3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

このブログで紹介されるリンクの一部はアフィリエイト広告を含みます。 リンク先での購入者に方には影響はありませんが、ブログ運営者に広告収益が入ります。

デジタル技工の強い味方、レジン表面滑沢硬化剤について

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回は、今後近い将来に起こりそうな歯科界の変化について記載しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、デジタル技工を院内で行う際や、

ダイレクトボンディングを行った後に活用できる

レジン表面滑沢硬化剤についてお話しします。

 

よろしくお願いします。

 

レジン表面滑沢硬化剤について

表面滑沢硬化剤、と記載すると何やらゴツいですが、

例えば形成後の象牙質にぬるハイブリットコートなどのように

光重合で表面を保護する膜を作るイメージです。

 

古くは技工ではマウスピースの滑沢材や義歯のコート材などが使用されてきましたが

これらは口腔内では使用できず、 3D歯科 の知る限りではラボで使用し

ラボでの重合器で完全に処理してから医院に届けるというようなものでした。

 

ただ、最近の商品は口腔内使用できるものが増えてきており、

非常に臨床で使用しやすくなっています。

 

GCナノコートカラー

ナノコートカラーは、その名の通り、レジン系の素材にステインをする目的のものです。

CRした後に歯頸部にステインを施したり、

すでにセットしたCAD冠やレジン前装冠の口腔内での色直しでも役立ちます。

 

上顎臼歯のインレーの隣接面の金属色がどうしても気になる、と言われたら

(保険でもCADインレーはありますが、患者さんが麻酔を希望しないとき)

オペークCRを薄く塗ってから、ナノコートカラーで色付けしてとても喜ばれたこともあります。

 

ドクターは色を合わせるなら、つい再製作を前提で考えてしまいますが

患者さんは、少しだけなんとかしたい、という希望を持って

被せ物を外すほどのことを望んでいないこともあります。

 

問題が見た目だけで、予後に関与しないのであれば

口腔内使用可能な、保険診療下でも使用可能な、この製品で

患者さんの希望に応えてあげることもできます。

 

もちろん、保険では点数はつきません(所定点数に材料料が含まれる)ので

それなりに高価な薬剤を使うことは工夫と患者さんへの説明が必要になるかもしれません。

 

ヌールコート

まさにキャッチコピーが 3D歯科 としては好みです。

カラーリング材もたくさん出ており

義歯用のステインも登場しました、

 

ですがどちらかと言うと、クリアータイプを推している製品に思えます。

 

先生方も、口腔内スキャナーを使用していると

リングマシンも所有しており院内完結している、ということもあるかと思います。

 

技工士さんも在籍していれば研磨も完璧に行ってもらっているかもしれませんが

補綴製作が重なった時や、技工士さんがいないときなどに

ヌールコートが非常に役立ちます。

 

例えばCAD CAM冠であれば、ブロックから切り離した後に

表面の凸凹をならしただけでヌールコートを塗布すると

滑沢な研磨が不要になります。

 

これは院内で技工をすると非常に時短で楽になります。

 

3Dプリントのテックも、サポート部分をとった後は

ヌールコートを塗るだけ。楽ちんです。

 

 

また、最近トライしている3Dプリントデンチャーについても

研磨で綺麗にするのは煩雑ですが、

ざっと凹凸をとった後は、ヌールコートとジェルを塗って硬化させれば

滑沢な表面が得られます。

 

まとめ

メリットは以上に挙げた通りですが、

デメリットはコストと、レジン系マテリアルにしか使用できないこと、

塗ったところを削合するとそこだけ光沢がなくなることでしょうか。

 

ただ口腔内使用できますので、咬合調整などで剥げてしまったところを

再度綺麗にしてあげることも簡単です。

 

技工士さんによっては、仕事の哲学として滑沢材は全く使用せず研磨のみ、と言う方もいらっしゃいますが

チェアサイドで行うには、ぜひダイレクトボンディング後、CADセット後、

3Dプリント補綴などに積極的に使用したい製品だと思います。

 

ここまで記載しながら、ジルコニアに使用できないのかな、と実験してみたいと思いました。

ジルコニアはちゃんと処理すればボンディングは付きますし(=表面がレジン層になる)

その上からならヌールコートなどは重なるのではないでしょうか。

 

もちろん歯肉と接触する部分などはむしろ裸のジルコニアが一番良く、

ステイン材やグレーズ材も含めて塗るべきではありませんが

すでにセットされた白すぎたジルコニアなどにわずかにステインしてあげることは

患者さんが補綴をやりかえなくて済むきっかけになるかもしれません。

材料的に難しいかもしれませんが、明日以降に試してみようと思います。

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。