3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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今更ですがElegoo Mars 5 ultra使用レビュー

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はsakana.aiなどAIの進化のニュースを紹介し、

将来の仕事がどのようになっていくのかをあれこれ考えてみました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、 発売からしばらく経っており、今更にはなりますが

Elegoo Mars 5 ultraというElegoo社の最新の3Dプリンターについて紹介します。

 

よろしくお願いします。

 

Elegoo社の3Dプリンターについて

Elegoo社はホビー用の 3Dプリンターとして低価格で高性能なことから

人気を集めるMarsシリーズなどの安価な3Dプリンターとレジンを販売している会社です。

 

価格が導入しやすいだけでなく、パーツや消耗品もAmazonで手に入ります。

本体も小型で設置しやすく、投入するレジン量も少量で済むので

大型のプリンターを購入するより、ランニングコストも抑えられます。

 

そのため 3D歯科 も 3Dプリンターのデビュー機として購入し

今も複数台のプリンターで様々なレジンをテストしています。

 

また、この会社は新製品をどんどん投入することで有名です。

2〜3年前は、制度や速度がどんどん向上したので、その度に

新製品を購入する価値があると思いましたが正直なところ、ここ1年間位のプリンターは

精度や速度では既に満足いくものになっています。

 

そのため、また新製品が出ても購入しなくてもいいかなとは思っていたのですが

今回の商品が3Dプリントの設計そのものから変更がされていたので

面白そうだったので購入してみました。

 

新製品Elegoo Mars 5 ultraについて

最新のプリンターElegoo Mars 5 ultraは、 本体サイズはMars3やMars4よりも

一回り大きくなってしまっており、重量も重たくなっています。

ですがプリント可能な範囲・大きさはあまり変化がありません。

 

Marsシリーズは歯科専用かと思うくらいにサイズ感がよく、

大きめの歯列アーチ4つ分の模型や、上顎義歯2つ分が水平配列で同時プリントが可能です。

 

どちらかと言うとこの機種は、プリントの精度や速度よりも

セルフチェック機能による自動レベリングや

チルトリリース技術と言われる。レジン、バット自体も上下に稼働して

プリントした層から プラットフォームの剥離を手助けし

高速プリントが可能になったり、プリント途中にレジン溜まりができないことによる

高精度化を図っていることがこの機種の魅力になります。

 

実際に使ってみたレビュー

まずは本体を開封してパーツを取り付けます。

本体カバーのフイルム?のようなものはいつもそのまま使っています。

どうせ使っているとレジンベタベタの手で触ってしまいカバーが汚れるので・・・

 

電源を投入したら、3Dプリンターを購入してすぐに行う「レベリング」作業を行います。

Z軸(上下運動)のズレがないように、A4のコピー用紙などをプラットフォームに挟み

均一に引き抜けるか(咬合紙みたいですね)確認の上ネジを固定する、という

一連の儀式が3Dプリンター購入後は必ず必要です。

 

・・・必ず必要だったのですが。驚いたことにこの機種では完璧にレベリングフリーです!

 

説明書を読んでもZ軸レベリングの項目すらありません。

なんと本体のメカニカルセンサーが感知して動作中や電源投入後に調整?がされて、

レベリング不要とのこと。また、レジンバット自体が上下するので

従来のレベリングもそもそも不可能な仕組みです。

若干故障に弱そうではありますが、この価格なら良いでしょう!

 

またプラットフォームを固定する部分が、スクリュータイプからロック式に変更されました。

 

これは微妙にありがたいポイントで、例えば疲れてぼんやりしていた時や

スタッフに操作を任せた時などには、スクリューが緩んでいたり位置がずれていたりして

大事故(ずれたプラットフォームがレジンバットのフィルムを破壊してしまう等)が

起こってしまうこともありました。

 

 

早速歯科的なものもプリントしてみました。

楽天で購入できるTEKレジン、Harzlab Dental Sand A2です。

なんとすでに公式のMars 5 ultra Chitubox用のパラメーターが公開されており

サポート形態などを多少調整すると、すぐにプリントができました。

 

 

プラットフォームを外して模型を確認する時、気になるのはレジンがポタポタ垂れることです。

非常にアナログな方法ですが、ポタポタするレジンの受け皿まで同梱されており、

結構便利に使用できます。どうしてもプリンター周りは汚れやすいですからね・・・

 

プリント結果はこんな感じ。

 

右下7のインプラント用ガイドです。TEKをプリントするより難易度が高く、

精度が確認しやすいのでよくテストプリントで使います。

 

写真を撮り忘れましたが、ガイドキー(金属製・ストローマンガイド用)は入りましたが

ちょっとキツイ感じでした。ここから重合時間などは詰めていく必要があります。

 

プラットフォームから剥がすのはいつも通りスパチュラのようなものが必要です。

最近はSHINING3DのFabWash(オートカット機能がついている)をよく使うので

剥がす操作を人の手で行うのも面倒に感じてしまいますが・・・このプラットフォームは

Mars4あたりから改善され、プリント中には剥がれにくく、プリント後には外しやすいです。

 

レジンによってはまだまだパラメーターが開発されていなかったり、

公開されていないので歯科用レジンはほとんどトライしていませんが、

全体的にみて価格を考慮すると とても優れたプリンターです。

 

中でもレベリングフリーが素晴らしく、初心者にこそおすすめなプリンターです。

 

まとめ

今回は発売後しばらく経ちましたが、Elegooの新製品であるMars 5 ultraをレビューしました。

 

純正のハイスピードプリントをうたうレジンを使用すればかなりの高速プリントも可能で

参考模型作りなどに1台で1日何回もプリントしたい!という用途であれば

非常に優れたモデルだと思います。

 

すでに完成されてきたように感じたモノクロの3Dプリンターですが、

このように工夫などで進化を目にすることができてとても嬉しいです。

 

 

さて、告知にはなりますが・・・

IOSやMetiSmileのようなフェイススキャン、CT、プリンターについて

1日楽しくデジタル機器を触ったり活用方法を紹介したりするイベントを行います。

 

Ciメディカル主催にてクラフトデンタルさんと協力して新大阪でセミナーを行います。

 

当日にスキャンのコツや3Dプリント模型の作成・Dentbird等によるTEKデータの作成

TEKのプリントなどの実習を行う予定です。

 

製品の紹介ももちろんですが、マニアなことも色々とお話ししたいと思っていますので、

お時間ある方はぜひご参加いただけますと嬉しいです!

よろしくお願いいたします。

 

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。