとはドクターにとっては、しっかり形成しAIにマージンラインを見せてあげて、

AIが完璧に仕上げたバイトが浮かないようしっかりとセメンテーションし、

またAIの設計したインプラントポジションにAIの作成したガイド通りに埋入する。

その辺りの精度向上が今後の仕事の注力すべきことになるかもしれません。

結局のところ手先の技術職であることは変わらないかもしれませんね。

 

週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。