3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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Medit i700をMacで使用する〜Macのスペックによるスキャン速度の比較(M1 MacBook Air VS M1 Pro MacBook Pro)

こんにちは。

3D歯科 です。

 

昨年はたくさんの方に記事をお読みいただき、コメントもいただきましてありがとうございました。

3D歯科 が工夫したり見聞きした内容、試行錯誤した内容でとても限られた情報にはなりますが、

今年も先生方に少しでも有益な情報を発信できればと思っています。

本年も宜しくお願いします。

 

前回は専用ソフトを使用せず、無料ソフトのMeditDesignで総義歯製作のCADを行う

方法について、簡単に紹介しました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は、ずっと狙っていたM1 ProのMacBookを入手したので、

嬉しさのあまり速度検証をしましたので共有させていただきます。

よろしくお願いします。

 

スキャン速度はPCのスペックに左右される

digitaldentistry.hatenablog.com

こちら↑でも記載しましたが、同じスキャナーを用いても

使用するシステムやスペックにより、口腔内スキャナーの速度は変化します。

 

スキャンそれ自体の速度としては、市場の口腔内スキャナーはほとんど全てが

チェアサイドでの使用にストレスなく問題がないスピードになっています。

 

一昔前までは、この機種が早い、この機種はスキャンスピード自体が遅い、

などもありましたが、2023年の今、最新モデルであればほとんど遜色ないと思います。

 

ただし、差が出るのは接続しているコンピューターの処理能力です。

スキャナーの撮影スペックがあっても、パソコン側にボトルネック(遅くなる原因)

があるような状態です。

 

そのため、Prime Scanほか高価な部類の口腔内スキャナーは専用PCを備えており、

CPUやGPUでのスペック不足がないようになっています。

そのほかMeditを含め、低価格な口腔内スキャナーも販売会社指定のPCを

抱き合わせで購入する形になっていることがほとんどではないでしょうか。

 

ただ、PCは年々新しくなり、処理能力は向上していきます。

三年前に購入したPrime ScanのPCも、今となってはそこまで高速なスペックではありません。

Medit i700と抱き合わせで去年購入したWindowsのノートPCの方が、

スペック的には上になっています。

 

しかも一体型のスキャナーは扱いやすいのですが、

PCの故障により使用できなくもなりますし、年々PCはゴミデータのようなものが溜まっていき速度が落ちてしまいます。

ハードディスクも自分では増設できないようになっているので、日常臨床で口腔内スキャンを

多用する先生では、2、3年も待たずにディスクの空きがなくなってしまいます。

 

そこで、 3D歯科 としてはMedit i700のようにパソコンだけを新しくしていくと、

スキャンスピードが上げられる、というシステムの方が将来性があると思います。

 

特にMeditはMacに正式対応したので、最近のM1かM2のMacであれば、

どのモデルも使用できます。

 

今回はその中でも個人的に気になっていた、

M1のMacBook Airと、さらに高性能なGPU搭載のM1 pro搭載のMacBook Proについて

どの程度、高速化されるのかを調べてみました。

 

M1 proのMacBook Proでの上下スキャン時間

まずは、新たに購入したMacBook Proです。

特にカスタムはせず、吊るしで購入できるモデルとしました。

比較した条件は、新品購入後にほぼアプリは入れず、Medit LinkとModel Builderをインストール。

バッテリー駆動でバッテリーは100%充電済み。

上下フルのスキャンで、アライナー矯正に使える程度の精度としました。

Medit i700をケーブル1本で繋ぎ、ヒーターが温まってからスキャンを開始しました。

 

結果ですが、

なんとスキャン時間はざっと2分30秒です!

 

そこからスキャン結果表示(RAWデータ)まで40秒、

模型表示されて他のアプリで扱えるようになる、プロセッシング終了までは、

スキャン完了後2分半かかりました。

 

このプロセス時間がやはり長く感じましたが、上下とバイトでスキャン時間は

予想していたよりも短かったです。

 

ちなみにPrime Scanは上下バイトまででおよそ3分でした。

ただしプロセッションは1分半で終了しました。

 

ついでにModel Builderで3Dプリント模型製作までデータ処理を行なってみると、

スキャン開始から6分半後には模型データSTLがエクスポートできました。

 

アナログではアルジネート印象から石膏注入が終わるところまでというイメージでしょうか。

もう絶対に印象材には戻れません。

 

比較対象:M1搭載のMacBook Airの新品(旧モデル)

さて、別用途でちょうどMacBook Airの新品を購入したので、

先ほどと同条件でほぼアプリインストールなし、バッテリー駆動でスキャンしてみました。

 

結果としては・・・

スキャン時間は上下バイト合わせて3分でした。

あれ、思った以上に時間的には差がない・・・

昔に検証した際には6分かかり、純正のWindowsでの4分10秒のスキャン時間と比較して

体感でもかなり遅く感じていました。

 

ですが、前にテストした2ヶ月前と変わって

Medit Linkのアップデート、Macへの最適化が行われた関係で

単純にスキャンスピードが向上したようです。

 

プロセッシング終了までは2分40秒。

これもM1 proのMacBook Proとあまり変わりません。

 

価格的には倍程度の差があるM1 MacとM1 proのMac

(M2よりもM1 proが高速)

こうしてみると、すでにPCのスペックでもボトルネックはなくなってきているようです。

 

ちなみにスキャンスタートからModel Builderでエクスポートまででも7分程度。

M1プロセッサー搭載のMacなら大体どれでもうまくいくかもしれません。

 

比較した感想

個人的にはMacに30万円近く投資したのは初めてだったので、

スキャン速度も恐ろしく差が出るのでは・・・と思っていましたが、

時間的には結果としてあまり差がありませんでした。

 

ただ、スキャンしている感覚としては、

スキャン中のマッチングが早く、スキャナーが迷う時間や、

どこをスキャンしているかを見失う事がほぼ無く、かなり快適でした。

 

Prime Scanも快適にスキャンが行えますが、

Meditに比べてマッチングが早くてやりやすい、というのが体感的には理由と思います。

そのため、M1 pro以上のモデルであれば、より高額なPrime Scanと

同等のスキャン体験が得られるように思いました。

 

Prime Scanと比べると、鼓形空隙部分はPrime Scanが圧倒的に高速です。

ですがアライナー矯正では重要な、上顎7の遠心面のスキャンは

チップの小型なMedit i700がかなりスキャンしやすいです。

 

これ以上は、先生方の用途が何で、何を優先するか、が選択基準になり

どのモデルを選んでも日常診療に困ることはなくなってきそうです。

 

まとめ

ちょっと悔しい?結果でしたが、いずれにしても50万円程度で購入した

Windowsの高価なノートPCよりも、バスパワーで軽量小型なMac

スキャンが早いというのは素晴らしいことだと思っています。

 

今後、M1 proのMacはCADや動画編集などで使用しますので、

ここではMacBook Airよりも頑張ってくれることを期待しています。

 

 

ちょっとだけ告知をさせていただくと、

インプラントで有名なストローマン社の企画している

speaker's cornerという、一般のドクター等が行う講習会のような企画に

私も講師として参加させていただくことになりました。

 

日時

1月11日(水)20:00~21:00
1月25日(水)13:30
14:30(再配信)

 

GPがはじめてのアライナー矯正をやり切るために。
2、3症例目をスタートするために。

 

というタイトルで行います。

 

私はGPですので、矯正は経験も浅くお恥ずかしい限りですが、

せっかく機会を頂いたので、同じようにGPでアライナー矯正を

クリアコレクトで初めてみよう、スタートしたばかり、という先生向けで

お話をさせていただきます。

 

1/11分の詳細↓

us02web.zoom.us

 

1/25分の詳細↓

us02web.zoom.us

 

もしもお時間がありましたら、チェックしていただけると嬉しいです。

矯正はまだまだ勉強を始めたばかりですので、ご覧いただいた上で

アライナー矯正について知識がおありの先生方は、ぜひ改善点やポイントなどを

教えていただけますと幸いです。

 

 

次回は木曜ではなく、1/11のspeaker's cornerに合わせて

クリアコレクト初症例での内容などを来週水曜に更新したいな・・・

と予定しています。

 

 

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。