3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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Revopoint POP3 登場!フェイススキャン検証 POP3&POP2

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はクリアコレクトのマウスピースが届かない問題に対応すべく、

インハウスアライナーに挑戦したことをお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

クリアコレクトの関税で止められる問題は西日本だけだったようですが、

営業の方からも、どうにかそろそろ解決するということを聞き、

心からホッとしているところです。

 

今回は、Revopoint POP3がようやく届きましたので、

早速フェイススキャンとして利用してみましたのでレビューします。

よろしくお願いします。

 

フェイススキャンの利用

今までにも何度も記載させていただきましたが、フェイススキャンは日常臨床で

とても有用だと感じています。

 

昔はBellusのiPhoneアプリで簡単に行なっていましたが、

精度向上やBellus開発中止により、 3D歯科 はRevopoint製のスキャナーを

フェイススキャンとして日常臨床で使用しています。

 

主な用途は矯正治療の診断利用、全顎補綴や審美歯科、

さらにはフルデンチャーの排列にとても有用と感じています。

患者さんの目鼻立ちを見ながら、ワックスアップや歯の配列を設計できるのは

セット時の患者さんの反応を大きく改善することにつながります。

 

昔は顎関節位置をフェイススキャンから推し計り、咬合器調整に使用していましたが

仲間の技工士さんが(そこまでやるのは趣味の範囲で)平均値咬合器でOKでは、

とお話しされていて実際に臨床でトラブルがないので、

デジタルフェイスボウとしての使用はあまり行わないようになっています。

 

ここは全顎補綴にて技工士さんに行なっていただくオペレーションで、

高効率・短時間で最大限の効果を得ようとすれば、

フェイススキャンは審美の確認、咬合平面の確認、ワックスアップへの利用で

十分なように感じています。

 

なお、この用途であれば、Revopointのスキャナーで「1秒スキャン」が可能です!

診療において作業や時間を取られるシステムは、だんだん使用しなくなってしまいます。

準備30秒、スキャン1秒程度であれば、忙しい現場に取り入れることも

可能では無いでしょうか。

 

Revopoint POPシリーズ

RevopointはPOPシリーズ、Range、Miniの3機種に分かれます。

それぞれ、スキャン対象が 中・大・小 型の大きさのものになっている。

 

フェイススキャンでは全機種使用しましたが、POPシリーズが一番うまくいきそうです。

 

Rangeは全身スキャンが必要な時に(歯は解像度が不足して完全に潰れる)

MINIは口腔内スキャンや模型スキャナーがあれば不要?(フェイスではスキャンが大変)

POPだと歯も顔も満遍なく撮影できます。

 

ただし、どのスキャナーも口腔内は暗く、細かな凹凸が多いので

こういったスキャナーは撮影が難しいです。

 

そのため、歯だけを使用してフェイススキャンと口腔内スキャンをマッチングするというより

口腔内スキャンで歯と鼻あたりまで撮影しておき、

フェイスデータの歯列部分、鼻あたりの両方でマッチングさせることで

トラブルが少なくなります。

 

実際にPOP3&POP2で比較

さて、POP3がどのくらい進化したのか、POP2と同条件で比較してみます。

スキャンするデバイスiPhone XSです。院内にて口腔内の簡単な撮影にも使用しています。

 

スキャンアプリを最新にアップデートして、

自然光の状態で2機種を1から2秒以内でスキャンしてみました。

 

↓結果がこちらです。左がPOP3、右がPOP2です。

もちろん両方とも目元まで撮影できています。

この範囲のスキャンは1秒程度で十分可能です!

これが口腔内スキャンだけで目鼻立ちを全てスキャンするのでなく

POPシリーズのようなフェイススキャンを別途活用する利用です。

圧倒的にチェアサイドのストレスが減ります。

 

POP3ですが、POP2とのハードウェア的にはサイズ感も大きく差はありません。

POP3はビルトインのライトが新しく搭載されています。

 

 

今まで外部ライトを当ててスキャンを行なっていましたが、内蔵ライトで十分フェイススキャンできます。

上のスキャン結果も自然光状態でスキャンの荒さに差がありますが、

適切にライティングされているかどうかが大きいです。

 

POP3のスキャンデータは、ライトが口腔内まで入ることにより、

歯列のアーチがおおよそにスキャンされます。

これにより、POP3は1秒程度のスキャンで前歯部犬歯間と小臼歯部アーチを

マッチングポイントにして、口腔内スキャナーによる歯列データとマッチングできます。

 

↓このマッチングデータはB4D(Blender for Dental)を使用して歯列とフェイスを重ねています。

追加データ(鼻を含むスキャンなど)を不要にできるのでチェアタイムを短縮できます。

 

ただし、複数のフェイススキャンをとってみると、フェイススキャン内の歯列部分だけを

マッチングポイントとした場合は、スキャンデータにばらつきが出てしまいました。

↓はPOP3での複数のフェイススキャンを重ねた状態です。

 

上下的なずれが出ていることがわかります。

ただし、歯列アーチを含んだフェイススキャンにより、POP3のスキャンは

左右へのズレがほとんど無いと感じています。

 

おおよそのデータとりや、患者さん説明用などでは1秒スキャンと口腔内スキャンで

十分になりそうです。

 

ただしインサイザルエッジポジションの決定や、審美歯科の診断では、

やはり鼻を含む口腔内スキャンのデータを併用することや、複数回のフェイススキャンで

重ねて信頼性を上げておくなど、工夫は必要になりそうです。

 

まとめ

今回は注文してから、今か今かと到着を待っていたRevopoint POP3を簡単に紹介しました。

価格的には、これから購入するのであればPOP2とほぼ同等なので、

迷わずPOP3を購入することをお勧めします。

 

口腔内スキャンを持っていれば、MINIはあまりメリットを感じませんでした。

Rangeは歯を取るには精度が不足でした。

POP3は歯科でのフェイススキャンで(低価格スキャナーの中では)最もお勧めです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。