みなさんこんにちは。
3D歯科 です。
今月はダイレクトボンディングを深掘りします。
今回から全4回で、デジタルを利用したダイレクトボンディング
についてお話しします。
よろしくお願いします。
いつものCRの守備範囲を増やす
わたし 3D歯科 にとって、一番身近な治療はCRです。
おそらく先生方にとってもCRを触らない日は少ないのではないでしょうか。
いわゆる小さな虫歯を充填する治療として利用することも多いですが、
このアイテムを使い始めてからCRの臨床の幅が増えました。
インプラントのスクリューホールに填入するために導入しましたが
海外の先生を中心に、セレクティブエッチングの際などに使用しているのを見て
CRに活用し始めたところ、非常に使い勝手が良かったので、
まだ使用していない先生はぜひ低価格なのでお試しください。
(オートクレーブ不可、ガス滅菌か消毒などで先生の判断で使用してください)
使用方法としては、隣接面にテープフロスのように挟み込んで
エッチングやボンディングが予期しないところにつかないようにします。
そうすると隣接面までCRをしっかり充填しても、重合後に
スケーラーではじくとボンディングしていない余剰CRだけが
上手く取れてくれてコンタクトが詰まってしまう心配がなくなります。
さらにこれを、大臼歯のO窩洞に活用できます。
通法どおりにボンディングを終えた後に、多めにペーストCRを埋め
テフロンテープを咬合面に乗せて、患者さんに咬合してもらいます。
それにより裂溝の外形がペーストCRに付与されるので、
あとは咬合調整だけで済むようになります。
ぜひ臨床に取り入れてみてください。
インジェクションモールド
さて、このテフロンテープですが、ダイレクトボンディングのテクニックである
インジェクションモールドに必須になります。
カリエス除去前の模型やワックスアップから取得したクリアシリコンを
形成後の歯に適合させ、そこにフローレジンを流し込みます。
この時に予想しないところにフローレジンがくっつかないように
テフロンテープで保護します。
薄く、賦形しやすいのでCRがずれたりする心配もありません。
リバースエンジニアリング
先ほどお伝えしたクリアシリコンを作成する際や
前歯CR用のバックウォールを作成したり、シリコンインデックスを作るとき
歯の形態を患者の元の状態から変更しないといけないこともあるでしょう。
その際に、アナログでは、模型を起こしてワックスアップします。
CRで犬歯ガイドを付与したり、大きな窩洞をCRだけでビルドアップする際は
フリーハンドでのCRは(よほど先生方に技術があれば別ですが)
チェアタイムを考えるとなかなか厳しいものがあります。
しかしワックスアップした模型からシリコンを作成しCRを填入すれば
それこそ一瞬でCRが終了します。
この模型製作をデジタルを活用して作成する方法を紹介していきます。
もちろんアナログでも出来るのでしょうけど、例えば
治療前の状態を保存しておき、もし患者さんが事故で歯が欠けても
デジタルにて保存したデータからすぐに3Dプリント出力し
その模型から元の状態を復元するということが容易に行えます。
これはデジタルデータで保存しておくメリットでしょう。
さて、リバースエンジニアリングという言葉があります。
ものづくりにおけるリバースエンジニアリングとは、製品の先行イメージとして作られたクレイモデルや、既に現物がある製品などの形状データを測定し、それをもとにCADデータを作成する(“起こす”)ことである。
(ウィキペディア)
特に歯科でのCADでは、治療後の状態を先にデジタル上で作っておき
それに至るための模型を作ったり、シリコンインデックスを作成することを指します。
DSD(デジタルスマイルデザイン)において、写真データから
理想の顔貌に調和した歯牙形態を決定し、CADに反映させる際にこの言葉が
よく使われるようです。
このリバースエンジニアリングの工程を、
患者写真からの診断、ワックスアップ、シリコンインデックス作成という流れで
深掘りしていこうと思います。
今回の内容は以上になります。
長い文章でしたが最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。
今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。