3D歯科 のデジタル歯医者入門

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MeditスキャナーとMeditLinkソフトウェアの紹介③Medit i700とSirona Primescanの比較

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は進化を続ける口腔内スキャナー、Medit i700の接続や

ソフトの使用準備についてお話ししました。

 

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は 3D歯科 の手元にある2台の口腔内スキャナー

Primescanとi700を簡単に比較します。

購入を考えている方はぜひご確認ください。

よろしくお願いいたします。

 

ハードウェアの比較

まずは簡単に口腔内スキャナーのワンド、チップ部分の比較からです。

写真で見るとこの通り。

写真で見ると思ったより大きさは変わりません。

Medit i700の方が全体的には細く、把持しやすいです。

チップの大きさはこのような比較になります。

 

写真だけでは同じようなサイズ感に見えてしまいますが、

チップ先端の厚みが体感で半分近くになっており(Meditが小さい)

最後方臼歯の遠心面のスキャンはPrimescanよりも

Medit i700が圧倒的にやりやすいです。

 

そのため、このようなスキャンが必要になるアライナー矯正の目的には

Medit i700にメリットがあるかもしれません。

 

また、写真ではわからない重さに関しても、

体感ですがMedit i700はPrimescanのワンド部分の半分以下のような重

になっており、i700を使用後にPrimescanを持つと、思わず落としてしまいそうに

なることがあります。本当にi700は軽量です。

 

スキャン速度の比較

さて、非常に大事なポイントですが、スキャン速度について私感を述べたいと思います。

 

咬合面スキャン

まずは診断用模型、患者さん説明用画像としての利用では、

はっきり言って同等の速度が出ると思っています。

 

Primescanは高速・高精度を謳うモデルで確かに高速ですが、

Medit i700も思っていたよりもスキャンスピードは優秀です。

 

先日触る機会のあったiTeroの最新モデルと比較してもi700が早く、

表示される画像もi700の方が綺麗でした。

 

隣接面スキャン、支台歯スキャン

凹凸があったり、見えにくい(スキャンしにくい)ところがある場合のスキャンでは、

圧倒的にPrimescanが高速になります。

 

Medit i700ほか、多くのスキャナーでは

チップの先がとらえた画像そのものを記録するため、

凹凸がある隣接面や、影になる部分は

チップの先をこまめに向きを変え、文字通り、カメラ撮影をするように撮影するため

どうしても抜けが多く出てしまい、結果的に再スキャンや時間をかけてスキャンを

行う必要が出てしまいます。

 

対してPrimescanはワンド内でフォーカスを合わせる部分が絶えず動いており

同じ部位にチップを当てたままじっくり待っていると、

勝手に隣接面の凹みや、フォーカスの合わなかった部分などが

記録されていくというメリットがあります。

 

これによりスキャン速度は早いPrimescanですが、じっくりとチップを動かすことで

何も考えず、歯列の細かいところまで認識してスキャンしてくれます。

 

例えると電動音波ブラシと手磨きの歯ブラシのようなイメージでしょうか。

当てて時間を待てば磨けるものと、細かく動かす必要がある歯ブラシ。

慣れればもちろんどちらも使用に耐えますが、やはりPrimescanが楽に感じてしまいます。

 

バイトスキャン、マッチング

これについても、慣れの部分もあるのかもしれませんが

Primescanではバイトや重ね合わせのマッチングの認識が非常に高速です。

Medit i700は意識してバイト撮影部位をキレイにスキャンしておかないと

マッチングせず再スキャンが必要になることがしばしばあります。

 

スキャナーが迷子(連続して撮影していてもスキャン部位を認識できなくなる)になっても

Primescanはほぼインターバルなく、スキャンがうまくいけば下の部分に戻りますが

Medit i700では迷子になる時間が長く、きちんと認識してもスキャンが進むまで

体感で1秒ほどのマッチングする時間がかかっています。

そのためスキャン操作が上達しているドクターはいいのですが、

使用を覚え初めのスタッフに関しては、スキャンエラーが積み重なっていき、

うまくスキャンがキレイに仕上がらないことも多いようです。

 

また、Primescanはオープンバイト(CRバイトなどの用途)で簡単にマッチングしますが

Medit i700では工夫が必要で、いつも簡単にできる、というわけではなさそうです。

トリオスを使用している先生も、CRバイトのスキャンではバイト材を噛ませて

バイト材ごとスキャンしてエラーを減らしているようなことも言っていましたので

Primescanのみがこの辺りはメリットが大きいのだろうと思っています。

 

まとめ

用途を絞れば十分に使用でき、スキャンスピードも早いことがわかったMedit i700。

もちろん補綴の精度も問題ないとは思います。

ただし、スキャンデータをエクスポートしたものをCADのメッシュで確認すると、

このように、それなりに精度に差があるのであろうことがわかります。

(上がMedit i700。下がPrimescan。点の多いほうが高精度)

 

ただし価格的には倍近くも差がありますので、丁寧にスキャンをして

また、ソフトを使いこなすことができれば

Medit i700は1台目としても非常に優秀なのではないかと思います。

 

ですがジルコニア補綴を多く行い、予算にゆとりがあれば

やはりPrimescanは良いものです、とお伝えしたいです。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

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