3D歯科 のデジタル歯医者入門

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デジタルを活用したコピーデンチャーテクニック②(無料ソフトMeshmixerで行うコピーデンチャー作成 編集編)

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、患者さんの使用するフルデンチャーをお預かりし

数分でスキャンした後、お返しする方法をお伝えしました。

 

今回はスキャンで得られたSTLデータの加工と

3Dプリントする際のヒントをお話しします。

 

Meshmixerでのデータの穴埋めや修理の方法は、

他の用途でMeshmixerを使う場合も頻用するので

ぜひ覚えてみていただければと思います。

 

よろしくお願いいたします。

 

Meshmixerでの編集、加工

さて、先生方の手元には義歯をスキャンしたSTLデータがあるはずです。

患者さんをお待たせした上で、限られた時間でスキャンしているので

小さな穴や印象エラーがあるかもしれません。

 

まずはMeshmixerでデータの整理をします。

基本的にはすぐ終わりますが、エラーが大きい場合は時間がかかります。

結局のところ、スキャンを丁寧にやることが作業時間を減らしてくれるのですが

次の予約時間や、患者さんを待たせないようにと焦ってしまうと

実際には難しいものだと思います。

 

データの編集、修理

まずは小さな穴を埋めます。これは自動で行えます。

やり方は、Meshmixerにて

1、左のタブにて「解析」→「検証」

2、穴埋めモードを「スムーズな埋め」

3、「すべて自動修復」

以上です。

処理後にstlデータをエクスポートしてください。

 

ポイントはスムーズな埋めで行うことです。

カクカクの処理でコピーデンチャーを作ると、

患者さんが痛がってしまう可能性が増えます。

 

もし修復量が多い場合は、別の方法があります。

これに関しては改めてnoteの方でも更新予定です。

 

ChiTuBoxでの処理

次いで行うのは、ChiTuBoxでの作業です。

今回は完全な義歯のコピーを作りますので、

特別な操作は必要ありません。

 

まずはstlデータをインポートします。

次に、義歯を回転させ、プラットフォーム側に粘膜面を向けます。

ここがポイントです。

 

コピーデンチャーは人工歯付きの各個トレーとなります。

各個トレー内面はさらに印象材が入るため、

そこまでの精密さは不要です。

アナログ技工でも、パラフィンワックスを敷いて

スペーサーを付して作成するはずです。

 

代わりに、人工歯部分はすでに十分調整された咬合が再現されるべきです。

プラットフォーム側には、どうしても3Dプリントの際のサポートが

ついてしまうので、再現精度が落ちたり、

咬合面に凸凹ができてうまく噛めません。

 

そのため粘膜面をサポート側にして、

もし出力後に凸凹がうまく取りきれなければ、

リベースをするときのように、一層削除すれば良いのです。

 

こうしてサポート付与したのちに、3Dプリントします。

通常の模型と違うところは、出力面が「面でカット」されておらず

照射時間を誤ると、プラットフォームに義歯の一部が固着してしまいます。

そのため、出力時間に余裕があれば、サポート付与画面にて

「Zリフト高さ」を、6mm程度まで通常より多めに設定すると

出力後も剥がしやすくなります。

 

まとめ

今回はコピーデンチャーの簡単な3Dプリント方法を紹介しました。

先に書きましたように、コピーデンチャーは咬合が付された各個トレーとして

使用するので、精度は大体で問題ありません。

 

レジンに接着剤を塗布して、シリコン印象材を入れ、咬合させれば最終印象です。

ですが、各個トレー内面はスペーサーやストッパーを付与するはずです。

もちろん出力後の3Dプリントモデルを削合してスペーサーを作ることもできますが

3D歯科 は、Meshmixerにてスペーサーもストッパーも付与しています。

この方法はこちら(現在作成中・・・)にて紹介しています。

もしご興味があれば読んでみてください。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。