3D歯科 のデジタル歯医者入門

最小限の費用と努力で最大限の恩恵を受ける歯科デジタル活用術

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無料ソフトで作成する3Dプリントデンチャーについて②無料ソフトMedit Designを利用した総義歯製作

こんにちは。

3D歯科 です。

 

前回はデジタルで総義歯が作成可能なのだということをお話ししました。

digitaldentistry.hatenablog.com

 

今回は実際に必要な材料と、Medit Designでどのように義歯製作を行うかの概念をお話しします。

さらに次回はチェアサイドでの操作、ソフトでの技工操作の方法と、フェイススキャンの活用について簡単に紹介します。

 

よろしくお願いします。

 

3Dプリントデンチャーの必要な材料

必要な機器と材料は

こちらのような使い慣れた3Dプリンターと

 

あとは、今回はDHプリントというデンケンハイデンタルのレジンを使用します。

これは薬事認可が下りていますので、患者さんにお勧めしやすいです。

ただし500mlで30,000円程と、決して安くはありません。

もっと普及してレジンの価格が下がると良いのですが。

 

ソフトは無料ソフトのMedit Designです。

フェイススキャンや咬合器を使用する場合はB4D(Blender for Dental)を使用します。

 

義歯の構成要素について考える

はじめに、どういったデータを準備、作成すれば総義歯製作が行えるかを考えてみます。

 

総義歯は、ご存知の通り義歯床人工歯に分かれています。

さらに分解してみると、人工歯義歯床粘膜面義歯床研磨面 に分かれます。

 

歯冠補綴でいうTEKのような使い方であれば、モノブロックで一塊で3Dプリントも可能です。

ただし義歯の色調は人工歯色の真っ白になるため、審美面では難があります。

 

そのため、3Dプリントを利用した総義歯は、人工歯と義歯床を別々に出力し

後で繋ぐことで義歯らしい色調を得ることになります。

 

義歯製作で必要なデータを集める

総義歯は、人工歯義歯床粘膜面義歯床研磨面 に分かれます。

 

人工歯は咬合平面を決定できれば、CADのワックスアップ用データベースからデータが得られます。

ただしこの咬合平面、咬合高径を得るのは今のところアナログな手技を主に頼ることになります。

3D歯科 はフェイススキャンを利用して正確な咬合平面が得られるか試行錯誤中です。

 

義歯床粘膜面は、いわゆる印象採得で得られます。

3Dプリントを利用するとコピーデンチャーも簡便に作成できるため、

FGPテクニック(ワックス上で対合歯から咬合面情報を得る)記録と咬合圧印象を

行う機能的咬合印象法FBI(Functional Bite Impression)を用いることもでき

比較的簡単に吸着しやすい粘膜面印象を得られると思っています、

 

義歯床研磨面はシリコン印象材やソフトライナーなどを用いて、

コピーデンチャーに機能時の形態を記録することで再現できます。

コピーデンチャーを利用して咬座印象と同時に、

デンチャースペースの記録として古くからあるピエゾグラフィーを行い

そのままデータ化することで義歯床部分がまとめて得られます。

 

義歯として再構成する

例えばCADソフトのデンチャーモジュールでは、

印象面にスプリントを作成するように義歯床を盛り上げ、

そこに人工歯を繋ぐ、という方法で義歯作成が行われています。

 

この方法では、義歯床外形はCADで自由に得られるので、

通法のアナログ石膏模型から義歯作成する時に外形線を鉛筆で引くように

技工の際に自在に行なうことが可能です。

 

今回はそれと違い、無料ソフトMedit Designを利用して

義歯製作を行なった経験があるので紹介します。

 

先にお話しした通り、

総義歯は、人工歯義歯床粘膜面義歯床研磨面 に分かれます。

これらのデータはすでに旧義歯から、コピーデンチャー咬座印象から得られていますので

3D歯科 では、それを繋ぎ合わせて義歯を作るように臨床でも活用中です。

 

完成義歯のコピーデンチャーを作成するのは、義歯をスキャンするだけでOKです。

同様に、コピーデンチャーで床外形と咬合平面が決定できれば

その形態をそのままコピーすることで総義歯が得られます。

 

すなわちMedit Designで義歯床にCADの人工歯をくっつけるだけで

ソフトの操作が完了します。とっても簡単です。

 

人工歯部はコピーデンチャー通りである必要はなく、CADのデータベースの中から

好みのものを選択して、加工して繋げられるので

バイトを変えたり審美の変更を行うこともできます。

 

note.com

12/26にワックスアップなどで利用するライブラリの作成方法を記載しました↑

 

 

次回には、チェアサイドでの操作、ソフトでの技工操作の方法と、フェイススキャンの活用について簡単に紹介します。

 

また、Doctorbookというサイトにて、MeditDesignで作成した総義歯の症例を

明日金曜日から公開させていただいています。

急ぎの要件で義歯を作成し、バイトのズレを経験したというお恥ずかしい症例ですが

3D歯科 の3Dプリントの初めての義歯症例ですので、もしこれから3Dプリントで

義歯製作をやってみようという先生がいらっしゃいましたら、見ていただけると嬉しいです。

academy.doctorbook.jp

もし見ていただいた方で質問、感想などありましたら、この記事へコメントいただけますと嬉しいです。 

 

まとめ

今回の内容は以上になります。

長い文章でしたが最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

3D歯科 では、毎週木曜日にデジタルを利用した臨床のアイディアを

少しずつ更新していきます。

 

note.com

↑こちらでも不定期に動画付きのデータを更新しています。

よろしければ見ていただけると嬉しいです。

 

先生がたの臨床に少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

今後とも 3D歯科 をよろしくお願いします。