3D歯科 のデジタル歯医者入門

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口腔内スキャナーと、それ以外のSTLデータのマッチング方法

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回までにRevopointスキャナーについて、フェイススキャンとして使用可能なことをお話ししました。

 

今回は、フェイススキャンなどのデータと口腔内スキャナーのデータとの連携、

マッチングについてお話しします。

よろしくお願いします。

 

フェイススキャンを撮影後に

さて、フェイススキャンを取得するとデータはSTLやPLYで出力できます。

それぞれ、

 

STL

口腔内スキャナーやほぼ全てのCADソフトで扱える汎用性の高い拡張子です。

2D画像でいうJPEGのようなもの。ですが画像データに色情報はありません。

 

PLY

STL+カラー。というイメージです。多くのスキャナーでエクスポートできますが、たとえばデンツプライシロナのPrimeScanはPLYのエクスポートができません。

 

と言う特徴があります。

3Dファイルの標準ファイルはSTLです。

フェイススキャンはフルスマイルとスマイル時の、上顎歯列が見える状態のものを取得します。

 

フェイススキャン以外に必要なファイル

通法通りの上下の口腔内スキャンとバイトを取ります。

その上で、上顎歯列と鼻周囲までの連続したスキャンを取ります。

 

鼻周囲を含んだスキャンは、上顎前歯部のスキャンから始めます。

唇側面のみでOKです。

 

上顎前歯を取りつつ、上口唇をスキャンします。

そのまま鼻翼をしっかりスキャンし、可能なら目元までスキャンします。

 

これらは普段お使いの口腔内スキャナーで十分可能です。

コツとしては、マッチングから外れたらすぐに上顎前歯唇側面に戻ること

手早く行って患者さんが上口唇を動かさないようにする、

あるいはアングルワイダーで固定しておきアングルワイダーもスキャンして

マッチングポイントとして使用する、などが挙げられます。

 

マッチングの手順

必要なファイルが揃ったら、マッチングさせていきます。

1、口腔内スキャン

2、鼻を含んだ上顎前歯スキャン

3、フェイススキャン

それぞれ、1つずつマッチングさせていきます。

 

まずは1、の口腔内スキャンの前歯部と、2、の上顎前歯をマッチングさせます。

 

もしここ使用ソフトや口腔内スキャナーのクセでマッチしにくければ、

2、の鼻を含んだスキャンは、上顎前歯から鼻をスキャンした後、

上顎前歯から上顎歯列全体(開口させて)をスキャンすると、ほぼ間違いなくマッチします。

 

次に、2、の鼻部分に向けて3、のフェイススキャンの鼻部分をマッチングさせます。

 

この時に動かすのは3、のフェイススキャンの方です。

このマッチングが、重なる部分が少ないためにソフトによってはうまくいきません。

現状、Medit Designでは精度が高くなりません。

B4DのICP Alignmentモジュールを使用するか(非常に安価で強力です)

MeshLabと言う昔からのフリーソフトを使用しても処理できます(非常に癖のあるソフトです)

 

これにより、1、の口腔内スキャンに3、のフェイススキャンが重なれば完了です!

 

必要なら3、フェイススキャンにCTの顔貌を重ねることで、

CT骨データも結果として口腔内スキャナーに重なります。

CTの場合は、歯が動揺なく存在する場合は歯列データと直接CTの歯をマッチさせてもいいです。

 

この歯の動揺と言うものがくせ者で、SNAPのようなバイトプレートで別で採得するバイトと

歯列データをマッチングさせるような機器では、歯の動揺で歯列全体が動いていると

大きく傾いたりずれてしまいます。

Revopoint POP2では、口から覗く前歯もしっかりライトを当てると

フェイススキャンと同時にデータを取得できるので、動揺歯を圧迫しない状態でマッチできます。

 

まとめ、フェイススキャンの有効性

これは今までもお話ししましたが、しっかりしたフェイススキャンを高精度で取得すると

口唇からどのくらい前歯を見せるか(インサイザルエッジポジション)を決めたり

全顎補綴で咬合平面を決定する助けに使用したり

フェイスボウの代わりに上顎歯列のマウントに使用できます。

 

特に前歯部の審美症例や、アライナー矯正治療、また最近では上下無歯顎の総義歯治療に

非常に楽しく有効活用しています。

 

上下の義歯では日常診療でどんどんフェイススキャンを取り入れており、

従来の咬合平面版の代わりもなるのではないかと思っています。

そのうちに具体的な活用方法がまとまりましたらご紹介いたします。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。