3D歯科 のデジタル歯医者入門

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口腔内スキャナーがいよいよ手頃な価格で入手可能に!TRIOSからはTRIOS Coreの登場

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は補綴を絡めた矯正治療について、インハウスアライナーを上手く活用する方法を

紹介させていただきました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

 

今回は、大手メーカーから登場した口腔内スキャナーの廉価機について取り上げます。

よろしくお願いします。

 

PrimeScanとTRIOSの廉価版登場

2年ほど前にPrimeScanの廉価版として、ラップトップ接続のPrimeScan Connectが登場し

去年のワールドデンタルショーでも(やや控えめに?)展示されていましたが、

今回新しくTRIOSシリーズからも廉価機器のTRIOS Coreが発表されたようです。

本国にて12,400ドル。

日本国内に入ってきたら、代理店の取り分も考えると200万円を切るのは難しいでしょうか。

円安は厳しいですね・・・

 

しかし、とにかく200万円〜250万円のレンジに、

いわゆる名門・大手の口腔内スキャナーブランドが揃ってくる形になりました。

 

PrimeScan Connectも国内値下げの情報も耳にしましたし、

PCを別売りで考えると200万円前後で定評のあるスキャナーを購入できるようになりそうです。

 

廉価版:スキャン機能はそのまま、ソフトは省略

TRIOS Coreについては、中身としては調べた限りではTRIOS 3と同等のようですね。

TRIOS 3は今も使用している先生も多いと思いますが

Medit i500発売前あたりまで、PrimeScanかTRIOS3を導入するかで

悩まれていた先生も多いと思います。

 

スキャンスピードや精度などは多くの先生が使用していて心配する必要もないかもしれません。

TRIOS 3は本国ではインビザラインに送信可能ということでまだ販売されていましたが

日本ではそもそもiTeroでなければインビザラインを症例送信できないので、

おそらく国内ではTRIOS 3は全てTRIOS Coreに置き換わるものと思います。

 

TRIOSシリーズはSTL ,PLYエクスポートにも対応しているようですので、

ほぼ全ての外部ソフトと連携できると思います。

PrimeScanはSironaConnectを使用してデータ送信をしない限り、

STL(色なしデータ)しか扱えないので、一部の矯正用ソフトや

例えばMetiSmileのような機器と一緒には使用できません。

 

ただし、3Shapeが有料でオプション販売していた各種ソフトは

TRIOS Coreでは使用できないようです。

現在のところ様々な歯科用ソフトが安価で、サブスクなどでも利用可能になったので

外部ソフトを使用するか、単に印象材の代わりにスキャンだけを行う用途であれば

とても良い選択肢になるかもしれません。

・・・国内価格によっては、ですが。

 

 

 

個人的な懸念事項

3D歯科 はPrimeScan、Medit i700、Aoralscan3を使用しており、

現在Medit i700とAoralscan3を診療のメインで使用しています。

 

ですがPrimeScanを時々使用すると(チップは大きいのですが)FOVの大きさのメリットを再認識する、つまり一気に取れるスキャン範囲が広くてスキャンしやすい、

5年前に購入した機器ですが今も第一線で使用できるのはありがたいと感じています。

 

これはコストよりも機能向上を目標に製品開発がされたためであると思いますので、

初期投資は大きかったですが結果的に長く使用できておりメリットも大きかったと思っています。

 

ですが、TRIOS Coreもそうですが、安価で通常診療で「普通に」使用できるスキャナーが

これからも登場すると考えると、いわゆる高価格帯の製品は開発されにくくなりそうです。

 

これからスキャナー本体で550万円、CADソフト搭載で700万円!という

ものすごく高精度のスキャナーが登場しても、

150~200万円で「普通に」使用できる機器が市場に多くの選択肢がある中では

受け入れられるとは思いません。

 

そうすると、例えばソフトウェアを強化して付加価値をつける、

つまりAIスキャンフィルターをさらに強化したり、

AIによるクラウンCAD、本格的な矯正セットアップが作成できるソフトを付属するなど

ハード以外での戦いになることもあるかもしれません。

 

ですが、ソフトの開発はコストがかかるため

本体が売れなければなかなか上手くいかなくなると思います。

 

そのため、TRIOSのようなブランド力があるメーカーが

低価格のスキャナーをリリースすると、もしかするとそこからさらに中国・韓国メーカーが

価格競争に参入してきて、100~150万円程度で「普通に」使用できるスキャナーが

増えてくる可能性も十分に考えられます。

 

そうすると大手メーカーはソフト開発を行う余力がなくなり、

ハードでもソフトでも戦えなくなる・・・

そのような将来を個人的には懸念しています。

 

IOSはもう少ししたら、かつてのCRの光照射機の値崩れのように

とりあえず「普通に」使用できるスペックのものであれば

数万円〜十数万円で手に入るところまで進んでいくかもしれません。

購入する側からすれば短期的には嬉しいことですが、長期的にはもう少ししたら

進化が止まってしまい楽しみが減ってしまうかもしれないですね。

 

まとめ

とにかく、日本国内で保険収載もされた口腔内スキャナーが、

低価格な選択肢が増えてさらに導入が進むのは間違いなさそうです。

 

テレビの歯科についての番組などでも口腔内スキャナーが頻繁に取り上げられたりと

だんだんと日常診療の一部になりつつあります。

新患の方に口腔内スキャナーで撮影し説明して「すごい!』と言っていただけるのは

もしかすると今だけかもしれません。

 

ぜひ今のうちに、口腔内スキャナーを導入してデジタルの急激な進化に対応しましょう。

 

 

ここでひとつ告知をさせていただきます。

SHINING3D Dentalと協力させていただいてDoctorbookでAoralscan3を義歯ケースで使用する内容をお話しさせていただきます。

ウェビナー自体は収録したものですが、20:30ごろからライブの質疑応答の時間があります。

Doctorbookのアカウントがある方でしたら無料でご覧いただけますので、

もしお時間がありましたら7/3水曜のよる、ご覧いただけると嬉しいです。

 

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

 

よろしければ見ていただけると嬉しいです。